ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『イリュージョン』

2007-01-27 06:39:50 | わたしの読書

『イリュージョン』
リチャード・バック 作
村上龍訳

夏目漱石を再読し、その面白さに感激した勢いで、この、懐かしの一冊を手にとりました。ボロボロになった一冊。どんなに引越ししても、持ち歩いていた本の中の一冊。
・・・・・正直に言うと、かなりショックを受けています。本にではなく、自分自身に。

始めて読んだのは、たしか、高校生のときか?大学生のとき。
頭を殴られたような衝撃だったはずなのに、 あんなに興奮して読んだのに、私の世界観を変えたかもしれない、とにかく、ものすごく影響を受けていた一冊だったのに・・・

今の私は、ものすごく冷静だった。
へえ~っ。ふ~んって感じで、読んでいた。 そうかあ。そういう考え方もあるね・・・と。
もちろん、間違いなく面白かったけど、これは、頭に残っている衝撃の一冊とは、別ものだ。
あの頃、何に、そんなに衝撃を受けたのかも、思い出せない。

ああ、友だちと明け方まで『イリュージョン』の世界を語り合ったっけ。
夜明けまで語った?この本で?ああ。何を、そんなに語り合ったのかさえも、思い出せない。
・・・大人になるって、ちょっぴり寂しい。
でも、もしかしたら、『イリュージョン』で語られている言葉は、すでに私の中の言葉になっていて、だから、衝撃にならなかったのだろうか?
・・・大人になるって、ちょっぴり不思議。

息子くん、たくさん本を読みなさい。
沢山の本から、たくさん感じて、怒って、泣いて、恐れて、笑って・・・

大人になるって、ちょっぴり寂しいけれど、若い頃の自分の心の在り様を想うのは・・・・・・悪いもんじゃない。かな。
そうだ。次は、あの頃、ちょっと難しかった覚えのある『かもめのジョナサン』の方を再読してみようか?また、違うリチャード・バック像が、私の中に生まれるかもしれないな。

中学生?高校生?になった息子に、この本を送ってあげよう。そんなことを考えながら。


またまた・・・『ぺチューニアのクリスマス』

2007-01-25 05:01:40 | 息子と読んだ本のこと・絵本

『ぺチューニアのクリスマス』
ロジャー・デュボワザン作 まつおか きょうこ訳 

借りてきた絵本は全部読んでしまったし、さあ、いよいよ、ホッツェンプロッツの2巻だ~!と話していたのですが・・・
「ねえ、今日は、もう一度だけぺチューニア読んでよ。」と、息子。
しかも、選んだのは、この一冊。ちょっと驚いてしまった母です。

ぺチューニアの恋が、可愛かったのかしら?
それとも、ぺチューニアの突拍子もないアイディアが、気に入ったのかしら?
それとも、最後の最後に見開きで描かれる「ぺチューニアの結婚式」が、気に入ったのかしら?

(これが、最高に愉快な挿絵なのです。農場の牛や馬がダンスしたりして)

とにもかくにも、おとといよりも、さらに熱心に聞き入り、お約束の場面で笑い、最後の結婚パーティの場面
では、絵本を取り上げて見入っている息子に、母は、びっくり。
恐るべし、ぺチューニア。すっかり、息子までも虜にしてしまったのですね。

おまけに、ちょっとしたサプライズも!!
表紙と裏表紙を広げて繋げると・・・
表紙のぺチューニアと、裏表紙の恋人・リチャードが、金網越しに見つめあっているではありませんか
母が、玄関の戸締り確認に行っている間に息子が発見し、大興奮。

もうすぐ5年生だけれど・・・相変わらずの息子くんに、毎度ながら、驚かされる母なのでした。君の頭の中をのぞいてみたいなあ~


『長ぐつをはいたねこ』

2007-01-24 19:35:56 | 息子と読んだ本のこと・絵本
『長ぐつをはいたねこ』~グリム童話~
スベン・オットー(絵)

素敵な挿絵にひかれて借りてきました。
息子くん、「あ~!これ知ってる!!」と大喜び。でもね、
「面白そうだから、学校で途中まで読んだけど、字が小さいからやめた」
んだそうです。

