tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

悪魔の草

2021-10-02 19:46:45 | 日記

ベラドンナはマンドラゴラと並んで、古くから「悪魔の草」「魔女の花」と呼ばれ、花から根まで至るところににある強い毒性が恐れられた。
ベラドンナ総アルカロイドは、ナス科植物の「ベラドンナ」(和名は「オオカミナスビ」または「セイヨウハシリドコロ」)の根から採れる成分で、各地で古くから生薬としても利用。漢方でもその根は「ベラドンナコン」と呼ばれ、鎮痛・鎮痙に利用される。

ベラドンナ(belladonna)は、イタリア語のbella(美しい)+donna(貴婦人に対する敬称)。すなわち「美しい女性」の意味だ。
副交感神経の働きを抑える作用をもつその抗コリン成分は瞳孔を拡大する散瞳作用があり、目が魅惑的に見える。
かつてクレオパトラが愛用したとの説もある。

ちなみに副交感神経から放出されるアセチルコリンの刺激により、鼻水は鼻腺から分泌される。ベラドンナ総アルカロイドは、このアセチルコリンをブロックして、分泌を抑えるように働く。つまり、花粉症にも良いのだ。

悪魔や魔女はことのほかこの毒草をめで、ワルプルギスの夜(魔女たちがブロッケン山に集まって悪魔と宴を張る五月祭の前夜のこと)を除き、一年中、この草の手入れに励んでいるという。また魔女はこの草を使って人殺しをしたり、サバト(集会)に出かける際には、これを混ぜた膏薬を体に塗って空を飛んだとらしい。

それにしても、和名の「セイヨウハシリドコロ」。日本の本州、四国、九州にも「ハシリドコロ」が野山に分布する。こちらも、食べると発狂状態となって走り回ることと、根がヤマノイモ科の オニドコロ (トコロ)に似ていることが名前の由来。芽が出たての頃は山菜のオオバギボウシやコバギボウシの葉に似ているため、間違って食中毒になってしまう場合があるらしい。
・・・間違って体に塗れば、空を飛んじゃうかも。。。


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