もう湖面は、ガッチリと分厚い氷で覆われてしまいました。
今年は寒波の連続で、全面氷結がいつもの年よりも、かなり早かったです。
こんな年でも、広い湖の中で一か所だけ凍らない場所があります。
セバットと呼ばれる大沼と小沼の連結する部分で、狭いので水流が速いため
に、厳冬期でも凍り難いのです。
私は勝手にセバト(狭門)と呼んでいますが、元はアイヌ言葉かもしれません。
それはともかく、湖に分散して生活していた水鳥たちの多くが、ここへ集まって
くるから、それは賑やかなものです。
期待して行ってみると、純白のオオハクチョウが20羽、ゆったりと泳いでい
ました。今年も三千キロもの遠くから来てくれたのです。
毎日、コロナの感染数ばかりが気になっている、陰鬱な気持が一瞬で吹き飛び
ました。
オオハクチョウさんありがとう。
じっと見ているうちに
「この子たちが ここ大沼に来る楽しみは何なのだろう?」
「毎年同じ家族が来ているのだろうか?」
「あゝ また4月の上旬にはシベリアへ戻る長旅をしなくちゃいけないんだ
大変だな~」
「シベリアって そんなにいいところなのかい?」
「おじさんも お菓子のシベリアは好きだけど」
さまざまなことが頭をめぐりました。
しかし、この子たちだって鳥インフルエンザに負けずに、力強く生きている
のだから、人もコロナにめげず明るく生きるのだ。
などと思ったのです。