いやあ、そこまで小さいとは、思いませんが・・・
君が、毎日読んでいる漫画「こち亀」の方が、よっぽど小さくて字が多いし

そんな訳で、「こち亀」よりは、夢中にさせてくれなかったけれど、面白そうだとは、ずっと思っていた物語のようです。
この絵本が、最後まで読めなかったことついては、教育ママとしては、複雑な想いもありますが、ま、面白そうと思っていた本を読めて、良かったということで・・・とにかく、読み始めることにしました。

ストーリーは、何となく覚えていましたが、こんなに面白かったんですね~。
母も、充分楽しみました。とにかく、猫くん、かしこい!
ここまで気持ちの良いサクセスストーリーって、なかなか、ないです。
けれど、息子にとっては、「猫は、ズル賢い」んだそうです。
最初に、王様に作り話をして騙すところが、ズル賢いのだそうです。そうかあ、騙すところが、ちょっと気に入らなかったのね。意外でした。

『穴』

2007-01-23 11:03:29 | わたしの読書

『穴』
ルイス・サッカー作 /幸田 敦子 訳

よくおじゃまする書評のブログで、紹介されていた一冊。
「児童書だけど侮れない」・・・というコメントを読んで、すっかり、興味をそそられてしまいました。
無実の罪で少年更生施設に送られた少年の物語・・・ときいて、YAコーナーにあると思いきや、本当に、児童書コーナーに並んでいました。借りたときは、それが意外でたまりませんでした。でも・・・

主人公の少年・スタンリーは、学校では「デブ」といじめられ、「まずいときにまずいところにいた」ために、やってもいない罪を着せられ、少年更生施設-グリーン・レイク・キャンプに送られてしまいます。
レイクと言っても、そこには干上がった湖があるだけ。そして、曰くありげな所長やカウンセラーたち。
スタンリーは、炎天下の中、ひたすら穴を掘る日々を送るのですが・・・。


更生のためだという穴掘りには、どうやら秘密があるらしい。物語は、このスタンリー少年の物語を軸に、スタンリーの「ひいひいじいさん」の物語、このグリーン・レイク・キャンプの地で起こった悲恋物語などが、交互に語られていきます。
このパズルのような構成が、なんとも面白い。そして、そのパズルが、頭の中でバシッと繋がったとき、物語も急展開!一気にラストまで走っていきます。

とにかく面白くて、面白くて!!
これは、児童文学とか、そういう枠を取っ払った面白さです。
児童向けに書かれているせいか読みやすいし、ハラハラドキドキで止められない。とにかく、夢中で読み干しました。おかげ様で、一日で読了です!(パパが、息子を野球に連れていってくれたし)
最後の最後は、もう少し明確なハッピーエンドが欲しかった感もありますが、面白かったから、我慢したいと思います。その代わり、自分の頭の中で想像しておきました。主人公とその友だちの、最高の「その後」を

読了後に、爽快感というか、心の底から力が湧いてくるような感覚があり、これが、児童文学として、アメリカで賞をとった所以かと思いました。
これを子どもの時に読んだら、また、違うドキドキ感や爽快感を味わえたでしょう。そして、生きる力、生き抜く力に変えることができたかも
しれない。
無実の罪を否定しないで、受け入れてしまった主人公スタンリーが、最後の最後、「嘘だ!」と叫んだように。(この本、「中学生以上からの翻訳シリーズ」の一冊のようです)

それにしても・・・村上春樹病かもしれませんが、こういうパズルのような物語構成、好きだなあ。全然違う時代、場所で語られる物語が、実は、回文のように繋がっている。この世界は、そうやって廻ってるんだ~と思うことがあるのです。


『ぺチューニアすきだよ』『ぺチューニアのクリスマス』

2007-01-23 10:43:50 | 息子と読んだ本のこと・絵本

『ぺチューニアすきだよ』
ロジャー・デュボワザン作 まつおか きょうこ訳 

今日の物語の中で、きっと、ぺチューニアは結婚するに違いない!
以前読んだお話の中で、旦那様と子どもがいた話を読んでいたので、題名から、勝手に推測。ところが・・・・・全然違っていました(笑)
ぺチューニアを食べてしまいたいあらいぐまが、「ぺチューニアすきだよ」と散歩に誘い出すのです。もちろん、ぺチューニアは、快く誘いにのってしまい・・・
息子は、もちろん、「あ~!馬鹿!!」のツッコミ。

