ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『はけたよはけたよ』

2010-08-30 12:47:29 | 娘と読んだ絵本のこと
はけたよはけたよ『はけたよはけたよ』 かんざわとしこ文・にしまきかやこ絵

娘の夏休み中のハマリ文句は、「パンツ一丁!」でした。
どこにも出かけない日は、パンツ一枚で過ごしていた娘なので、家族の誰かが、娘に
そう声をかけたのだと思います。
娘が言うと、なんとも可笑しく、つい、みんなが噴出してしまいます。
そんな訳で、娘のお気に入りの言葉になりました。

そのせいでしょうか?ある日、娘が、この本を、本棚から引っ張り出してきました。
もしかしたら、本の神様が、出してきてくれたのかもしれません。
お兄ちゃんも好きだった本。主人公の男の子の名前が、息子の呼び名と似ているのが、
母のお気に入りポイントだった記憶があります。

いばりんぼの娘は、出来ない子・悪い子の主人公が大好き。
主人公・たつくんは、まさに、娘のお気に入りの主人公です。
だって、一人でパンツがはけないんですからねー。

動物達がシッポを自慢するところとか、突然、サギが出てくるところとか、大人的には、
「ちょっと、唐突すぎやしませんかー」と、ツッコミたくなる所満載ですが、子どもには
なーんの問題もありません。特に、気に入っているのが

「しっぽのないおしり。」「つるつるのおしり。あはははは。」

の言葉。これを聞くたびに、目がキラキラと、口がニヤニヤと・・・。
娘の顔が、くしゅっと崩れるのがわかります。
赤ちゃんのとき、「おしりの歌」というのを作詞・作曲し、オムツを替える度に歌っていた母。
「つるつる おしり」は、その歌詞(というような大げさなものではありませんが)にも出てきます。
もしかしたら、そのときの歌詞が、娘の記憶に残っていたりして?

毎度のツッコミ・ポイントは、お母さんの作ってくれたズボンが出てくる場面。

娘は、なぜか、たつくんは、「この赤いズボンを反対にはいている」と主張します。
何度か、「どうして?反対じゃないよ」と、言ってみたけれど、納得せず。理由も答えず。
ただ真っ赤にぬられただけのズボンが、どうして反対にはいていると見えるのか?
それは、娘にしかわからない、大人にとっては、永遠にわからない「謎」です。
もしかしたら、パンツがはけたたつくんに、間違いを一つ見つけたかったのかな?
うーん。やっぱり、「謎」。

たつくんはね、そとにかけだしたよ。
たつくんはね、どんどん にげだしたよ。
たつくんはね、・・・・・・・。

早く読もうと思っても読めない、どうやったって、のんびり読んでしまう、この言葉。
この繰り返しが、今の母の一番のお気に入りポイント。
どんなに忙しい一日でも、この本の言葉は、のんびりとしか読めません。
娘が気に入っているのは、そんなせいもあるのかも。
夏の思い出の一冊。

読書の記録

2010-08-24 02:29:32 | わたしの読書
 『佐藤さとる幼年童話自選集1 遠い星から』

幼稚園のママ友が貸してくれた本。
小学生の頃、コロボックルシリーズが大好きだという話をしたら、翌日、「読んだことある?」と
持ってきてくれました。ありがとう。
読んだことがある物語もあり、知らなかったものもあり。
あの頃は、ほとんど読みつくしたと思っていた「佐藤さとる」。
やはり、所詮、田舎の小学生の情報収集力だったのだなあ~(笑)

それより何より、「佐藤さとる」という作家を久しぶりに読んで、その言葉の「姿勢の良さ」に驚く。
最近の作家さんが悪いと言いたい訳ではないけれど、こういう背中がピンとなるような文章を
書く人が、いなくなったなあ・・・と、つくづく思ったのでした。


 『おおきな木』 シェル・シルヴァスタイン

娘が、「Nちゃんがいっつも笑っているのは、Nちゃんのママが、いつも笑ってるからだよ」
と言った、幼稚園のNちゃんのママが教えてくれた絵本。
ママは、この本の題名と同じ名前の雑貨やさん(不定期開店)しています。
本を読み終わった後、つくづく、彼女が教えてくれた、お店の名前がついた理由を思いました。
正直に言って、衝撃の内容でした。

途中、投げかけられる「ほんとかな?」の言葉が、私の心に突き刺さりました。
今でも、この本を思うとき、その問いが頭をめぐります。ぐるぐるぐるぐる。
棘は、まだ抜けていないようです。答えは、今も出ません。

『たんぽぽの日々』 俵万智

たんぽぽの 綿毛を吹いて 見せてやる いつかおまえも 飛んでゆくから

表紙の歌で、すでに、ノックアウトです。
「ちいさな言葉」同様、今、この時期に、この本に出会えたことを、心から感謝したい気持ち。
日本語オタクなので、国語の先生としての俵万智の子育て論?が、とにかく面白かった。
そうかあ、こうやって、子どもは、言語を獲得していくのねーと、関心しきり。

勉強大好きの俵万智さん、家事が苦手?な俵万智さん、ビールが好きな俵万智さんにも、
激しく共感。私は、勉強好きでも出来が悪かったから、一緒にするなと言われそうですが。

 『冬の光 続・優しさごっこ』 今江祥智

絵本大好きのママ友さんに借りた本。

前作では、お父さんの恋愛に、激しく嫌悪感を抱いてしまった私ですが、今回は、お父さんの
恋愛話が「熱く」なかったおかげで、穏やかに、物語そのものの持つ雰囲気や、独特な時間の
流れを、楽しむことが出来ました。
京都や倉敷の風景描写が美しく、かつて訪れた町並みを、何度も思い返しながら読書出来たの
も、嬉しかった。
何より、中学生になった「あかりちゃん」が、とても素敵な女の子になっていたのが、嬉しかった。
自然体で、二人の生活を楽しんでいる姿が、嬉しかった。

あとがきで、「離婚家庭は、あんなものだろうか、作者は、きれいごとを書きすぎているのでは
ないだろうか。」という批判があったということが、記されていた。
たしかに、そうかもしれないけれど・・・。でも、ありえるんじゃないかなあとも思う。
こういうお父さんなら。

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娘がお昼寝をしない日が増えた上、息子を部活に送り出すために、4時半起床の日々。
パソコンをあける日(あけられる日)は、ほとんど皆無の夏休みでした。
本を開く時間も、とれませんでした。それでも、ぼちぼちと・・・少しずつ。

特に、家のデッキにプールを出して、そこで遊ぶ娘と、犬を眺めながらの読書タイムは、
最高の幸せでした。(日焼けが怖かったけれど)
暑い毎日。どこにも行かない日は、一日中、パンツ一枚で過ごしていた娘。
まさに、朝から晩まで、何回も、プールにドボン!
水が嫌い犬は、その周りをウロウロ。
時に、娘に、ジョウロで水をかけられ、追い回される犬くんは、少々、気の毒ではありましたが、
それでも、後をついて回るところを見ると、まんざらでもなかったのかな。

あっという間の夏休み。もうすぐ、新学期です。
息子の宿題は、危機的状況にありますが、でも、これ以上、夏休みが続いたら、
私の身が持ちません(4時半起きは、毎日やっても慣れません)。
息子にとっては、恐怖の9月が、私にとっては、待ち遠しい9月が、もうすぐやってきます。
やっぱり、朝は、早くても5時半でしょう。ぶつぶつ。

                                      めずらしく眠れない夜に