ぼちぼち日記

大切な日々のこと

うわばみ

2009-07-06 14:32:27 | 息子と読んだ本のこと・児童書



日曜日は、息子の剣道の級審査。
4時起きを二日間、頑張った母は、ぐったりと、家で朗報を待っていましたが、残念ながら不合格でした。
不合格に納得いかない息子は・・・どこにも向けられない悔しさと悲しさに号泣。
剣道の級審査は、審判員の先生方の考え方によって、大きく判定が変わるし、
なぜ、不合格だったのか?を教えてもらえないので、自分の中で消化するのに、とても苦労するようです。

今までも、何度か不合格をもらったことはあったのだけれど、今回は、かなり頑張って臨んだ審査。
思いいれも強かったのでしょう。部屋に閉じこもったきり出てこない息子。
友だちの家族が「お疲れ様会しようよー」と誘ってくれたのだけれど(友だちも不合格だったので)
「今日は、やめとく。」の一言で断りました。

3歩歩けば忘れるだった息子くんも、大人になったものだと、母は、ちょっぴり驚きつつ、
どうにか、なぐさめられないかと、色々、言葉を探してみました。
けれど、適当な言葉が見つからず・・・・・かわりに、
早々に寝る支度に取り掛かった息子に、「久しぶりに本を読もうよ!」と、半ば強引に迫りました。
この一ヶ月、すっかりお休みしていた「読み聞かせタイム」。
「もう、眠いんだよ!」と、迷惑そうに吐き捨てて、布団にもぐってしまった息子の横で、
「じゃあ、寝てもいいから。」と、急遽、本棚から出してきた『星の王子さま』を読みはじめました。
その5秒後でした。

「うわばみの絵って、どれ?」
息子が、起き上がって本をのぞきこんでいます。
あの、有名な「うわばみの絵」。帽子じゃないんだよ。うわばみだよ。
王子さまの強引な「羊を書いてよ!」シーンまで読んだのだけれど、ずっと、挿絵を
のぞきこんだままでした。

本を閉じ、「おやすみ」「おやすみなさい
気持ちよく言えて、本当に良かった。

ぼくの言う通り、大人は、訳を言葉にしたがる。
でも、本当に子どもが欲しいのは、言葉なんかじゃない。
大切なことって、頭じゃなくて心で感じることだよね。
うわばみの絵と、王子さまが喜んでくれた羊の箱が、息子の心を、言葉にならない何か
大切なもので、満たしてくれたようでした。
王子さま、ありがとう。物語の力に、久しぶりに圧倒されながら、眠りについた夜でした。


『不思議な目をした男の子』

2009-01-27 13:30:07 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『不思議な目をした男の子』 佐藤さとる 村上勉・絵

コロボックル第4巻。
今回は、ブツブツ文句ばかりの私も、文句のつけようがないくらい
面白かった。というか・・・・・・・
結局、私は、やんちゃで利発な子どもが活躍する物語が、ただ単純に
好きなのですね。きっと。

今回登場するのは、コロボックルの素早い動きを追うことができる
不思議な目をした男の子の話。
この男の子が、また、とてもやんちゃで、利発で、良いのです。
最後まで、大活躍してくれて、満足、満足。
息子は、最後の、ゴミを捨てに来た人が蜂にさされるの件で大笑い。
息子が一番好きなのが、コロボックルが、人間に対して行う「クマンバチ攻撃」
なのです。

私も、この子のような目に憧れたのだっけと、懐かしく思いながら
本を閉じました。
素早く振り返る練習も、何回も何回も行ったっけ。
そんなコロボックルも、とうとう、最終巻です。

息子の卒業式まで、あと一ヶ月ちょっと。
もうすぐ小学校を卒業する息子に読んであげたい本は、何だろう?
コロボックルの最終巻を読みながら、あれやこれやと、「その次」に、頭を悩ませています。


『星からおちた小さな人』

2009-01-13 01:25:11 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『星からおちた小さな人』 佐藤さとる 

体調不良が続いて、とぎれがちだった読み聞かせですが、細々と続いています。
これは、12月の中旬に読み終えた本。コロボックルシリーズの第3巻デス。

コロボックル小国の新たな挑戦は、空をとぶ器械を完成させることでした。
ところが、その実験中に事件がおき、なんと、人間の子どもに、コロボックルが
捕まってしまいます。
さあ、どうするコロボックル!