でも、最後の最後に、ちゃんと素敵な「すきだよ。」が待っていました。
残念ながら、恋人にはなれなかったけど。

『ぺチューニアのクリスマス』
ロジャー・デュボワザン作 まつおか きょうこ訳 

こちらの一冊が、ぺチューニアの恋のお話でした。
冬のある日、ぺチューニアが出会ったのは、クリスマスのご馳走になるために、太らされているという、雄のがちょう。
さあ、大好きな彼を救うために、ぺチューニアが、大奮闘です!

ぺチューニアの奇抜なアイディアに、息子は、ひっくり返っておりました(笑)
本当に、おとぼけぺチューニア。なんて、可愛いのかしら。
でも、このシリーズも、この一冊でオシマイ。なんとも寂しいです。
ぺチューニア。お腹の赤ちゃんが大きくなるまで、お預けかな。


『ぺチューニアのうた』『ルンペルシュティルツヘン』

2007-01-21 13:36:37 | 息子と読んだ本のこと・絵本
『ぺチューニアのうた』
ロジャー・デュボワザン作 まつおか きょうこ訳 

またまた、ぺチューニア♪
今回は、上手にうたを歌いたくてたまらないぺチューニアのお話です。でも、ぺチューニアが歌うと、どうしても「があがあがあ、があがあ」になっちゃう(笑)。
最後のオチも可笑しくて、ずっとニヤニヤの一冊でした。
でも、今回、一番、物語を引き立てていたのは、鋭いツッコミの猫だったかも。うんうん。猫って、そういう冷静なツッコミしそうです。

『ルンペルシュティルツヘン』~グリム童話~
乾 侑美子(訳) ポール ガルドン(絵)

物足りない息子のために、昨日も、もう一冊。
前日に読んだのが、日本の鬼の話なら、今回は、ヨーロッパの小人?小悪魔?の話。グリム童話です。私も、読んだことを覚えている程度でしたが・・・

藁を金の糸に変えなければ、王様に殺されてしまうという娘が、小人と取引をして、糸を紡いでもらいます。そして、とうとう最後の取引・・・。娘は、自分の一番最初の子どもを、小人に挙げるという約束をしてしまうのです。

娘だって、お父さんの見栄のために犠牲になって、金の糸を紡がなければいけなくなったのだし、小人は小人で、結局は、娘に同情したりして、なんとも憎めないキャラクターなのに、最後に悲惨な結末を迎えてしまう。
一番悪いのは、お父さんと王様なのに・・・!!
大人の私にとっては、なんとも、後味の悪いお話でした。
でも、息子は、あまり気にしていないらしく、彼の興味は、またもや舌を噛むような小人の名前に・・・。
今朝も、誇らしげに「昨日の小人の名前を覚えてる?」と・・・。そうくると思ってましたよ、息子くん。
母ですか?覚えるどころか、本を見ながらも上手く言えません。

『はてしない物語』

2007-01-21 12:57:29 | わたしの読書
『はてしない物語』
ミヒャエル・エンデ
 作
上田 真而子 佐藤 真理子訳

こういう類のファンタジーは苦手だった。ナルニアとか、指輪物語とか・・・異次元の物語のようなもの。
一度も読んだことがないのに、苦手というのも変だけれど、読もうという気になれなかったのです。子どものときから、ずっと。
それが、どうして今?なんだろうと思うけれど・・・・・読んでみたくなりました。
息子と一緒に、色々な本を楽しむうちに(苦手な作家さんのものも含め)、挑戦してみたくなったのかもしれません。
そして読み始めたのが、『はてしない物語』でした。まずは、エンデから。何となく、そう思ったのです。

