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ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『空の飛びかた』

2010-03-24 13:44:38 | わたしの読書


『空の飛びかた』    ゼバスティアン メッシェンモーザー(著),  関口 裕昭(訳)

こういう本を、大人の絵本と言うのだろうか。
小学校高学年ぐらいから!?楽しめる「絵本」かな。
(もちろん、ただ読むだけなら、その前からいけると思うけれど・・・)

とにかく、絵がいい。
ペンギンの皮膚の感じまでが、絵から伝わってくる。
上手な絵は、いくらでもあるけれど、質感まで描かれた絵って、そうないと思う。
すごく、いい。絵が語るって、こういうことをいうんだなあと思う。
でっぷり太ったペンギンのお腹と、おじさんのお腹が並んでいるのが、またいい。

ラストが、またいい。
もしも、何もかもがうまくいかないと嘆いている人がいたら、是非、この絵本を。
きっと、そんなもんだよね。ペンギンくん。


『穴』『宇宙に秘められた謎』

2010-03-22 09:30:07 | 息子が一人で読んだ本

『穴』 ルイス・サッカー 幸田敦子・訳

どんな風に読んだのか、楽しかったのかどうかもわからないけれど、学校の「朝の10分読書」を
使って、9日ぐらいで読み終えた息子くんでした。

鬱々と悩んでいる間に終わった、学期末テスト。
結果が最悪で、あまりの悪さに、悩んでいたこと自体を忘れたかのように、「まずいよ、これは!」と、
一人、焦りまくった息子くん。これぞ、ショック療法!?
あれよあれよと言う間に、近所の友だちと一緒に「塾」に通うことになり、ますます、家にいる時間が
なくなりました
なんといっても、授業が終わるのが、早くて21時半!!!
ほとんど補習で残されるので、大抵22時!!!
週に3日もあるのに、先生も、よくやるなあ・・・。塾、恐るべしっ

2ヶ月近く、勉強する頭になかったため、すっかり落ちこぼれて、何がなんだかわからないけれど、
母親に、教えてもらうことだけは許せない でも、教えてもらわなければ、わからない
そのジレンマで苦しんでいるように見えたので、私も、「頑張っておいで。」と、笑顔で背中を押しました。
帰るのが、当たり前のように22時をまわる日々。私の価値観からしたら、有り得ないことです。

でも、当人は、楽しくて仕方がないらしい。

・・・・・・・・・・・いよいよ、本格的な子離れの時期ですかね。
でも、寝るのが23時になっても、朝練は続くのだから(よく、他の子は倒れないもんだ)
身体を壊さないと良いのだけれど。

さて、そんな状況のため、親子で本の話なんて、する暇さえありません。
でもね、「やっぱ、ゼロいいよなー」「いいよねー」とだけ、学校に行く前の、ちょっとした時間に
話すことができました。
母は、物語の細かい内容を忘れていたのですが、息子が、放り投げていた本をパラパラと
めくっているうちに、すっかり夢中になり、あっという間に再読してしまいました。
いやあ、やっぱり面白い。そして、やっぱり、ゼロが大好き!
好きすぎて、ゼロの続きの話を勝手に想像してしまい、続編でショックを受けたことを思い出しました。


『宇宙に秘められた謎』 ルーシー&スティーヴン・ホーキング   さくまゆみこ訳

『穴』のあと、ようやく図書館から届いた、こちらの本。
夢中になった1巻から、2週間ぐらいあいてしまいました。でも、興奮は冷めやらなかったようで・・・
あっという間に、4日ぐらいで読了。
時間的に、さらに厳しくなっている息子くん。朝の10分読書以外に、本を読む暇はないはずだし
読むスピードは、未だに、ゆっくりのはずなのに・・・どうやって?