すっかり、息子のお気に入りシリーズになったコロボックル。
今回も、息子くん、夢中になって聞き入っていました。
何度も何度も、「あと一章!」コールさすがですね、コロボックルさん

でも母は、豆イヌの2巻同様、ラストのあっけなさが気になりました。
気持ちが最高に高まったところなのに、「え?これで終わり?」の展開。
自分が子どものときは、息子同様、全く気にならなかったのだけれど・・・おかしいなあ。
子どもの読書力って、本当に柔軟で羨ましい。

その息子くん。
お正月から、「みんなと一緒に寝る」と言って、自分の部屋から布団と共に
引越ししてきました。学校が始まっても、まだ、帰る気配なし。
ヒドイ、ヒドスギル寝相に、父も母も寝不足気味
中学の入学式まで、ここにいるつもり?だったりして
そのくせ、日当たりが良すぎて、昼間は暑い位の部屋の換気をしようと
息子の部屋のドアを開けたら
「そこは、境界線なんだから開けないでよ!」などと言うのです。
難しいお年頃


『豆つぶほどの小さないぬ』

2008-10-25 15:37:52 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『豆つぶほどの小さないぬ』 佐藤さとる

コロボックルシリーズの第二巻。
小学生の頃、何度も図書館で読み、どうしても手元に置きたくなって、中学生のときに、
お小遣いで購入しました。講談社の文庫本。定価320円。安いー。

何十年ぶりに読み返した本は、一巻ほどは、胸に響かなかったかな・・・というのが、
正直な感想ですが、それは、私が、一巻を好きすぎるからでしょうね。
もちろん、これも、とても楽しいお話でした。
息子は、そんな私の心の内を知ることもなく(たとえ知っていても気にしないでしょうが)、
素直に楽しんでいました。
いや、もしかしたら、一巻よりも楽しんでいたかも。

犬を探すという設定が、今の息子にとっては、まさに旬の内容だったし、
何より、何かを探したり、計画したりする物語が大好きなのです。
どんなに忙しい夜でも、少しでよいからと懇願され、2~3分だけ読む日もありました。

次は、シリーズ3作目・『星からおちた小さな人』。
これも、かなり日にやけてしまった私の本。今度は、青い鳥文庫です。
子どもの頃に買った本のページを開くのは、なんだか、アルバムを開くようで
ワクワクします。
また、今日からしばらく続く、再読のお楽しみ。
これもまた、内容を全部忘れているようです。


『やかまし村の子どもたち』

2008-09-30 12:41:58 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『やかまし村の子どもたち』
               アリステッド・リンドグレーン作・大塚勇三訳

ずっと読んでみたかった『やかまし村』。
女の子向き・・・・・そんな書評も聞いたことがあり、小学生のうちに読まなくては、
いくらリンドグレーン・ファンの息子でも、きっと、読んでくれなくなるだろうと思って、
あわてて借りてきました。
主人公の女の子の言葉で語られる、やかまし村での出来事は、最初から最後まで
幸せに満ち溢れています。
ゆったりとした時間。なぜか、読み方も、ゆっくりになってしまうから不思議。
そして、つい口元がゆるんでしまうのです。不思議、不思議。

正直、あまりに「ユルイ」ので、ツバメ号やカニグズバーグのスピードを楽しんでいる
息子には、すでに、退屈な本になってしまったのではないか?と不安になりました。
もっと早く、読むべきだったかと・・・・・。
実際、最初のうちは、この「やかまし村に流れる時間のスピード」に、うまく乗れないで
いたように思います。
けれどすぐに、そんなことは、何の問題にもならない!ということがわかりました。
二人で、くすくすと声をひそめて笑う夜。なんと、幸せな時間だったことでしょう。

先週の日曜日、お父さんが納屋に押し込んでいる材木を引っ張り出してきて、
「ちょっと、秘密基地作ってくるから!」と、出て行った息子。
かつては、盛んに、家の裏の狭い空間に、基地を作っていたいたのだけれど、
(私が仕事から帰ってくると、家の中に、息子がいなくて、どこに遊びにいったのかと
探しに出ると、よく、基地に座り込んでいたものでした)
5年生を過ぎた頃から、全く、その空間に入ることがなくなっていました。

「ねえ、もしかして、『やかまし村』の基地を作るんでしょう?」
「そう!バレた?」
バレバレですとも!!!