ようやく読了した『はてしない物語』。
この分厚い一冊の本は、半分までは、本の中の世界・ファンタジーエンに、滅びゆくファンタジーエンを救える人間・バスチアンを引き込むための物語。
そして、その後の半分が、物語の中に入り込んだバスチアンの物語。(映画『ネバーエンディングストーリー』は、最初の半分だけの話らしい)
バスチアンは、お母さんを亡くした「いじめられっ子」という設定で、終わり半分の物語は、その心の成長を描いています。

作者の意図が見え隠れする物語は、あまり好きではないということもあり、バスチアンが本の中に入りこんでからは、最初、「これは、何を意味しているんだろう?」「エンデは、何が言いたいんだろう?」などと、勘ぐりながら読んでいる自分がいました。
ところが、いつの間にか、そんな思考はストップ。そんなこと、もうどうでもよくなって、ぐいぐいと本に引き込まれてしまいました。もしかしたら、私も、バスチアンのように、本の世界に入り込んでいたのかもしれない?そんな、不思議な感覚を覚えずにはいられませんでした。
いよいよ、最後の一頁が近づいてくるそのときには、もう、何だかわからないまま、ボロボロと涙がこぼれてしまって・・・。変ですね。悲しい訳でも何でもないのです。とにかく、涙が溢れ出て止まりませんでした。
ああ、子どもの頃に読んでいたら、いったいどんな感動を得ただろう?衝撃を受けただろう?それが残念でたまりません。もう、仕方ないのですけれど。

本を読んだ後、Amazonで、色々な方の書いたレビューを読みました。
我ながら、尋常じゃないのですが(笑)、そこでもまた、感動
ああ、バスチアンの冒険を自分のものとして共有できる人、ファンタジーエンに行って帰ってきた人が、こんなにいるのだという事実が、嬉しくて、嬉しくて・・・。
ファンタジーの世界は、何歳になっても、その扉を開いてくれているのだなあ・・・
すっかり、異次元空間に入り込んでいる38歳。次は、Amazonのレビューを参考に、『モモ』『鏡の中の鏡』の順で読んでみようと思います。ナルニアや指輪物語、ゲド戦記は、また、その後に・・・。まだまだ、忙しい38歳ですな。

『がちょうのぺチューニア』『鬼ぞろぞろ』

2007-01-20 07:05:07 | 息子と読んだ本のこと・絵本

『がちょうのぺチューニア』
ロジャー・デュボワザン作・絵  松岡享子 訳

本を持ったことで、頭がよくなったと思い込み、どんどん首が長くなってしまうぺチューニア。この思い込みが、農場に大騒動を巻き起こしてしまいます。
農場の仲間一人一人(人?)との騒動が繰り返し描かれていて、少々間延びの感もありましたが、息子は、ツボに入った騒動の場面で、ゲラゲラと笑いながら聞いてしまいました。
特に気に入ったのは、自分の子どもの数が数えられない、めんどりさんのひよこの数を数える場面。「3×3は、6!」だけで、爆笑しておりましたが、「6は、9より多いのよ!」には、ひっくり返っておりました。
ふふふ。あなたも、似たような間違いを良くやってますけど~
このツッコミは、母の心の中だけに留めておきましょう。

何より一番素敵だったのは、最後の場面。ぺチューニアが、本を持っただけでは、かしこくなれないと気づいた所です。
さあ、ぺチューニアは、どうしたでしょう!
これが、本当に前向きで・・・。さすが、ぺチューニア!見直しましたよ!!
それにしても、デュボワザンのペン画?は、本当に、素敵です。

『鬼ぞろぞろ』
舟崎 克彦・作 赤羽 末吉・絵

長い長い「ムーミン」を読んだ後なので、物足りない様子。もう一冊読みました。
ぱいぽさんの所で見つけた、赤羽末吉さんの挿絵の一冊。(赤羽さんの絵が大好きなのです。私)
久しぶりの「鬼」の話ということで、怖がりの息子が読みたがるか?が不安でしたが、何のリアクションもなし。おお~!!お兄さんになりましたなあ。
怖そうな本は、すべて拒否だったのにね。ちょっとびっくりです。