授業中に読んでるんじゃないだろね?疑惑再び
もしくは、休み時間も、すべて、この本に費やしているに違いない。
(授業の終わりの挨拶と同時に読み始め・・・と)
そんな息子と、変わりなく付き合ってくれるのは、男友だちだからだろうか。むむむー。


そして今度は、『おさるはおさる』を頂いた時に、一緒に頂いた本。
ただ今、熱心に読んでおります。
「母さんが選らばなそうだから、選んだらしいよ。」と言ったら、
「うん。母さんは、絶対に選ばないだろうね。」と答えた息子くん。
3連休で、少しだけ余裕を取り戻した息子が、どれだけ、斬新な小説なのかについて、
朝食を食べながら語ってくれました。
ふん。私の頭は、別に化石じゃないのよ。君が読み終わったら、私も、読むもん
母さんは、この人の書いた小説の映画を、観に行きたいと思ったこともあるんだもんねー
チーム・バチスタの・・・の人ですよね?


さよならの季節

2010-03-18 20:34:25 | 赤ちゃん日記~娘さん日記

月曜日は、娘が一年間お世話になった自主保育の修了式でした。
お母さん達が運営し、ボランティアの先生が保育して下さるという形の「自主保育」。
力が入りすぎず、ほどよく、テキトウに、みんなでワイワイ参加できる、そんなサークルでした。
1週間に2日の活動というのも、調度良かったな。
結局、最後の最後まで母と離れることができず、親子での参加でしたが、3学期に入ってからは
成長著しく、友だちも、活動も、どれもこれも楽しくてたまらない!といった娘でした。
毎朝、「今日は、○○(サークル)行く?」と聞くのが、お約束だった、ここ数ヶ月・・・。

子どもたちが自然と手をつなぎ、自然に追いかけっこがはじまり、誰かが歌えば大合唱に
なる・・・そんな場所でした。
その中で、ニコニコと嬉しそうに笑っている娘を見る度に、小さい頃から、子ども同士が触れ合う
ことの大切さを(親は、仲良くしなさい!とか、あれこれ口だししないでね)、痛感させられました。
友だちになるのに、言葉なんて、いらない。おもちゃなんて、いらない。
ただ、そこに場所さえあれば、子どもたちは、引っくり返り、走り、くすぐりあい、隠れ(たつもり)、
歌って遊ぶのだ。そのことを、教えてもらった場所でした。
大切なこと、たくさん、たくさん教えてもらったな。

本当は、もう一年通って、年中さんから幼稚園・・・が、ベストだったかもしれないと
今でも、少し、後悔が残っています。それを選べたからこそ、後悔が残ります。
お兄ちゃんが幼稚園を卒園するときに、年少から入れていれば良かったなあと思ったこと
(ようやく慣れたら卒園だったから)
なるべく早い時期に、仕事に復帰できたら良いと思っていて、少しでも早く集団生活のリズムに
慣れて欲しかったこと。
小さな小さな幼稚園は、年少さんにも、無理なく通園できるという安心感。
幼稚園を選んだ理由は、それなりにあり、自分なりに納得していたつもりだったけれど・・・。

「さよなら」の本当の意味など、まだ、理解できるはずもない娘が、大好きな友だちと
楽しそうに手をつなぎ、走り回っているのを見ていたら、心が揺れて、涙がこぼれました。
子育てに、正解も不正解もないんだって、もう、いい加減わかってるベテランママのはずなのに、
やっぱり、揺れてしまう母ちゃん。駄目だね。

先日、お家で、サークルの卒業アルバムの空欄に、娘に、絵を描いてもらいました。
「○○(サークルの名前)で大好きなこと、描いてー。」とお願いしてみたら
「▲くん!」と言って、お友達の絵を描きました。
それから、もう一人、お友だちと、その女の子のママの顔。ちゃんと、背中には弟くん。
最後に、大好きだった先生も描きました。
母さん以外に、こんなにも好きな人ができたこと。誰かを想って、絵を描けるようになったこと。
いつの間に、こんなに成長したんだろう。すごいね。

3月は、他にも「さよなら」がたくさん。
わらべうたの教室にも「さよなら」。そして、2歳にも「さよなら」。

誕生日の日、3歳になってしまったことにショックを受けていた娘でしたが、今日、ようやく
「何歳?」と聞かれ、「3歳!もうすぐ4歳!」と答えていました。
そして、「4歳になったら、一人でご飯作って食べれる!」と
あー。ようやく、3歳の自分を受け入れることができたんだなーと思ったら、感無量でした。
一週間近くかかったけれど、ちゃんと、自分で解決したんだね