『やかまし村の子どもたち』には、大人でも憧れるような秘密基地?秘密の家?が、
登場するのです。
もう、さすがに、そこには反応しないかと思っていたけれど・・・・・・・・・・
しっかり、反応してしまうのが、息子くんですね。
6年生の秘密基地。ま、いいか。
清水国明さんは、大人になっても、ログハウス作ってるもんね


『だれも知らない小さな国』

2008-09-26 18:07:41 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『だれも知らない小さな国』 佐藤さとる 作 ・村上勉 絵

小学生の頃、大好きで大好きで・・・・・・・。表紙が擦り切れる程、読み返した本。
ずっと、息子にも読んで欲しいと願ってきて、幾度となく薦めてきたのだけれど、
残念ながら、彼の頭には、すっと、入っていってくれなかった様子。
数ページ読んだまま、ずっと、ベッドの脇に放置されていました。がっかり。

でも、やっぱり諦められなくて・・・・・・
寝る前の読み聞かせタイムの本に、選んでみました。
ちなみに、読み聞かせは、夏休みの間はお休みしていて(旅行とオリンピックのせいで)
約一ヶ月ぶりです。
本当は、読み聞かせは、このまま卒業しちゃうのかな?と思っていたのですが、
学校が始まった日の夜、「今度は、これを一緒に読んでみようよ。」と声をかけたら、
はいはいと、当たり前のように復活しました。

鬼門山と呼ばれる小山に住むコロボックルたちと、小山に魅せられた少年・
せいたかさんの物語。
読めば読むほど、昔の思い出が蘇ってきて、胸が熱くなる母。
一方、一人では読むことが出来ないほど退屈だったはずの本が、どんどん
面白くなってきて、すっかり、のめりこんでしまった息子。
特に、小山が道路計画のために、つぶされることになってからは、二人とも、
とても、落ち着いて読んでいられなくなってしまいました。

ある夜、我慢できずに、息子に内緒で最後まで読んでしまった母。
すっかり忘れていた、せいたかさんとおちび先生とのエピソードに、あの頃の
「恋に憧れていた女の子」だった自分を思い出し・・・・・・・思わず、ポロポロと涙が(笑)
そうでした。コロボックルが自分のまわりにいるかもしれないと、絶えず、
周りを見張っていた私は、同時に、せいたかさんとおちび先生の関係に、
強い憧れを抱いていたのです。
作品では、もちろん最後まで、二人の恋愛感情などは描かれていません。
そこが、また良いのです。そこがまた、ドキドキしたものでした。
懐かしいー

その翌日。こっそり、本を読んでいる息子発見。
どうやら、息子も先が知りたくて我慢できなかった様子。
声をかけたら
「もう、先が知りたくて、とても我慢できないんだ。」と懇願されてしまいました(笑)
私も、先に一人で読んでしまったことを告白し、ここからは、一人ずつ
読もうということになりました。

そんな訳で、二人で読書は、途中でオシマイ。
途中からは、あっという間に(二人とも、残りを一日で読み終えました)、
二人でそれぞれ読了です。なんと、嬉しい誤算。
借りておいた、次なる本(リンド・グレーン)を、早くも読み始められることになりました。
ただ今、「やかまし村」も半分ぐらい。
次は、コロボックルの続編が読みたいというリクエストが出ました♪


『名探偵カッレとスパイ団』

2008-07-13 13:55:00 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『名探偵カッレとスパイ団』 リンドグレーン

