トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

家 2

2006-03-03 08:35:15 | 嫁、舅
話はどんどん進んでいった

夫は「どうするんだ?本当にあの親達と暮らせると思ってんの?
あんな父親といたらあんたなんか3日で逃げ出すよ。いいの?大変な事になるよ」とオロオロとするばかりだった

確かに私が賛成したからこうなったのだけれど私も戸惑っていた
何か違う・・・。こんな事を期待していた訳じゃない

夫の借金の内容を相談にのって欲しかったのだ
どうしたら夫の借金を止めさせられるのか。
全部でいったい幾らあるのか
そして何で作った借金なのか

知りたいのはそれだけだった
そしてもう借金はしないと約束してほしかった。
これからの生活を安心して暮らしたい。
借金の事がなくなれば揉める事も怒鳴られる事もなくなる筈だ

全ては借金が原因なんだと思っていた
しかしたよりの姑はそんな話はすっかり忘れてしまったかのように
新しい家の事で浮かれていた
夫に聞いてみるとか。
話をしてみるとか全然なかった。

姑はその問題から逃げていた
舅にばれる方が余程大問題だと思っている事が分かった

私は落胆した
同居したところでいったい何の解決になるのだろう
疑問は膨らむばかりだった

他力本願で解決しようとした自分も馬鹿だった今更ながら気がついた

家を見た後は必ず実家で宴会だった
酒を飲みながら舅は私に
「どの家にする。いつ決める。本当に今のあんたらには随分金をかけたもんだ
年間100万はかかってるぞ。なぁ。ちっこさん。」と執拗に何度も何度も言った

夫は返事をしなかった
どの家も気に入らないと言い張った
一緒に暮らすとは絶対言わなかった

夫がトイレに立つとその隙に舅が
「あいつの意見なんか聞くことないんだ。ちっこさんが返事をするだけでいいんだ」

姑も
「そうだ。そうだ。息子の意見なんかどうでも良いんだ。ちっこさんが決めて良いんだ。一緒に住むでしょう。その方が良いでしょう。
親戚の○○ちゃんなんかもう同居したって言ってたし。隣の○○さんも同居したらすぐ孫が出来たっていうし。その方が絶対良いんだって」

なにか変だ。
どうして息子の意見はどうでも良いんだろう。
なんでこんなに息子の気持ちを無視するのだろう

とても不快だった

なかなか返事をしない夫に義理両親達は苛立った
前にも増してこの家にお前達にどれ程お金がかかるかを力説し
恩返しするべきだと強要した

家に帰れば夫がどうするんだと責め立てた
間に挟まれ疲れきってしまった
自分で返事をしたんだから。安易に解決しようとした自分が悪いんだと反省した

日に日に心の中で一緒に暮らしてはいけないと何かが叫んでいるような気がした

ある日業を煮やした舅が「おい。お前らがハッキリしないから昨日来た業者に手付金払ったからな。決まったからな。それでいいな」と電話してきた

冗談じゃない。なんで勝手に決めるんだろう
これでは横暴な夫と全然変わらないじゃないか

この人達は自分の事しか考えていないことがつくづく分かった
私は利用されたのだ。周りに自慢したいためだけに、早く孫を産ませて周りに
「良いわね」と言われたいためだけに利用されたんだと思った