さてさて、その誕生日。頂いた誕生プレゼントに、興奮冷めやらぬ毎日。


羊毛でツンツン作られた和菓子セット。
おままごとの好きな娘にと、頂いたのだけれど、串から団子をはずして、また入れるという遊びに
なってしまい、すでに、ケバケバと毛が立ってきています・・・・・・。うー。早すぎ。
そして、今朝、赤いお団子だけが、すべて消えていることに気がつきました。
どこに、しまいこんだんだろう・・・・・・・。



赤いお団子は、未だに行方不明なのだけれど、同じく消えていた、梅の花は見つけました。
大切に、瓶の中へ。
一緒に入っているのは、ビーズのネックレス。近所の小学生のお姉ちゃんが作ってくれました。
これも、たいそう気に入って、毎朝、うやうやしく取り出しては、首にかけて出かけます。



父と母からのプレゼントは、あべななえさんの歌の絵本と、ワンストロークのリトル・アイシリーズ。
以前、誕生日プレゼントに頂き、とてもとても気に入っていたので、それぞれ、続編をプレゼントしました。
歌の絵本の一巻目は、ほとんどすべて、絵と歌を暗記していた娘さん。二巻も、着々と覚えております。
今日、覚えたのは「ふるさと」。
そんな、古き良き歌が、今時の歌と並んでいるのが嬉しいです。
リトル・アイシリーズは、ふんぱつして、『What color? 』『THE ANIMALS』を買ったのだけれど、
断然、What~の方がお気に入り。それにしても、なんと美しい色だろうと、母は、ウットリ。


他に、便箋とシール帳も頂きました。早くも、シール帳デビュー
きっと、近所の小学生のお姉さん達のシール帳が、ずっと、羨ましかったのでしょう。
嬉しすぎて、興奮しすぎて、もらった当日は、大変な騒動でした。
だって、いつも、小学生のお姉ちゃん達ってば、
ちゃん。触っちゃ駄目だけど、見せてあげるね」って、言うんだものね

さよならが一杯の3月は、寂しくて、悲しくて・・・。でも、嬉しいこともたくさん
こうやって、さよならを繰り返しながら、君は大きくなっていくんだね。
来年は、どんな3月を過ごしているんだろう。


「帰らない!のうた」

2010-03-15 13:58:14 | 赤ちゃん日記~娘さん日記

歌うことが大好きな娘は、気付くと、何か歌っています。
しかも、最近は、自分で作った曲ばかり(汗)
大抵が、「なんのこっちゃ!?」の歌詞なのだけれど、先日、耳をすませたら・・・

あと、いっかい。あと、いっかい。やーだよ。

あんまり可笑しくて、娘に、
「それ、なんていう歌?」と聞いたら、「帰らない!のうた。」ですって!!!!!
もう、可笑しくて可笑しくて、引っくり返ってしまいました。
子どもって、本当に天才
お腹をかかえながら、手帳に、歌詞と旋律を書き写しました。

ああ、そういえば、この間も、お友だちと楽しく遊んでいたのに、「あと一回やったら帰ろうね。」
って、言っちゃったなー。
だって、そう言わないと、あなた達、熱出すまで帰らないんだもの。
ごめんね。ちゃん。


もう、さんさい!

2010-03-13 10:20:54 | 赤ちゃん日記~娘さん日記

ずっと、ずっと、「三歳になったら、一人で○○できる。」と、嬉しそうに話していた娘。

三歳になったら、おっぱいをやめる。一人で寝れる。一人で、おばあちゃんちに行ける。
一人で、お風呂に入れる。一人で、一人で・・・・・・・

夢イッパイの誕生日待ち遠しい誕生日でした。
ところが・・・・・・・・

誕生日の昨日。いつものように、「もうすぐ三歳!三歳になったら・・・」と話す娘に、
「今日から三歳だよ。」と教えてあげると、呆然として、ピクリとも動かなくなってしまったのです。
三歳ってさ、昨日と、ちっとも変わってないよ。そのことが、どうしても受け入れることができず
夜には、とうとう、泣き出してしまいました