面白い。面白すぎます!三巻でも、全く、衰えを知らず。
というか、一番、ドキドキしたかも。おまけに、泣き虫親子をオイオイと泣かせてくれました。
読みながら泣いたのは、久しぶりだなあ・・・。
ほかにも、あまりに緊張しすぎ(怖すぎ)て、同じ文章を3回も読んでしまったりと、
なかなか困難な、読み聞かせの時間でありました(笑)
同じ行を3回読んだときは、さすがに、読み終わった後、自分の怖がりさ加減に
呆れて、ゲラゲラと笑ったけれど・・・・・。
息子くんは、宿題が終わらなくて読めない日など、悔しくて、ベッドにパンチをくらわす
位の熱の入れよう。うーん。その気持ちわかるけどねー。

しかし、まあ・・・今回のカッレくんは、国家秘密をかけた誘拐事件を解決するの
で、これを興奮しないで読めるハズないのです。
途中、一転、味方になった犯人の一人が銃に撃たれるシーンがあったりと、かなり
児童文学としては、「そんなのアリ?」のショックの連続なのですが、最後の最後は、
リンドグレーンらしい、楽しくて、ゲラゲラ笑えるシーンで終わって一安心。
最後の日は、2章続けて読んだので、銃のシーンで大泣きして、最後のシーンで
大笑いしてと、二人で、ティッシュの箱を抱えながら、大変なことでした。
あー。楽しかった。

でも、カッレくんは、これでオシマイ。本当に、残念でたまりません。
ああ、これ以上面白い本を探すのは、かなり大変そうだなあ・・・。
カッレくんの後ではね・・・
一度、読みかけのムーミンを読みながら(短編集のような巻なので)クールダウンして
次に何を借りてくるか、ゆっくりと考えることにしましょうか。
リンドグレーンにするか、別のものにするか。悩みます。


『カッレくんの冒険』

2008-06-10 12:20:59 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『カッレくんの冒険』 リンドグレーン作、尾崎 義訳、トゥールヴァール=ファルク絵 

『名探偵カッレくん』が、あまりに面白く、読みやすかったので、「次の巻は、一人で読んでみる?」と聞いてみたのだけれど、「いや、これは二人で読んだほうがいい」と言った息子。
息子よ。君は正しかった。母は、このドキドキに・・・きっと、堪えられない。

何しろ、今回の事件は「殺人事件」で、おまけに、カッレたちが、犯人に銃を突きつけられるシーンもあるのです。
その章を読み終わったとき、母と息子は、あまりにドキドキしすぎて、タメイキしか出ませんでした。
そこに、旦那の一言。
「ねえ、それ・・・本当に子どもの読む本?」
・・・・・・・・・。たしかに!

これを、大人の推理小説への登竜門などと思ってはいけません。
カッレくんがすごいのは、子どもたちが、きっと一度はやってみたいと思うであろう「遊び」のシーンが、ふんだんに盛り込まれていて、しかも、それが・・・最後には、犯罪解決への道筋になるという所でしょうか。
恐るべし、リンドグレーン!!

ちなみに、そのドキドキの章を読んだ日の夜、2階から物音がして、クラース兄さんが入ってきたかと焦った母。
すると、息子が起きてきて・・・
「俺、興奮しちゃって身体が熱くて眠れない。」と。
氷枕を作ってあげた後、ふざけて
「ねぼけて叫ばないでよ~。助けて~とか、犯人は、この人です!とか。」
と言ったら、真顔で
「そしたら、絶対に、起こしてよ!」と懇願されてしまいました。
犯人に銃を突きつけられたまま、朝まで夢を見続けるのは、辛いからと(笑)

ここまで子どもを興奮させる。これこそ、児童文学の真髄でしょうか(笑)
最後に、この本が日本で発行された年を見たら(私って、本当に、このページが好き・・・)
1965年。なんと、私は、まだ生まれていませんでした!!
ということは、原作は、もっと前・・・
これは、ピッピよりも、さらに激しい反対運動を起こされたのではないかしら?
だって、子どもが銃を突きつけられるシーンですもんねー(笑)
それより、スウェーデンの子どもは、夕飯の後も外で遊んでいるというのは、その頃の常だったのだろうか?まさか、今も?という疑問が、ふつふつと・・・
息子は、もちろん・・・羨望の眼差しでございました!!
もちろん・・・人の家の屋根にのぼって、パチンコで、捕虜になった指揮官を助け出すシーンもね。

