彦四郎の中国生活

中国滞在記

キエフバレエ団、ロシア侵略開始後、初の本格海外公演—7月24日、姉妹都市京都でも公演された

2022-07-28 08:40:28 | 滞在記

 ロシアの軍事侵略が続くウクライナ。「ウクライナ国立バレエ団(キエフ・バレエ団)」の初の本格海外公演が、日本で7月15日より始まった。ロシアの侵攻後、まとまとった人数での海外公演は日本が最初になるという。日本での公演は7月15日より始まり、8月9日まで、全国各地16の都市で公演が続いている。

 キエフ・バレエ団は、19世紀に創設され、150年余りの歴史をもつバレエの名門。旧ソビエト連邦時代には、ソ連三大名門バレエ団(他に、モスクワを拠点としたボリショイバレエ団、サンクトペテルブルクを拠点としたレニングラードバレエ団)の一つだった。1980年代に入り、日本でもこのソ連三大バレエ団の公演が行われ始めた。

 キエフ・バレエ団は現在、120人余りの団員を擁しているが、戦禍を逃れ90人余りが海外に避難している。また、この軍事侵攻による戦禍で亡くなった団関係者もいるようだ。7月上旬から、避難先の国々などから次々と日本に到着し始めた団員は30名余り。公演本番に向け急ピッチに準備やリハーサルがすすめられ、7月15日の初演(群馬県前橋市)が行われた。

 15日の初演後の午後9時、NHK「ニュースウォッチ9」で、このキエフバレエ日本公演初日のことが報道された。この公演に至るまでの、プリンシパル(団の花形)であるアンナ・ムロムッエワさんの、ここに至るまでの葛藤と悩み、そして喜び。この日本での公演を行うことになった主催団体・光藍社社長の山本真彦さんの話。

 日本の空港に到着する団員達の表情。この公演に参加せず、ウクライナに残り、ボランティア部隊として戦禍の町に入って活動しているポチョムキンさん(男性トップダンサー)は、「日本に行く仲間たちは、国立バレエ団だけでなく、ウクライナの国全体の代表として誇りをもって踊ってきてほしい」と語る。そして、公演初日のさまざまな舞台の場面が映し出された。「戦禍のバレエ団、舞台に立つ意味探る日々—仲間の分まで踊りたい—ウクライナ国立バレエ(キエフバレエ)が軍事侵攻後初めて来日 、戦地に残ったダンサーも」と題された、NHK「ニュースウォッチ9」だった。

 6月26日付「京都民報」には、「日本のファンのために―侵略開始以後 初の本格公演/キエフバレエ・ガラ2022、7/24ロームシアター京都メインホール」の見出し記事掲載。1971年にキエフ市(キーウ市)との間で締結された姉妹都市である京都市での公演はぜひ見ておきたかった。特に、私の娘と5歳になる孫娘(京都市内の寺田バレエスクールでバレエを習っている)、そして私の妻に見せたかった。[3歳以下(3歳児含む)は入場できないので、三歳児の次女の孫娘は入場できない。]

   7月24日、午後2時開演。開演前の午後12時半ころ、会場のロームシアター京都前に車を一時停車し、会場の建物を撮影する。そして、会場から車で7〜8分の娘の家に向かった。妻と私は、二人の孫(1歳児と3歳児)の世話を娘の家でして、娘と5歳児の孫娘は自転車で会場に出かけていった。(妻にも見せたかったのだが‥。私の方は、2004年に、ロシアのサンクトペテルブルグのマリンスキー劇場で、マリンスキーバレエ[レニングラードバレエ]を見ているので、今回は、孫の世話をすることにした。)

 夕方5時すぎにキエフバレエ公演を見終えた娘と孫が帰ってきた。1冊1000円の公演パンフレットを買ってきてくれた。この公演の舞台監督兼バレリーナの世界的ダンサーのエレーナ・フィリピェワ(キエフバレエ団舞台監督)、キエフバレエ団副舞台監督の寺田宣弘さん(寺田バレエ主宰者の息子さん)が、パンフレット表紙の次のページに掲載されていた。ロシア軍侵攻後初となるこの日本公演は、キエフバレエ団の団員たちの熱い想いと、光藍社の山本さん、そして、この寺田さんの尽力によって実現したものだった。

   娘は公演の感想に、「すごく感動した。やっぱ、寺田バレエスクールの発表会(アマチュア)とは、全然違うわ。すごいわ。つま先立ちも、震えていないし‥。」と言っていた。

 公演最初の演目は、ウクライナの民族舞踊をバレエに取り入れ、ウクライナの民族衣装で踊る「コパック」。この公演のためにつくられた演目「ひまわり」、エレーナ・フィリピェワ演じる「瀕死の白鳥」などなど、9つの演目が演じられていた。私は、特に、「瀕死の白鳥」が見たかった。たった4分ほどの、一人で演じる演目だが、バレエというものの粋(すい)が詰まっている演目だ。手の動き、足の動き、体全体の動きなど、これぞバレエという感がする。

 この日の夜、MBS(毎日放送)で、この京都公演のようすが報道されていた。満席の会場。

 公演後、会場出口でインタビューに応じていた母と二人の娘。母親は「いろいろな気持ちがこみあげてきて、最後、泣いてしまいました」と、娘は「見ていて、自分も踊りたくなった」と。この娘たちもバレエを習っているのだろう。ちなみに、ここ京都市内には20以上のバレエスクール(教室)があるようだ。

 この公演、8月からは東北地方や北海道での公演となり、最終日は8月9日に北海道の釧路市公演となる。

 頑張れ、ウクライナ。この世のために、支援・応援し続けようとも思う‥。負けるなウクライナ‥。

 

 

 

 

 


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