手作りパンが静かなブームのようである。
その理由の一つに、ショートニングに含まれているトランス脂肪酸の問題、および、市販のパン類が添加物だらけという問題が関係しているように思われる。
手作りパンについては、それこそ情報がネット上に散乱しており、一応、皆が認める黄金レシピがある。
しかし、パンの出来上がる工程については、さまざまな人の経験が物を言う世界であり、そこには科学的な説明は少ない。
本研究はこのような状況を鑑み・・・
・・・(もう いいちゅうねん。と自分で自分に突っ込み)・・・
パン生地は、ベーキングによって、粘土状から多孔質のスポンジ状に変化する。
この焼成によって、生地中ではさまざまな化学変化、物理変化が起こる。
たんぱく質は熱により硬くなり、でんぷんは熱で固化膨張する。
この二つの作用が影響してスポンジ状のクラストと呼ばれるものを作る。
この形成の過程ではカラメル化反応、アミノ-カルボニル反応が進みパン特有の香りが出る。
”窯伸び”とは、パンを窯で焼く工程において、パンの体積が増大すること、すなわち、パンが膨らむことを言う。
膨らまない理由として、小麦粉の種類や、水の量、イースト(酵母)の種類や、こねる時間、放置する温度や時間など、いろいろなファクターがあり、これらがどれ一つ不満足でも、うまく焼けることは無いのだそうだ。
(このように言わないと、あちこちからコメントの嵐になりそう)
窯伸びは焼成工程の前期(全焼成時間の1/4~1/3)に起こり、パンの体積とスポンジ状構造を決定する。スポンジ構造はイーストによる発酵(35~45℃)の際のガス発生(二酸化炭素)、生地の水に溶けた炭酸ガスの気化、および炭酸ガスの熱膨張に起因する。
http://sikata0107.hp.infoseek.co.jp/sub2seipanriron.htm
ベーキング初期では、イースト(あるいは酵母)は、生地を柔らかくし、進展性を向上させることと、パン生地中のデキストリンを増やすことその結果糖化する。
焼成後期にいたると、ベータアミラーゼは60度付近で死活し、アルファアミラーゼは80度付近で死活し、グルコアミラーゼは、90度付近で死活する。
そして、100度付近にいたるとすべての活動は停止しその役割を終える。
・・・つまり、ベーキング初期で生地の発酵のすべてが決まってしまう・・・
したがって、”ホイロ(二次醗酵)で十分に膨張されずにオープンにいれたものは、窯伸びが著しい。
基本的にはホイロで8割、窯で2割が良いといわれているが、よくできたフランスパン生地の場合、ホイロ6割、窯4割という場合もある。
http://www.arigatougozaimasu.com/syokuken/pan/11syousei.htm
ちなみに、我が家では、某巨大掲示板で評判の悪い○インバード製のホームベーカリー アイボリー PY-D537VO を使っている。
製パンの標準工程は4時間15分の全自動コース(焼き色を選択すると15分)と、生地作りコースなどがあり、追加焼きを選択することで”自家製酵母”での製パンも可能だ。
いずれのコースでも、夏・冬ともにネットで拾った黄金レシピにて、生地の発酵に失敗したことはない。
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