先日、玄関に、二股の木と輪ゴムで作ったパチンコが落ちていて、思わずニヤリとしてしまった母。
やってる、やってる
そうそう、その前の日には、近くの林に行って木登りをし、見事墜落して戻ってきた息子くんなのであります。
白バラ軍のように、軽やかに屋根を渡るようになるには、まだまだ、練習が必要なようです。
頑張れ、我が家の白バラ軍!
本を読んでなくても、いつものように、息子についてきてくれる友達にも感謝。
どうか、どうか、お母さんに怒られませんように。

『旭山動物園園長が語る命のメッセージ』

2008-05-13 14:14:55 | 息子と読んだ本のこと・児童書

旭山動物園園長が語る命のメッセージ』小菅 正夫

『北の動物園できいた12のお話』を読んでから、旭山動物園の獣医・ドクターコスゲ(現園長)
は、母と息子のスター。
いったい、どんなカッコイイ人なんだろー!と、この本を借りてきました。
読み始める前に、まずは、ドクターコスゲの写真を拝見!
母と息子のスターは・・・・・・・・・・
身体全体から、優しさのオーラが出ているような、ただのおじさんでした(笑)
あ!ただのおじさんは、「良い意味で」です。
「特別な人じゃない」そう相手に感じさせることが出来る人って、実は、そんなにいないですよね。
特に、獣医さんで、有名動物園の園長で、なんて人がそうあることは、すごいことだと思います。
ますます、ドクター・コスゲファン!

これは、まさに、心に響く、素晴らしい「命のメッセージ」の本。
ただ、どちらかというと、大人に向けて(親とか、教育者とか、子どもに携わる仕事の人とか)
に書かれているような印象でした。
もちろん、優しい言葉で書いてあるので、息子にも、十分理解できる内容です。
ただ、ただ・・・・・。
子どもと一緒だと、親は、ちょっと肩身が狭い想いをする可能性もあるかも(笑)
現代の親や教育者へ、優しい一喝。ズシンと心に響きました。

特に、ドクターコスゲの子どもの頃の話や、ホッキョクグマが、泳げない子どもを見守る話、反抗期を迎えた子どもを抱えるカバの父さんと母さんの話は、親として、心に重く響きました。
動物は、すごいなー。かなわないなー。人間も、頑張らないとなー。

犬を飼おうと思ったのは、この本を読んだからではないけれど、これを読んだら
「絶対に飼いたい」に変わりました(笑)
実は、私、子どもの頃に野犬に追いかけられた経験があり、犬には、少々苦手意識があったのです。
(裏山に野犬が住んでいたなんて、古き良き時代ですよね。)
でも、この本を読んで、「よーし。いっちょ、付き合ってみるかーっ!」という気持ちになりました。

動物が教えてくれること。動物から学ぶこと。
自然が教えてくれること。自然から学ぶこと。
たくさん、たくさんあるのですね。
私たち人間は、もっと謙虚に、声にならない声に、耳を傾けなくてはいけないと思いました。
それを感じとる心、力。
それを育て、伝えるのが、親、教育者、子どもをとりまく大人たちの役目だと、深く深く感じました。
もしも、子育てに悩んでいる方がおられたら、この本を読んで、少しだけ視点をずらしてみるのも良いかもしれません。
動物達の視点は、本当に、素晴らしいお手本です。


『やぎと少年』

2008-04-18 07:40:13 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『やぎと少年』 
アイザック・B・シンガー作 M・センダック絵 工藤幸雄 訳


今夜は、これを読もうと差し出したところ、題名と表紙を見て、しかめっつらの息子くん。
冒険ものや推理小説、ヘンリーくんやピッピのような児童小説がお好みの息子は、
寓話やファンタジー、昔話とみるや、すぐに腰がひけます。
読んでしまえば、いつものように楽しむのだけれど、どうしてもね。
もちろん、この本でも、すぐに笑い声がもれました。