偶然にも、鬼の行列に出会ってしまった男。鬼につばきをかけられ、何と、周りの人から、姿が見えなくなってしまいます(つまり透明人間ですね)。
元にもどして下さいと祈り続ける男でしたが、そのうちに、姿が見えないことを良いことに、盗みに手を染めてしまいます。そして、現れた観音さま・・・
さあ、男は、どうなるのでしょう。昔話の定番、最後の選択の場面がやってきます。

今まで読んできた昔話のパターンでは、男は、残酷な仕打ちを受けるというラストが想像できたのですが・・・意外や意外。ハッピーエンドが待ち受けていました。
めでたし、めでたし。こういうラストも、良いものですね

今は、昔。鬼たちの威勢が良かった頃のお話。

そんな最後の一文に、息子が一言。
「威勢って何?」
そうかあ、威勢がわからなかったか。ちょっとびっくり。

一緒に本を読んでいると、知っていると思っていた言葉を知らない息子に、びっくりさせられることが、よくあります。けれど、正面きって「意味は?」と問われると・・・意外と、ちゃんと答えられないことも多くて。
私の国語辞典。学生時代より、今の方がフル回転かも
母も、ぺチューニアのように頑張らなくてはね。


『ぼくはめいたんてい』

2007-01-19 20:39:22 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『ぼくはめいたんてい(4)-きょうりゅうのきって』
『ぼくはめいたんてい(5)-かぎはどこだ』
『ぼくはめいたんてい(6)-ゆきの中のふしぎなできごと 』
マージョリー・W・シャーマット作 マーク・シマント絵 光吉 夏弥 訳

久しぶりに、図書館から借りてきた『ぼくはめいたんてい』シリーズ。
相変わらずのテンポの良さで、読んでいる方も聞いている方も、とても心地良く・・・。
ああ~!推理の方には、ちっとも頭が働きません。推理しようという気にもならないまま、最後まで、一気に読んでしまいます(笑)。
そして、ああそうだったのか!だよね~!と、二人で膝を打つの繰り返し。
ある意味、この作家さん、翻訳の方、すごいです。うふふ。

息子が気に入っているのは、ちょっと変わった友達「ロザモンド」。最後の巻には、いつもよりロザモンドがたくさん登場してくれました
これで、終わりなんて寂しいな。とても、面白いシリーズでした。

『太古の世界・恐竜時代』

2007-01-17 06:49:17 | 息子と読んだ本のこと・絵本
『太古の世界 恐竜時代』
ロバート サブダ著・M. ラインハート著・わく はじめ訳

ロバート・サブダという作家を知ったのは、昨年末。
よくおじゃまするブログで「サブダ展」の様子を見て、とても興味を持ちました。
「へ~。面白そう!本屋さんで見つけたら開いてみなくちゃ!」と思っていました。ところが・・・偶然ってあるものなんですね。
それからしばらくして、年末のNHKの特集(たぶん再放送)で、たまたま、彼の仕事ぶりを拝見。これが、本当に素敵な番組!もう、すっかり、彼のファンに!!
本当に、たまたま、テレビのスイッチをつけたらなんですもの。こういう偶然って、あるものなのですねえ。

早速、もう一度、お気に入りのブログにアクセスして、そこからネットショップにジャンプ!けれど、どこのショップを検索しても、「絶版・取り扱い不可」状態。
人気がありすぎて、とても手に入らないようなのです。(オークションでは、袋に入ったままの新品が、倍近い値段で取引されています)
特に、番組で紹介していた、この『恐竜時代』と『シャーク』は、人気があるらしい。もう、日本語訳を手に入れるのは、半ば諦めていたのですが・・・
まめにチェックしていたら、なんと、2週間位前、某ネットショップ(本屋さん)で、この商品だけ取り扱いしているじゃありませんか!やった~!

そして、我が家にやってきた『恐竜時代』。もう、大興奮でした!!
 この迫力!

大人でも興奮してしまう、この迫力!
これは図鑑なのですが、仕掛けが凄すぎて、とても文字を追う余裕はありません。文章は、もう少し、心が落ち着いてから・・・ゆっくり読むことにします。
「赤ちゃんには、触らせないようにしなきゃ!」と息子。
あはは。あなたの妹は、なんでも壊す・破る・イタズラ書きする子だったものね。お腹の赤ちゃんも、そうなる可能性は大。気をつけましょう、気をつけましょう。
本棚の上の方に、大切に、隠しておくことにしました!