「2歳になりたいよー。」

そう言って、しくしくと泣くのです。
あらあらあら。困ったねえ。
「じゃあ、こうしよう。4歳になったら、一人で○○しようよ。」そう言っても、首を横にふるばかり。
「もうすぐ、3歳がいいの。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

そんなブルーな娘も、誕生日会は楽しみらしく、お兄ちゃんの塾とパパの歓送迎会の都合で、
一日遅れとなってしまったことを納得させるのが、これまた一苦労。
「絶対に、今日やる!」と聞かないので、大好きなミスタードーナツを買ってきて、ドーナツに
ロウソクを一本たてて、「ハッピバースディ♪」を二人で歌いました。
ちなみに、今日は、のケーキが良いのだそうです。どこで、知ったのだろう。
3歳のくせに、本当に、あなどれません。

そうそう、昨日、「プレゼントは、あしたの誕生日会のときね。」と言ったら、
「サンタさんのじゃないと嫌。」と言う娘。なんのこっちゃ?
よくよく聞いたら、クリスマスのときみたいに、たくさんのプレゼントが欲しいということらしい。
はいはい。もう、2つも届いていますよ。嬉しいね。幸せだね。

誕生日、おめでとう
今日は、ご機嫌なおして、誕生日会しようね。
朝から、パパとおじいちゃんちにお出かけの娘さん。ママは、これから、のケーキがんばります!
あー。夜が、待ち遠しいなあ~


『わたしのワンピース』

2010-03-11 13:18:35 | 娘と読んだ絵本のこと

 『わたしのワンピース』 え・ぶん にしまきかやこ

少しも可笑しいところなんてないのに、ワンピースの模様が変わる度、
コロコロと笑う娘さん。なんでしょ。
この絵本は、めずらしく、最後まで静かに聞いていられます。

途中、麦の穂がワンピースの模様になる場面では、絵本の言葉につられて
必ず、無言のまま手がのびてきて、一本、手にとって匂いをかぐのがお約束。
でも、一番好きなのは、小鳥たちが集まってくるところ。

最初に読んだときは、小鳥が集まってくるのが怖かったのか、
「くさのみのワンピースほしくない。」
と言っていたのだけれど、最近は、一番のお気に入り。
小鳥たちが集まってくると、嬉しさのあまり、身を乗り出します。

母さんはね、なにより、絵本を開いたとたん、「ニコニコ笑顔」の「まんまるおめめ」
になる、娘さんの横顔がお気に入りだよ。
女の子だね。


『アメリカ61の風景』

2010-03-08 13:10:37 | わたしの読書

『アメリカ61の風景』 長田弘

気がつけば、この本を借りてきてから、1ヶ月以上もたっていました。
(ああ、他に借りる人がいなくて良かった)
急いで読むのが、もったいなくて・・・・・。大事に、大事に読み続けていたのです。


大事に、大事に。
それは、そこらじゅうに散りばめられた「言葉」という宝石を、読みながら、一つ一つ拾っていく
ような・・・そんな読書でした。
しかもその宝石は、拾い上げた読み手それぞれが、自分の心の中で磨き、もしくは、そのまま
しまっておくことができるのです。

「日本語って、こんなに美しいんだ!」
「言葉一つで、こんなにも色鮮やかに、香り豊かに、自然や町を描くことができるんだ!」

宝石を拾い上げながら、そのことに、ただただ感激し、胸が一杯になりました。

途中、何度も付箋を貼りたい衝動にかられ、鉛筆でなぞりたい衝動にかられ、その度に、
そんな野暮なこと!と、自分に言い聞かせました。
(だいたい、図書館の本だしっ)

私の愛読書、『長田弘詩集』。
ことあるごとに、その詩集を取り出している私ですが、エッセイの方が好きかも!!!!!!
ああ、読み終わるのが、本当に残念でした。
この本は、いつか購入しようと思います。
でも、自分のものになったら、鉛筆でなぞらないでいられるのか、自信がないけれど。

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私にとって、「アメリカ」という国のイメージは、いつの頃からか、「強くて、傲慢な国」でした。
それは、前大統領のときに、決定的となりました。
素晴らしいアメリカ文学に出会い、それを素直に称えつつも、そのイメージだけは、変えること
が、出来ませんでした。
でも、この本が、私に新しい視点をくれました。