中でも、ヘルムの村の物語がお気に入り。
ヘルムとは、ポーランドに住んだユダヤ人の昔話にしばしば出てくる伝説の町。そこの住民は、みんなが、おっちょこちょい、うすばか、とんま、まぬけ、しかし憎めない人々なのだそうです。
そんな村だもの、楽しくない訳がない。
息子くん、まさに腹を抱えて笑っておりました。

中でも、「雪」を宝石と勘違いし、どうやって、村の者や使いの少年が足跡を残さずにおけるだろうかを、ヘルムの長老たちが考えに考え抜く話では、長老もびっくりの考えを披露。
熱弁をふるった息子くんなのでした。
その後に母が
「雪が宝石じゃないっていう、根本的な間違いがそのままなんだから、どんなに素晴らしい案を考えたって、長老も息子くんも、結局のところ同じだよね。」
と言ったら、息子くん、憮然。あらあら、ごめんなさい。
ヘルムの村では、みんなが「おっちょこちょい、うすばか、とんま、まぬけ、しかし憎めない人々」だから、何の問題も起こらず、平和に楽しく、誰かに感謝して生きているけれど、我が家は、お母さんがいるから駄目だね。

他にも、

*寝ている最中に足がこんがらがってしまった、四人姉妹の足をほどくには?
*村の娘に生まれた赤ちゃんが、男か女かを当てるには?

などなど、ヘルムの長老が、見事に難題を解いていきます。
もっとヘルムの話が聞きたいという息子くんでしたが、残念ながら、お話は7つ。
ヘルムの人々に魅了された、楽しい、楽しい時間でした。

親子の疑問は、ムーミンに出てくるへムレンさんとヘムルは、何かつながりがあるのだろうか?ということ。
へムレンさんは、偏屈で意固地の人が多くて、みんなが楽しいって訳じゃないけれど、
なんとなく、共通点があるような気もします。
ヨーロッパに古くから伝わる何かがあるのでしょうか。。。?

『ゆうかんな女の子ラモーナ 』

2008-04-17 13:19:19 | 息子と読んだ本のこと・児童書
ゆうかんな女の子ラモーナ』
ベバリイ・クリアリー(著), 松岡 享子(翻訳)


家族で読書、続いています。
今回は、息子が一番に読み終わり、それを追いかける父と母でした。
やっぱり、みんなで読書は、楽しいです。
読み聞かせしていた時と変わらず、感想を話し合ったりはしないのですけれどね。

主人公がラモーナになってから、のめりこみ度が下がってしまったヘンリーシリーズ
でしたが、今回は、かなり、面白かったです。
ヘンリーほどとはいかなかったけれど、それでも面白かった!
舞台が「学校」に移ったからかしら。
先生とラモーナの衝突に、自分の小学校時代を思い出してしまいました。
どんなに頑張たって、大人と子どもでは、想いのすれ違いがあるものです。
そうやって、大人になるんだよね。
頑張れ、ラモーナ。頑張れ、子どもたち!
パパが大好きなラモーナのおかげで、我が家のパパは、この本が、とても気に入りました。
それに引き換え、ママは、駄目です。
ママからしてみれば、子どものことを思ってのことだけれど、ガミガミ・チクチク・・・
友だちのママとペチャクチャ。ママの印象は、とても悪いのです(笑)
パパは、いつだって、美味しいとこ取りですね。(ひがみ)

『北の動物園できいた12のお話』

2008-04-11 12:19:19 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『北の動物園できいた12のお話』 浜なつ子 著 あべ弘士 絵

動物が大好きで大好きで、将来は、動物に関わる仕事がしたいと思っている息子。
先日、息子と一緒に図書館に行ったら、まるで、「おいでおいで」しているかのように、
この本が立てかけてありました。
あべ弘士さんの絵が、とても楽しい一冊。
今まで、本といえば「物語」だったけれど、一晩に一章ずつがぴったりの量で
はじめてのノンフィクションは、とても、読みやすかったです。

