神戸の街の絵
この作品は、銀行のポスターの依頼を受けて描いたもの。
その中の1枚です。
アクリル絵具でグイグイ描いたもの。
やはり下書きはなしで、直接的に描かれました。
神戸の街を愛するヒロクニさんなので、
写真をみたりしていません。
色合いもシックな感じで、オシャレな感じがします。
↓もう一枚の絵も
このポスターの絵を見ていると、何やかやといっても時代の空気は穏やかな感じがします。
この依頼を受けた時、依頼主から「神戸の風景を描いて欲しい」と言われていました。
ヒロクニさんは、「分かった。」と。
何回も頷いて、神妙な顔で受け答え。
そして、「さほり、風景をスケッチに行くから横にいてくれる。横にいるだけでいいから。」と。
そうして付いて行くと、運河があって少し物寂しい所に着いた。
「俺、倉庫街とかの風景は、若い時に随分描いてね。油絵だけど。」と言い、
「これでもけっこう、うまかったんよ。けっこう風景画売ったしね。」と言う。
鉛筆で運河の黒ずみが描かれていく。
やや写実的に描いていました。
私は、少し違和感を感じたが何も言わず、ただ横にいました。
バーで待ち合わせた依頼主にその絵を見せに行く。
すると、依頼主の方は、「先生、どうしたのですか?いつもの感じでいいのに。いったいどうしちゃったの?」と。
ヒロクニさんは、「いつもの感じ???」と言う具合。
依頼主の意向を把握していない模様。
言葉って、受け手の取り方で変わるという見本みたいなことがあります。
このヒロクニ脳を把握し、的確に伝えるってとても難しいのです。
そこで、いつもよく言われる「ちょっと、奥さん。」の声。
ヒロクニさんに聞こえないように、ちょとと離れた所に行って、
「ちょっと奥さん、先生のあのハチャメチャな絵がいいんです。明るいでしょ!ちょっと、お願いしますよ。」と。
「やっぱり、そうですよね。」と返事をして、
「声かけしてみます。私も運河へ連れていかれて疑問に思っていたので・・・。」と。
もう、スケッチは、家に帰ってからダメだしして、
「ポスターなんだから、フットワークの軽い街の絵でいいんじゃない?
依頼された方が、私に言っていたよ。うらぶれた風景は、いらないみたいよ。」と、言う。
「えっ???」みたいな顔をするヒロクニさん。
ちょっと反抗的な顔をしながら、白い紙を取り出してきて、アクリル絵具を取り出す。
その反抗的な顔のまま、「こんな感じでいいのか?」と。
顔が膨れ面なんです。
そのまま集中に突入。
そして、その間、膨れ面はそのまま。
3日ぐらいで、ポスターを8枚仕上げました。
依頼主に作品を渡しにいくと、「いいじゃないですか!」と。
やっと、「そうかぇ。」とヒロクニさんも笑顔になり、乗り切りました。
皆、一安堵して、バーにて乾杯。
小声で、依頼主の方は、「一時は、ヒヤヒヤしましたよ。」と洩らされ、私も!と思いました。
描いて現物を制作するヒロクニさんが一番大変な立場にいるのですが、間に入って“お互いが、いい風に按配されるように気持ちを砕く”という立場になってしまう私は、何故かヘトヘトになります。
こういう役割を「最大公約数」を見つける役割と、私は呼んでいます。
↑その時によく行ったバーでの写真。
ヒロクニさんと私の年齢を合計すると、87年に。
今は、142年です。
随分前で、2人とも若い・・・。
この頃は、2人で夜にバーへ行って夜の時間を耽溺することがあったのです。
最近は、夜ウロウロすることは、ほとんどない。
考えただけでも疲れる・・・・。
チューリップが庭を明るくしてくれています。
↑オレンジの強いチューリップを選んでみました。
陽に当ると花は少し広がるようです。
↑角度を変えて取ったものがこちら。
葉と花が遊戯をしているようで、ヒロクニさんの絵と通じるものを感じました。
↑咲き始めた背丈の低いチューリップ。
アントワネットという名前が付いています。
これは、5本植えました。
チューリップは種類によって、背丈が違うので考えて植えないといけないと気が付きました。どうも、背丈の高いチューリップの後ろに、低いのを植えているようで、見ていてどうも具合が悪いよう・・・。
チューリップは、種類が豊富なので、選ぶ時に非常に悩みます。
↑台所で、ピーちゃんは、おねだり。
しかし、欲求が通るまで、ひつこく鳴く猫ちゃんになりました。
最近、ピピに「そんなことでいいと思っているの?」と、説教します。
一応、目を丸くして聞いています。