福島の幼児「転びやすく」 京都の支援グループ、除染訴え

2015-09-13 18:25:25 | 護 help
 東日本大震災から4年半に合わせて被災地の現状について学ぶ講演会「世界と福島と私たち…」が11日、京都府向日市鶏冠井町のまこと幼稚園で開かれた。福島県私立幼稚園連合会会長の平栗裕治さんが、各園で健康被害を懸念し外遊びを制限している現状を説明した上で「子どもたちの体力は低下している。健やかに育つ遊びを提供するとともに、除染を最優先に進めてほしい」と訴えた。

 向日市の母親らでつくる福島支援グループ「ミンナソラノシタ(ミナソラ)」が企画し、約100人が参加した。

 福島県郡山市で幼稚園長も務める平栗さんは、福島第1原発事故の影響で子どもたちが外遊びをしなくなり、園庭で転びやすくなったことを指摘し、「砂場やブランコを経験したことがなく、どう遊んでいいか分からない園児もいる。自由に遊ばせてあげられないことが本当に悔しい」と唇をかんだ。

 平衡感覚を身に付けさせるために遊びを工夫したり、園庭を地元の子どもに開放するなどの取り組みも紹介。「全県が除染され、子どもたちが健全に育つことができるよう、取り組みを一歩一歩進めたい」と決意を述べた。

 これに先立ち、東日本大震災国際会議委員長を務める岡本知之さんが講演。政府の原発再稼働や「ショック・ドクトリン」と呼ばれる惨事に便乗した急激な市場原理主義の推進は、世界から多くの批判を受けているとし、「政治活動ではなく、生命倫理を背景にした市民活動が必要だ」と持論を述べた。

 最後に、ミナソラのメンバーが活動の経緯や内容を紹介。活動への思いを涙を流しながら語る福島県出身のメンバーもいた。林リエ代表は「原発イエスか、ノーの会ではない。(活動を通じて)一人一人が社会に目を向け、自分で考える一助になれば」と話した。

【 2015年09月12日 09時26分 】


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