動物園は、たしかに、命の暮らす場所なんだなあ。
そんな当たり前のことを強く感じた、旭山動物園の物語。
何度も何度も、息子と二人、涙をぬぐいながら読みました。
動物は、可愛いだけのぬいぐるみなんかじゃないのです。
だからこそ、私たちの心をひきつけるのです。

楽しい楽しい動物園。
でも、この本に書かれていることを、頭の片隅において動物園をまわれば、
また、違った何かが見えてくるはず。

動物園、だから出来ること。
私たち、だから出来ること。
動物に対して、私たち人間が出来ることは、一杯あるなと思いました。
だって、私たちが、こんなに住みにくい地球にしてしまったのだものね。


名探偵カッレくん

2008-03-17 11:19:44 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『名探偵カッレくん』 リンドグレーン作 尾崎義 訳

面白かった!面白かった!面白かった~!!
ああ、どうして、今まで読まなかったんだろう。もっと早く読んでもよかったなあ。後悔
というのも、大好きなリンドグレーンの作品だということで、ずっと、気にはなっていたのですが、
図書館で手にとった時に読んだ最初のページが、やけに硬い文章で、息子には、
まだ難しいような気がしてしまっていたのです。

でも、それは間違いでした。
なぜって?その硬い文章には、訳があったからです。
それは、主人公の少年カッレの頭の中にいる、もう一人の人物・名探偵ブルムクヴィストが、
名探偵ポワロと名前を連ねる大物探偵らしく、語っていたから!だったのです(笑)

いやあ、それにしても面白かった。
なにしろ、楽しいだけでなく、ハラハラ・ドキドキも、かなりのものなのです。
(ごめんなさい。耐えられなくて、息子が学校に行っている間に、ちょっとだけ、先を
盗み見しました。反省。←もちろん、息子には、内緒です)
なんてったって、本物の宝石は出てくるし、銃撃シーンだって登場するのです。
だからと言って、ただ「怖い」だけではありません。
子ども達の想像力豊かな遊びの場面(戦争ごっことか、サーカスごっことか!やりました。やりました。私も。)をおりまぜながらの、それらのシーンなのです。

すごいなあ。リンドグレーンという作家さんは。
本当に、偉大な作家さんだったのだなあと、改めて思いました。
なにより、私が生まれる前に出版された作品が、今もなお、輝き続けているということが、すごいです。
以前、講演会できいたお話を思い出します。
本当の児童文学は、100年たっても、子どもの心をひきつけるのだと。


『ツバメ号とアマゾン号』

2008-02-23 20:14:33 | 息子と読んだ本のこと・児童書

ツバメ号とアマゾン号』
アーサー・ランサム 岩田 欣三・神宮 輝夫訳

毎晩、少しずつ読んできた本。ようやく、ようやく読了です。

海(湖)に出るまでは、なかなか、本の世界に入り込むことが出来ず、
あくびばかりだった息子くん。
ツバメ号の乗組員たちが無人島にキャンプを張った頃から、一気に面白くなってきたらしく、
アマゾン海賊が現れた頃には、もう、夜の「読み聞かせタイム」を待つことが出来ず、
自分で読み始めてしまいました。
大人でも腰がひけるほどの細かい字と分厚さなのですが、全く、気にならない様子。
中学年向きの本ですら、「字が多い~」と文句ばかり言っているくせに、何でしょうか?
読み聞かせは、その時点で、やめても良かったのですが、息子が、それはそれで
読んで欲しいと言うので、そのまま読むことに。
一日中、ツバメ号漬の息子くんなのでした。

おかげさまで、読了した時には、息子は、息子の旗を持っていました。
『ヤマタカ号』が、彼の旗の名前。図鑑で見つけたヤマタカがシンボルです。
母さんも!というので、私は、『南極号』にしました。
南極大陸の形をとった旗がシンボルです。
自分の旗を持つって、なんだか、嬉しいものですね。
いつものように、二人それぞれの「もしもノート」に記入。これが、また楽し。
問題なのは、二人ともボートにのったことがないこと・・・・・かな。

