ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『くいしんぼうのあおむしくん』

2006-03-01 05:50:28 | 息子と読んだ本のこと・絵本

『くいしんぼうのあおむしくん』こどものとも傑作集
槇 ひろし 文・前川 欣三 絵

こんなお話しってあるかしら!
ある日のこと。まさおの帽子をかじっていたのは、何でも食べる青虫くん。
帽子を食べ、紙くずを食べ、おもちゃを食べ、それでも我慢できないのです。
仕方なく、まさおは、町中のゴミを集めて食べさせてあげます。町は美しくなり、町の人たちも大喜び。けれど、それだけでは、
お腹が一杯になりません。
そして、ある朝、まさおが目を覚ましてみると・・・なんと!まさおの周りには、何もなかったのです!家もパパやママも、何もかも!パパとママを食べちゃうなんて!!
それでもなお、お腹のすいている青虫くん。二人は、食べるものを探して旅に出ます。途中、工場を食べて、周りの農家の人々に喜ばれ、パーティによばれるのですが、やっぱり、パーティごと食べてしまいます。世界を食べつくした青虫くん。
・・・ついに泣き出した、まさお。すると青虫くんは、なんと!ついに、まさおのことまで、ぱくり。

え~?え、え~???
結末にむけて何の伏線もなく、どんどん、青虫が世界を食べつくしていくストーリー展開は、もう、あっけにとられるしかありません。
絵が素朴で、とても可愛らしいのが、さらに恐ろしさを引き立てます。
ゴミや工場の場面では、ちょっぴり皮肉も含まれていて、もう、何がいいんだか、悪いんだかわからなくなって、どうなるの?どうなるの?の連続。
私は夢中で読んでいて、息子の様子を横目で見る暇もありませんでしたが、息子が、布団を顎まで引き上げたところで、ああ、怖いんだなと気がつきました。当たり前か。
そして・・・まさに意外な?壮大な?はちゃめちゃな?最後には、ため息しか出ませんでした。

大好きなブログで、この本と出会い、
何故か一目ぼれ。けれど、ここまでとは。
こんな不思議な読書感。今まで体験したことなかったかも?
息子は、布団に入ってからも「ありえねえ。絶対にありえねえ。」と繰り返しておりました。
「いや、この地球・・・本当はこの本通りなのかもよ。」と言ったら、さらに「ありえねえ!」を連発。息子の目が真剣すぎて、それ以上、この会話を続けるのをやめました。夢に出てこなかったかしら?