『ムーミン全集3・ムーミンパパの思い出』

2007-01-15 22:17:42 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『ムーミン全集3・ムーミンパパの思い出』
トーべ・ヤンソン作

自分の若い頃を『思い出の記』という本に綴ったムーミンパパが、子どもたちに、その話を読んできかせるという設定で、物語が進んでいきます。
前半は、かなり単調で、どうなることかと思いましたが(いつ「つまらない。」と言われるか、母が勝手にハラハラしていた。けれど、息子は、ちっとも気にしていなかった様子)、そこを抜ければ、いつものムーミン。個性的なキャラクターが続々登場し、大いに楽しませてもらいました。

何より驚いたのは、アニメでは、おっとりしていて、寛容で、良きパパのイメージだったムーミンパパが、うぬぼれ屋でナルシストだったこと。
言いすぎ?いやいや、かなりのものなんです。これが。
息子たちに、自分の書いた『思い出の記』にケチをつけられ、ムッとするところなんぞ、なんとも言えません。それをムーミンママがフォローすると、とたんに気を良くしたりね。

本当に、「ムーミン」というのは、可愛い夢物語かと思いきや、人間の醜いところを鋭くついてきて、かなり刺激的な物語。けれど、そこに何の嫌味もなく、結局のところ、みんな仲良しで仲良く暮らしているというのが不思議なのです。ヤンソンさんは、きっと、そんな醜い部分も含めて、人間が愛おしくて仕方がなかったのでしょうね。
それにしても・・・ムーミンパパの出生の秘密が「新聞紙にくるまれて捨てられていた」なんて設定、ありですか?びっくりです。

息子といえば、個性的な登場人物たちの虜状態
前巻に出てきた、悪気なく何でも盗んでしまう「トフスラン・ビフスラン夫婦」に引き続き、今回も、ホラ吹き「ミムラの娘」に御執心でした。
他にも、スナフキンのお父さん・ヨクサルの
何もしないで過ごすこと!をモットーとし、規則を守らないことに情熱を傾ける姿勢」にも、大いに共感した様子
物語の中では、ムーミンパパと対立することも多く、あまり良い感じに描かれていなかった様に思えるのですが、「俺、ヨクサルが一番好きだなあ~」と憧れすら抱いた様なのです。昨日など、「俺、ヨクサルみたいになるのが目標だ。」と言い出しました!
ええ~。なんで?
母親としては、どうして目標が、そのキャラなのよ!?・・・なんだけど。

それから、ヨクサルとは逆に、規則を作って守らせるのが大好きなヘムレンさんや、国民をおどかしたり、馬鹿にすることが大好きな王様などが登場。
大人が読むと、これは、かなり毒のきいた、キツイ風刺?
まさにドキッなのですが、子どもにとっては、とにかく可笑しいらしい。
母の姿を重ね合わせていた?であろう「規則大好きの教育遊びに情熱を傾けるヘムレンさん」なんて、変な島に置き去りにされてしまうのですから、息子にとっては、まさに気分爽快!?
こういう物語を心から楽しめずに、苦笑いしたり、ドキッとするようになったら、立派な大人ってことでしょうか

そんな訳で、元日から始まったムーミン物語。ようやく、読了です!


映画『ガータ~パレスチナの詩』

2007-01-14 04:46:27 | 映画
今日は、自主映画会に参加するために、町田まで、電車にゆられてきました♪
いくら、もうすぐ家に閉じこもりきりになるとはいえ、最近、ちょっと出歩きすぎ?連続の映画鑑賞・・・。少し反省です。
でも、本当は、今日の映画だけが、前々から決まってたのよ・・・ 。黙って駅まで送ってくれる旦那様に、心の中で言い訳の朝なのでした
さてさて、映画です
古井みずえ監督による、このドキュメンタリー映画は、イスラエルとパレスチナの紛争問題を、ガータというパレスチナ人の女性の視点から描いたもの。
その現場にいて、戦争の悲劇や恐怖を目の当たりにしたら、ついつい、そちらに視点が移ってしまいそうですが、監督が描くのは、最後まで反れることなく、そこに生きる女性の日常、考え、想い。
ガータが、「派手な結婚式なんてしたくない!」と言い出したり、「親戚や姑の台所チェックが本当に嫌なのよね!」と愚痴ったりするのが、本当に、おかしくて・・・。おまけに、料理が苦手で旦那様にやらせたり・・・。うふふ。日本で暮らす女性と、なんら変わりがないのですね。