息子くん。すでに、心は、二巻へと向かっています。
そんな訳で、六年生の進級祝いは、『ツバメの谷』に決定!4月が楽しみだね。
少年の頃にこの本と出会い、船医になったり、環境保護のお仕事についたりする人もいるのだとか。
柔軟な心って、すごいな。
私も、小学生か中学生に戻って、この本を読んでみたいよー。くやしいなー!
とにもかくにも、息子くんが小学生のうちに、この本を読むことが出来て、本当に良かった。
この本を教えてくれた、ことり文庫さんには、いつものように、感謝・感謝なのです。


『ムーミン谷の冬』

2007-12-16 20:01:59 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『ムーミン谷の冬』 トーベ・ヤンソン 山室静(訳)

「冬になったら読み始めよう。」
息子と二人で、そう約束していた一冊。
・・・・・・・耐えられなくて(母が)、紅葉が始まったくらいから読み始めてしまいました。

途中、いつものように、宿題が終わらなかったり(一番の原因)、
日米野球の試合があったり、
(韓国戦は白熱しすぎて、終わった後に、ぐったりするほどでした。)
娘の具合が悪かったり・・・と、
少ししか読めなかったり、全く読めなかったりする日が多くありました。
それでも、一度も飽きることなく、
ページを開くたびに、ワクワクしながら読み進めることが出来ました。
そして、読み終わったら、正真正銘の冬でした♪ 

シリーズを、まだ、全部読んだ訳ではないのですが、
「今」、ムーミンシリーズで、一番好きな巻は?と尋ねられたら、迷わず、この本と答えると思います。(一巻も好きだけれど)
何処が好きか?って聞かれたら・・・・
目に見えない小さな者たちが、たくさん出てくるところと、答えましょうか。

「冬って、そういう者たちの季節なのよ。」
おしゃまさんのそんな台詞を聞く度に、雪深いフィンランドの冬を想像して、もこもこの雪や灰色の空を想像して、ワクワク&タメイキの連続。
読みながら、息をひそめてしまうほどでした。
スキー場や、雪深い秋田の冬景色を、思い浮かべたりもしました。
雪の中の独特の静けさ。あの中で、ひっそりと蠢く小さな(あるいは、姿のない)者たち。
それを思うだけで、胸がドキドキしてしまって・・・。
ああ、次、雪の中に旅行に行くときは、彼らの気配を感じながら過ごそう!

最後まで、「みんなに嫌われるヘムレンさんが、とても良い人」ということに、ずっと、心を痛めていましたが、それも、素敵な展開で終えたし、
息子が気に入っていた、お馬鹿さんのリスも凍え死んでいなかったし、
最後は、やっぱりハッピーエンドだったし。どれもこれも、とても良かった。
寒い冬が、何倍も、楽しくなる本でした。

そして、何より・・・
おしゃまさんのオルガンで、みんなが冬眠から目覚めていく「春の訪れ」の場面が、素晴らしかった。
何度も、何度も、深呼吸したくなる場面。
息子が、うっとりするように
「今まで、ずっと、みんな、このオルガンの音で目を覚ましてたんだね。」
とつぶやいた一言が、私の、この本での一番の感動でした。
子どもと一緒に読む本は、新しい感動に満ちています。

さて、冬も本番。
我が家は、ソーラー暖房でぬくぬくだし、家のドアから、目的地のドアまで、車で移動すること多しで、厳しい冬と言っても、寒さに凍えるのは、一瞬のことだったりします。
便利さと快適さは、もしかしたら、子どもたちが、小さいサロメちゃん(小さな虫や目に見えない者達の仲間)に出会えるチャンスを奪っているのかもしれない・・・そんなことを思っての読書になりました。

もちろん、その快適さのおかげで、冬でも、色々なことにチャレンジできるようになったし、
小さい子ども達が肺炎で亡くなったり・・・なんてことがない時代になったのも、事実だけれど。
でも、便利になるって、快適になるって・・・・・
それと引き換えに、きっと、何かを失くしているに違いないのです。

寒い中、霜柱を踏み踏み、学校へ通う息子。
もしかしたら、息子だけは、サロメちゃんに出会えるかもしれないな。
娘が大きくなったら、私も、自動車のハンドルではなく、もこもこ手袋とポケットで
外に出かけて行こうと、心に誓ったのでした。