長田さんが描く、アメリカという遠い国の美しい
森、どこまでも広がる大地、吹き抜ける風、
その中を泳ぐ草原。輝く湖。
その大きさに圧倒され、感嘆のタメイキをもらす。
そして、そこで、静かに、慎ましやかに繰り返される、人々の営みに、憧れと、懐かしさにも似た
不思議な感情を抱く。

この地球に在るのは、大地と海と空と、そして、そこに暮す命。
ただ、それだけなのだと、改めて気付かされる。
国境なんて、後から、人間が付けたしたものなのだ。
そんな当たり前のことに気がつかなかった私こそ、「小さくて、傲慢な人間」だったのではないか。


最後の章「希望はどこにあるか」は、そのことをつくづくと、考えさせられた。
この章の「アメリカ」を、「日本」に置き換えることはできないか?

アメリカにも、日本にも、希望は、ある。
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あー。アメリカに行ってみたいなー!心から、そう思いました。
世界のすべてが見わたせる道に立つことができたら、どんなに幸せだろう。
そして、猫のいる本屋さんで一日を過ごしてみたい。
よく冷えたビールを、昼間から飲んでみたい!

あー。本当に、
幸せな読書でした。
この本との出会いと、出会わせて下さった方に感謝しながら・・・また、この本を手にとる日まで。

読んでみたいと思った本・・・『祟り』トニー・ヒラーマン
気になった詩・・・『一年生のときに学んだこと』ジェーン・ケニヨン
          ・・・ウォルト・ホイットマン
この本をきっかけに、読み始めた絵本・・・バーバラ・クーニー


『がいこつのやかた』

2010-03-03 15:56:39 | 娘と読んだ絵本のこと

 『がいこつのやかた』スティーブン・グァルナッシアさく きたむらまさお訳

寝る前の絵本。娘が持ってきたのは、なんと、この本。
昔、セール品に出ていた「しかけ絵本」を、まとめて買ったときの一冊。
息子は、表紙だけで怖くて、一度も読んだことがありませんでした。
でも、娘は、大喜びで、しかけをガチャガチャ。
あーん壊れちゃうよー。
だから、とびきり怖い声で読んであげました。得意なんです。女は、女優だもんねー

ほーっほっほっほ  (これは、絵本にはないけど、付け足して)
いくら おおごえで わめいても、だれも ここには きてくれないよー

私の素晴らしい演技に、隣の部屋から息子がやってきて、娘の横に座りました。

もっと こっちへ おいで。
わしたちが やった おそろしい ことを たっぷり きかせてやるよ。

すかさず、息子が
「くだらねー。おそろしいより、くだらねー。」とツッコミ。
でも、聞えないフリの母。最後まで、演じとおしました。
ちょっとやりすぎたみたいで、娘は、「怖いから、明日は、読まない」と言いました。

その後、娘さんが、最後まで読めないくせに読みたがる本を二冊。

     

『そらいろのたね』は、何度、読んでも素敵です。大好き
娘が、途中で飽きてしまって、走り始めても平気で読めます。好きだもん。
『14ひきのひっこし』は、お友だちの男の子がお気に入りの絵本。
それを聞いた日の夜から、「○くんが好きなんだよねー」と言って、持ってくるのだけれど、
やっぱり、最後まで聞いていられません。
それでも、台所に、山とつまれた食べもののページは大好きで、ちゃんと、戻ってきます。
は、これが食べたい!」いつものように、娘が赤い実を指差したら、息子が、
むくっと起き上がって、
「おれは、断然、これだね!」と、干し柿を指差しました。

うっふふー。やっぱり、ちゃーんと聞いてくれていたのだね。
10年以上も読んできた、懐かしい絵本の音。
中学生になったからって、きっと、忘れてやしないと信じていました。

今日は、友だちと、何やらトラブルを起こしたらしく、荒れて帰ってきて、自分の部屋の壁や
ベッドを殴ったり蹴ったり、大変なことだったけれど、
こんな風に、一日の最後を、穏やかに終えられたのだから、大丈夫だよね。

