彼の名はメンクバト(たぶん)。うランバートの小学校に通う7歳の男の子。
冬休みには、いつもおじいちゃんのゲルに泊まりにやって来る。
モンゴルの7歳の子供はたくましい。学校が休みの時に手伝いに来るだけだけど、家畜の扱いは一人前。
朝、仔牛たちを牧草地に連れて行くのだが、容赦なく仔牛たちをビシバシひっぱたく。あるいは頭ほどある岩を地面に叩きつけて、モタモタしている仔牛たちを追っていく。
親牛と仔牛は違う牧草地へ。親牛たちは、おじいちゃんが牧羊犬とともに牧草地へ追っていく。夕方、お腹の空いた仔牛たちは自分たちで牛舎に戻り、鳴いて母牛を呼ぶ。親牛たちは仔牛に乳をあげるため、やはり牛舎へ戻ってくる仕組みだ。
親牛たちの牛舎への戻りが遅かったある晩に、彼は牛舎の壁にもたれかかって泣いていた。日が暮れて親牛たちの帰りがあまりにも遅かったので、その日の乳しぼりは真っ暗な牛舎に電灯をともしてやることに。
旧正月前日の忙しい晩だったので、彼の乳しぼりの出番はなかったわけだ。カウボーイとしてのプライドを傷つけられた彼は、一人で壁にもたれて落涙。
こんなとき、モンゴルの人々は放っておく。通訳のプジェーは見て見ぬ振りだ。きっと、これが狭いゲルの中で、大勢の家族たちがうまくやっていく秘訣なのだろう。
・・・下手な干渉はしない。そういえば、おじいちゃんもそっけない。牛の放牧に付き合って、明け方、数キロ牛を追ってったのだが、その間、なんの話をするわけでもなし。もっとも、ぼくはモンゴル語ができないから、端から会話をあきらめてたのかもしれないが。。
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