モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

その55:喜望峰。その認識と植物相⑨

2008-09-02 11:24:20 | プラントハンターのパイオニア、マッソン
~マッソンが採取した植物。==エリカ==

==ケープのヒース、エリカ==

“ヒース(heath)”は、イギリス北部・アイルランドの泥炭地のような作物が育たない荒地に
背が低い植物が生えるがこれをヒースと呼んでいる。

1847年に発表されたエミリー・ブロンテの長編小説『嵐が丘』は、
ヒースが群生するイギリス北部ヨークシャーの荒野に立つ館「嵐が丘」を舞台としている。
雪と強い風と低い雲そして見渡す限りのヒース。ここには圧倒的な厳しい自然しかない。

ヒースはこんな厳しい自然の象徴でもあるが、
ケープ地方にも“ケープヒース”と呼ばれる荒地に育つ植物がある。
その数735種というから驚きだ。
マッソンは、そのうちから88種をキュー植物園に送ったという。
このケープヒースの属名をエリカと呼ぶ。

マッソンが送ったエリカの代表としてErica cerinthoides L.(エリカ・コリンジェイド)に登場願うが、
Erica cerinthoides は、 “Fire Erica” とも呼ばれ、南アフリカの乾燥した荒野に広く点々と分布している。
 
(出典)ウイキペディア

種名のcerintheは、ギリシャ語の『ろう状+花(ceri+nthe)』で、
ceriは、ギリシャ語『蝋、ワックス、蜜ろうを意味する"keros"が由来』

ツツジ科のこのヒースは、ケープ地域の荒地でブッシュを形成し
落雷など周期的に起きる火事で自らをリニューアルする知恵で生き延びているという。
最近では、人為的に15年に一度は燃やしているようだ。

マッソンがイギリスに導入したエリカは、1794年にボタニカルマガジンで取り上げられ
18世紀後半から19世紀全般には、ケープのエリカは人気が出たようだ。

(写真) フランシス・マッソンを記念したErica massonii

(出典)Wikimedia Commons

キュー植物園には、フランシスマッソンを記念して命名した“エリカ・マッソニア”がある。

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