大荒れの息子に、この間までは、「どうしたの?何があったの?」と、付きまとっていた
母でしたが、今日は、そんな彼を穏やかに向かえ、そっとしておくことが出来ました。
「待つ」と、決めたんだもの、ね。
こんな風に、穏やかに一日を終えられたのも、そのおかげかな。

先生とトラブルを起こしたり(来年度も同じ担任だったらどうしよう
友達と、今までにないような喧嘩したり。比べて落ち込んだり。
そんなこと、なければないほうが良いけれど、トラブルを起こすだけ、成長したのですよね。
でも、このままだと、そのうち、壁に穴があくかもなあ・・・
で、以前、通っていた母乳相談室の助産婦さんが、
中学生の息子さんが、家の壁に、二つも穴を開けた話をしてくれたのを思い出しました。

犬を飼おうか迷っていたとき、彼女が、思春期の男の子は大変だから、犬がいてくれた方が、
きっと、イライラを食べてくれるよー。それでも、うちは、壁に穴が二つも開いたけどねー。
赤ちゃんなんて、大丈夫、大丈夫 すぐに犬と仲良しになるから!と、ケラケラ笑って
話してくれたのでした。
(穴をあけた息子さん、今は、立派な大学生なんだそうです。
イライラを食べてくれたワンちゃんは、すっかり老犬になってしまったそう・・・)

あー。思い出した。思い出した。
それで、娘が1歳になるのを待って、犬を飼ったのでしたよ。
思いが堰きとめられている時って、そういう大事な言葉すら、忘れてしまうものなんだなあ。
思いつめるって、本当に、良くないことなのですね。
私は、たくさんの人のおかげで、少なくとも、堰をとりのぞくことが出来たようです。
大波の方は、まだまだ、続いているけれど・・・

でも、大丈夫。このまま、この波を乗り切れそう。そんな気がしています。
(また、へたばるかもしれないけれど)
気分は、サーファー。波乗り上手になろうっと。


『おさるはおさる』

2010-03-01 19:43:45 | つぶやき

『おさるはおさる』 いとうひろし作・絵

仲間との、のんびりした毎日。
ところが、ある日、おさるは、耳を「カニ」に、はさまれてしまうのです。
その日から、ぼくは、特別なさるになってしまいました。耳を「カニ」に、はさまれているさるに。

当たり前だった日常は、一変・・・・・・します。

おさるは、悩みます。耳を「カニ」に、はさまれているさるは、ぼく一人きり。
どうにかできないかと、色々と試みては失敗し・・・自分だけが特別だと、孤独を感じます。
そんなとき、おじいちゃんが、自分の若い頃の話をしてくれるのです。
おじいちゃんもね。おなじだったんだよ・・・・・
(おじいちゃんにはね、「たこ」が吸い付いていたんですって!)

そして、おさるは気付くのです。
みんな、それぞれ、何かをくっつけて、暮しているってこと。

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息子のことで悩んでいる私を心配して、遠くに引っ越していった友人が、本を送ってくれました。
彼女らしい選書に、包みをあけたとき、思わず、声を出して笑ってしまった私。

なぜに、「おさる」?

おかしくて、おかしくて。
あんまり私が笑うので、
横にいた、娘が、「なんで笑ってるの?」と、不思議そうに言いました。
たぶん、私、選んだ本を見ただけで、あなただって判るわ。
そう思ったら、もっとおかしくなりました。

娘がお昼寝してから、一人、この本を開きました。
涙が、ボロボロとこぼれました。
ありがとう。ありがとう。笑いながら、泣きました。

そして今日、テストが終わった息子に、この本をわたしました。
息子の第一声。

なぜに、「おさる」?

あはは。親子って、いやねえ。
でも、「○ちゃんのママから、プレゼント。」と言ったら、「ふーん。」と、納得して受け取りました。
読むかな?読まないかな?読んだらいいな。

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一番、好きなのは、最後のおじいちゃんの言葉。

おさるが、おじいちゃんに聞くのです。
「しっぽについてた たこは、どうなったの?」
おじいちゃんは、答えます。

「わすれちゃった。」