正直、イスラム圏の考え方は、ちょっと理解し難いと思っていました。
女性への特別な慣習もあるし、女性にとっては、まさに地獄のようなところなのかと思っていたのです。ですから、ガータのような自由な考え方を持つ女性もいるのだと知ることは、私にとっては、かなりの驚きでした。
それに、その忌まわしい慣習に縛られている女性たちでさえ、その中で、明るく歌をうたい、踊り、彼女たちなりに旦那さまを愛し、支えているのだという事実。(もちろん、苦しんでいる女性もいるのだろうけれど)
当たり前のことなのですが、彼女たちは、私たちと同じ「人間」なのです。

パレスチナ問題。どうしたら、良い方向に向かうのでしょうね?
しわくちゃのおばあさんが言うのです。ユダヤ人がやってくるまで、私たちは、本当に平和に暮らしていたのですと。その悲しげな顔が、ずっと頭の片隅に残っています。
この平和な国・日本に暮らす私たちに、いったい何ができるのだろう?
自主上映会の会場を出たら、すっかり日が暮れていて・・・
キラキラと光る繁華街のネオンが、なんだか、不思議な光に見えました。今、このときも、瓦礫の中で暮らしている人たちがいるのです。銃声の中で、遊ぶ子どもたちがいるのです。

さて、今回の映画会。チケットを予約したりする関係で、何度か、メールでやり取りしていた「町田でガータに出会う会」の代表の女性に会うのが、楽しみの一つでした。本当に感じの良い対応だったのです。
その彼女は、ハツラツとした若い女性。監督との舞台トークの進行もされていましたが、本当に、生き生きとした女性で・・・その姿が、映画の中のガータと重なってしまいました。
同じ女として、こういうパワフルで、素敵な女性に会えるというのは、とても嬉しいですね。
もしかしたら、世界を変えることができるのは、女性なのかもしれないぞ!

追伸:この素敵な映画を紹介してくれた友人にも、感謝です。

『坊ちゃん』

2007-01-12 04:34:50 | わたしの読書

『坊ちゃん』夏目漱石

夏目漱石って、こんなに面白かったかなあ~
何度も、そんなことをツブヤキながらの読書となりました。
「痛快」とは、まさに、こういう小説を読んだ時に使う言葉なんだろうと思う。本当に、胸がスカッとしました。面白いほどに。

多種多様な文章が氾濫している現代に生きる私が、こんなに心躍らせるのだから、きっと、当時の人々は、腰を抜かしたに違いない!なんて、想像してみるのも楽しかった。うふふ。大学で、国文科に進んだ人は、そういうのも研究するのかしら。ああ、もう一度大学に進学できるなら、そういう選択も面白いなあ~なんて。

最初に、この本を手にしたのは、たしか小学校高学年?中学一年生?のとき。
子ども向きのシリーズだったから、きっと、修正が入っているものだったに違いない。けれど、残念ながら、ほとんど覚えておらず・・・。
私にとっての漱石は、まさに今が旬なのかもしれません。文体が、スルスルと入っていく感じがしました。
それに、主人公・坊ちゃんが、とにかく自己完結(自分の中の正義を振りかざすところ)で終わってしまうなんて所が、漱石の偏屈ぶりを表していて、なんとも可笑しい。そんな楽しみ方ができるのも、また、大人になってから読む楽しみだなあ。
ああ、本当に楽しかった!新たな発見が生まれた一冊でした


『ムーミン全集3・ムーミンパパの思い出』

2007-01-10 08:51:39 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『ムーミンパパの思い出』
トーベ・ヤンソン作