同居などしたら私はこの人達に食いつぶされてしまうと恐怖感でいっぱいになった
夫が言った事は間違っていなかった
3日と持たないかもしれない

決心した。自分を守らなければ、誰も守ってくれないなら自分で守らなければ
強く思った
いつものように舅の自慢が始まった

私の心は決まっていた
「申し訳ないんですが、一緒には住みません。そんなに大変ならあの家出ますから誰かに貸して老後の蓄えにでもして下さい」と言った

舅も姑も目を丸くしてビックリしていた
「なっ。なにを・・・。喧嘩売ってんのか?」

「いえ。そんなに大変だとは気がつかず申し訳ありませんでした
一緒に暮らす自信がなくなりました。だから家をでますから老後の足しにして下さい」

夫も口をあんぐりと開けて惚けたように見ているだけだった

私は立ち上がり「帰ります」と言ってドアに向かった

後ろで舅が「なんだ!いい嫁だと思ったのに」と穿き捨てるように言った

家に返って夫に散々
「家に残るおふくろ事少しは考えろ」と叱られた
「じゃあ、一緒に暮らしたかったの?」と聞くと黙った

助かったくせにと心の中で毒づいた

結局夫の借金の事も自分が向き合ったときに解決した
別な事に摩り替えても問題は解決しないんだと随分後から学んだ

あの時本当に一緒に暮らさなくて良かったと思っている

あれからもこの家の事にはいろいろ振り回された
何度この家を出ようと思ったかしれない

舅は酔っては金を使いまくり退職金も食いつぶしてしまった
今は細々と年金で暮らしている

ローンの払いに困ったといってはお金を要求してきた
その度にまとまったお金を渡しても払いにはあてず飲んでは使ってしまった

もう舅にはローンの管理は無理と判断し私達が全てを引き継いだ

この家に住んで15年になる
15年分の想いが詰まっている
友達も沢山出来た。

近所の人とも随分仲良くなった
今では私にとってただの家ではなくなった

この家は私達家族と共に泣き、笑い、その全てを見てきてくれた

いつまでいられるかは分からない
名義は舅のままだし話し合いもできない
だから払いが怠っていると聞けば肩代わりして守れるだけ守っていくしか出来ない
それでもいいと思っている

私はこの家が好きだから
この家は私の家族だから



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6 コメント

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(^^)v (ちまり)
2006-03-03 21:04:12
§^。^§/ こんばんわ、ちっこさん。



ちっこさんの駆け引きナシの

心を優先するトコが大好き(^ε^)-☆Chu!!
返信する
いろんな思い (nao)
2006-03-04 06:39:09
ちっこさんが思うように、

ご主人も、お子さんもお家や家族の事を思ってると思います。



ちょっと行き詰ってますか?



それでも前へ前へ・・・と感じるんですが。

私のかってな思い込みならごめんなさい。



大事な物が分かってらっしゃるちっこさんなら

大丈夫です!
返信する
ちまりさんへ (ちっこ)
2006-03-04 09:22:45
あの頃本当にこの家を出たかったです



この家にいる限り義理両親達の呪縛から逃れられないような気がしていたのです



援助されながら住み続ける限り自分たちの生活は訪れないと思っていました



でもそれは私の考え違いでした

どこに住んでいても、自分の足で立つんだと自分自身が自覚していないと同じなんだと思いました



今はここに住んで守って自分たちで築き上げたいと思っています



ちまりさんの短いコメントにいつも救われます

ありがとう
返信する
naoさん (ちっこ)
2006-03-04 09:30:45
naoさんのコメントにいつもハッとさせられます



最近みたドラマで「人にはいい所も悪いところもある

でも悪いところがその人の全てじゃない」という台詞に感動したんです



でも昔の夫をどうしても受け入れられない自分がいるんです



なんであれほどまでに傷つけられなければならなかったのか

今はなんとか2人で乗り越えなきゃいけない状態です



昔なんて持ち出してる場合じゃない

だから此処で整理したくて堪らないのかもしれません



naoさんが心配してくれて嬉しいです

私の重苦しい内容にいつも真剣にレスありがとう

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よかったですね (ウメ)
2006-03-04 22:17:40
ちっこさん、こんばんは



とってもとっても苦しかったのに、孤独を感じていたのに

最後に、はっきりご自身の思いを伝えられてよかったですね。

勇気がいったと思います。

その一言を言うのに、どんなに悩んだかお察しします。



でも我慢するよりは言ってしまった方がいい。

その後の長い生活があるのですから。

肝心な一言を言う勇気…それがどんなに自分の人生を左右する言葉か。

それで葛藤を生んだとしても、それでいいのですよね。

自分を押し殺すより、伝えること、それが自分にも家族にも(周囲にも)

後にはきっといい方向に導くと思うのです。



私はもっとその勇気が欲しいです。

親にも夫にも、職場にも。

ただいまその勇気を育成中です。

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ウメさんへ (ちっこ)
2006-03-05 20:23:55
ウメさんにそう言って貰えると

本当に嬉しいです



>自分を押し殺すより、伝えること、それが自分にも家族にも(周囲にも)

後にはきっといい方向に導くと思うのです



私もそう思います

その事によってそんなに摩擦が起きても

それを乗り越えたほうがいい方向に向くと

信じています



自分の言葉に責任を持てる勇気と

受け入れる力が欲しいと思っています



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