遷都1500年、弟国宮の謎迫る 京都・長岡京でシンポ

2018-06-17 06:08:30 | 習 learn

 継体天皇が営んだ弟国宮(おとくにのみや)が京田辺市の筒城宮(つつきのみや)から遷都されて1500年を記念したシンポジウムが2日、京都府長岡京市神足2丁目のバンビオ1番館で開かれた。講演やパネル討論で、専門家らが今なお謎の多い弟国宮の実像に迫った。

 長岡京市などの主催。会場には考古学ファンら約400人が訪れ、事前に用意した椅子やパンフレットが足りないほどの盛況ぶりとなった。

 基調講演では、日本古代史が専門の井上満郎・京都産業大名誉教授は、弟国宮の国際性について解説した。琵琶湖のある近江出身の継体天皇は、日本海を通じてアジアとの交流があった北陸地方で育ち、即位から弟国宮遷都まで淀川水系沿いに都を置いたことから、「弟国宮は、環日本海文化圏でつながった東アジアネットワークの中に位置付けられる」と述べた。また、小田桐淳・市埋蔵文化財センター理事は、弟国宮の詳細な位置について、発掘調査の結果などから長岡京市井ノ内付近にあった可能性が高いことを指摘した。

 NHKの人気番組「ブラタモリ」の案内人を務める梅林秀行さんと中小路健吾・長岡京市長も加わったパネル討論では、梅林さんが、断層の集積地でもある現長岡京市は緑のある斜面や高台が多く、弟国宮の設置にも適していたのではないか、などと推察した。

 会場に隣接したバンビオ広場公園では35ブースが出店した青空市も開かれた。訪れた家族連れが、雑貨や菓子を買い求めたり、埴輪(はにわ)作りや火おこし体験などを楽しんでいた。

 

【 2018年06月03日 09時30分 】



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