元日から読み始めた第3巻。
正直言って、この長編物語の前半は、読み聞かせで聞くのにはどうだろう・・・?と、思わず不安になる、静かな静かな展開でした。
絵も少ないので、息子は、布団に横になったまま聞いていて・・・。

つまらなくて、寝てるんじゃないか?
淡々とした物語を語りながら、何度も不安になって、息子を横目でチラリ。でも、ちゃんと聞いているようです。絵が出てきそうな展開になると、とたんに起きて本をのぞきこんだりして・・・。
おまけに、これが一週間続いているにも関わらず、毎晩「さあ、読もう!」と言ってきてくれます。うむむ・・・。

ちょっと、驚いてしまいました。
だって、この展開の少ない「抒情詩的」な物語を、飽きずに聞いていられるか・・・?私には、自信がないんですもの。自分で読むなら、とても素敵だと思うけれど。人に読んでもらったら、絶対に飽きてしまうと思う。
ああ。息子の頭と耳は、すでに、私のものとは、全く違うのかもしれません。それが、ちょっと羨ましかったりして。
(私は、小さい頃から、本を自分で読む子どもでしたので・・・)

さて、さて・・・
この、静かな静かな、フィンランドの森のように深い物語は、このまま最後までいくのかと思いきや・・・!?何日か前から、前巻までのような冒険モノになってきました。
息子も、ドキドキして寝ていられないのか、座って聞いています
ようやく、半分を越えました!けれど、ムーミンママとの出会いは、まだまだ先の様子。息子も母も、その時を楽しみに待っています

『名犬ラッシー』

2007-01-10 08:50:17 | 映画

名犬ラッシー

とにかく、素晴らしい映画でした!
最初から最後まで、ずっと映画に惹き込まれっぱなしでした。本当に、良かった他に、言葉が見つかりません。
それにしても、ヨーロッパ映画独特の、あの映像の美しさは、何なのだろう?
物悲しいというか、はかなげというか、なんというか・・・あの美しい映像を見ただけで、心が震えてしまいます。主人公の男の子も準主役の女の子も、ちっとも、美少年でも美少女でないところがいい。素朴で可愛らしくて・・・
きっと、ヨーロッパ映画が私の感性と合う、というだけのことなんだろうけれど。

息子の感想は、
「やっぱり、冒険の話はいいなあ~。冒険って、おもしろいなあ~。」でした。
うん。ラッシーの冒険は、それはそれは、魅力的でしたからね。イギリスの風景も、また美しい!

ラッシーの冒険。もちろん、悲しいこともたくさんあったけれど、素晴らしい出会いも、たくさんありました。
人間の愚かさや残酷さに腹が立ったり、絶望感を味わったり・・・観ていると、もう、どうしようもないジレンマを感じます。けれど、逆に人間の優しさや温かさに、心が救われるのです。
そういうニ面性が、押し付けがましくなく、自然に描かれていたことが、私にとって、この映画の最も素晴らしい所でした。そして、最後の最後、愚かな人間代表だったような公爵が、変わっていくという救い・・・。

何が、人々の心を動かすのか?ラッシーが、名犬だからじゃないのです。ラッシーの、大好きな主人に会いたい、そのひたむきな心が、自然に、周りの人々の心を動かすのです。
ラッシーと道中を共にする旅芸人が、別れ際に、ラッシーに言います。
「オマエは、人間の言葉がわかるのに、人間には、犬の言葉がわからない。でも、人間の方が賢いことになってるんだよな。」
本当にね。自分の方が賢いと思ったところから、人間の過ちは、始まっているのかもしれません。シンミリと感じ入りました。

息子は、貧しいという理由だけで、大好きなラッシーを奪われる少年の理不尽な怒りを、きっときっと、身体全体で感じたのではないかと思います。そして、それを貰い受ける、お金持ちの少女ですら、幸せではないということに、どんな葛藤を感じただろう。
帰り道、もう真っ暗な道のりを、二人それぞれ、想いに耽りながら帰ってきました。

ハンカチは、一枚では足りない一本でした。お気に入りの映画館は、相変わらすの観客数で助かりましたが