ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『エーミルと小さなイーダ』

2006-01-17 05:32:05 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『エーミールと小さなイーダ』
アストリッド・リンドグレーン作
さんぺいけいこ訳

青い鳥文庫のエーミールとは、全くと言って様子が違う・・・。装丁もなにもかも!
版権が移ったのだろうか?こちらは岩波書店版。
今は、こちらを買うことしか出来ないようだ。(青い鳥文庫の方は、絶版らしい)

訳も小野寺百合子さんの古めかしい訳とは、180度違う。
どちらの訳がよかったか?なんて、比べる訳にはいかない。
なにしろ、あんなに違和感で一杯だった小野寺訳に、慣れ親しみすぎてしまっていたから・・・
ニワトリが先か?タマゴが先か?そんな感じ。

とにかく、すっかり様子が変わったエーミールに、母は呆然。
なんとなく寂しい・・・というのが、正直な感想かな・・・
そして、改めて、日本語のすごさ、日本語の妙を感じた。
もちろん、装丁が違うだけで、こんなに違う雰囲気の作品に仕上がるということもびっくりだ。

しかし、隣の息子は、ちっとも気にしていない様だった。
すっかり、エーミールの虜になっている彼は、最初から最後まで、目を輝かせ、ゲラゲラと笑い続けていた。
出版社が変わろうと、新しい装丁になろうと、訳が変わってカタカナ表記が、全く違うものになろうと、エーミールくんのイタズラは相変わらず!

雄羊を逃がしてしまい、マイヤばあさんは、雄羊に追われて塀にのぼって降りれなくなってしまい、なんとかしようと努力するけれど、最後には、雄羊を深い水溜りにはまらせてしまうエーミール。
パパは、相変わらず怒鳴り散らしているし、アルフレッドは、作男から、農場で働いている人に表記が変わったけれど、相変わらずやさしくて、かっこいい。

ただ一つ、息子が気に入らなかったことは、一冊で完結というスタイルだったらしい。
「これで、おしまい!?あと、何冊あるの?何冊で終わっちゃうの?」
心配そうに、図書館から借りてきた本の山をのぞきこんでいた。
残念ながら、あと二冊しかないの。
この気持ち、わかるなあ・・・・。
私も、大好きな作家の新刊を読み終えるとき、こんな気持ちだもの。