Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

悪人

2010-09-24 10:40:13 | 映画
今回は、今公開している映画「悪人」について。

これ、小説を読んでいたのですごく気になってました。というのも小説はとても深く切ない話なんです。これを映画にするということなので、いったいどうなるのかが気になりました。で、その配役を見たときに「これは観にいこう」と思ったんです。深津絵里ちゃんは以前から演技もうまくて好きでしたが、樹木希林がおばあちゃん役、柄本明が殺された女の子のお父さんの役だとわかったから(笑)。この映画は俳優の演技のうまさにかかっていると思うんです。

では、ここで内容を・・

若い女性保険外交員の殺人事件。ある金持ちの大学生に疑いがかけられるが、捜査を進めるうちに土木作業員、清水祐一(妻夫木聡)が真犯人として浮上してくる。しかし、祐一はたまたま出会った光代(深津絵里)を車に乗せ、警察の目から逃れるように転々とする。そして、次第に二人は強く惹(ひ)かれ合うようになり……。
と書いてあります(笑)。でも、これちょっと違う・・(笑)。でも、実際に観てもらうほうがいいので、とりあえずこのままで(笑)。

ものすごく切ない映画なんですよ、何回も言うけど(笑)。人間ってどうしてこういうことがあるのか、格差の社会、孤独、人を見下すことで優位に立とうとする・・。だれが悪人ということではないけど、この映画ではほんの小さなことがどんどん影響しあって、最後には大きな波となって主人公達に降りかかってくるんです。

原作をうまく、映画にしてあるのは、脚本に原作者が携わっているから。これもこの映画の良さだと思います。母親に捨てられた祐一を育てた祖母の気持ち、ずっと地元で地味に生活していた女性光代の孤独感、自分のレベル以上の男性と付き合うことだけがステイタスだけど、現実には出会い系で男と会い、お金までせびる祐一に殺されてしまう女の子、自分は人とは違うと思っているが、いざとなると泣き出してしまうくらい情けない大学生、一人娘を都会にだしてしまったことを後悔している父親、一度肌をあわせてしまうと、その人のことがたまらなくいとおしくなってしまう、祐一。

とにかく、日本映画の良さがとてもよく出た作品だと思います。2時間以上ありますが、見終わったあとに残るものは、その価値があると思います。

あと、もしよかったら原作を読んでから、映画を観たほうがいいかなって思います。人物の背景がよりよくわかった方が、おもしろいから。

深津絵里ちゃんのうまさは今回も光っております。妻夫木君もがんばっていますが、その他の役者さんの方がやはりうまいです(笑)。

ラストは小説も映画も、見た人にゆだねられます。僕は、良い方にとりたいです(笑)。

みなさんは、どう感じますか?

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