4500本の灯りが照らす、幽玄の「かぐや姫」 京都・竹の径

2015-10-26 13:40:23 | 祭 carnival
 約4500本の竹あんどんが、竹回廊を美しく照らし出した。17日に竹の径(みち)(京都府向日市、京都市西京区)などで催された「竹の径・かぐやの夕べ」と「竹結びフェスタ」では、来場者がライトアップや十二単(ひとえ)を身にまとった「かぐや姫」のあでやかな姿に胸を躍らせた。(小野俊介)

 午後2時。京都市西京区の市洛西竹林公園北駐車場は早くもにぎわいを見せていた。飲食コーナーや歴史まちづくりを進める向日市のPRブースが並んだほか、夕方からのライトアップで使う竹あんどんなどのワークショップも開かれた。

 竹筒をひごで飾りつけている若い5人組と出会った。同志社大経済学部で竹について学んでいるという。3年の出口真太郎さん(22)=京都市上京区=は「竹への理解を深めようと思って参加した。ライトアップが楽しみ」と笑顔を見せた。

 ライトアップを控えた竹の径を通り抜けると、第6向陽小前で「かぐや姫」に出会った。京都光華女子大健康科学部2年の田中小夏さん(20)=上京区。本番で登場の舞台となる寺戸大塚古墳へと向かう途中だった。

 昨年はボランティアとして竹筒を並べていたが、今年はヒロインに抜擢(ばってき)された。「すごくきれいな衣装だけど、まだ実感がわかない。大丈夫かな」。緊張の面持ちで語った。

 午後5時半前、同小前でのセレモニーを合図にライトアップ開始。竹の径に取って返すと、矢印の形に配置された竹あんどんが出迎えてくれた。ほかにもハートや音符、ご当地キャラの形をしたものもあり、夕闇に浮かび上がる幻想の世界に酔いしれた。

 午後7時前。無数の竹あんどんに囲まれた田中さんが記念撮影に応じていた。「初めて見たけど、すごいきれい」。パート社員の工藤明日菜さん(23)=八幡市=はうっとりとした表情でスマートフォンを向けていた。

 洛西竹林公園に戻ると、ワークショップ会場はビアガーデンに早変わり。府名誉友好大使で京都造形芸術大芸術学部4年のサンパキッジ・ピラヤーさん(24)=京都市中京区=は「竹と言えば嵐山のイメージが強かったけど、こちらもすごく美しかった。(祖国の)タイの人たちにも教えてあげたい」と目を輝かせていた。

【 2015年10月20日 09時39分 】


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