寒い日が訪れても、春を感じる季節になりました。
変な花のつぼみが・・・と言いたくなるメモのような作品。
新手の宇宙人のような感じもして、違う惑星にでも行ったような気持ちになる。
ギャラリー島田の若いスタッフは、「これ、可愛い。」と声を上げて見てくれたけど、
私は、戸惑うばかりの作品です。
私は、もう感性が遅れているのかもしれないと・・・・・。
「可愛い」より、「何か怖い・・・。」の方が先にきます。
葉の形が「イェィ~。」と踊っているようで、身体を揺らしているようなところは、
形がポエジーを持って、共鳴しているようでヒロクニさんらしい。
ヒロクニさんの絵の特徴で、形・フォルムが美しいく感じることが度々あります。
動きを感じるところは、好きなのです。
春がだんだん近づいてくるのを感じながら、すごしています。
冬になると機嫌が悪いヒロクニさんも、少しづつ朗らかさが見られます。
それはいいのですが、「おばちゃん、ありがとう。」と、嬉しそうに言う。
「妻がぬか味噌臭いっていうよね。」と言ったり、こういう事を言うヒロクニさんは楽しそう。
ただ、いつも「サホリ」って読んでいるのが、
「おばちゃ~ん、ねぇ~。」と八百屋のおばちゃんに言うような感じで呼ぶ。
この世でこんな楽しいことはないという表情で言う。
別にいいのだけど、この人に言われたくないというのはある。
ギャラリーの持ち寄りのパーティーの会場でも、こういうことをする。
顔見知りの女性画家の方に、「あ~、おばちゃん元気~。」と手を振っていた。
その女性画家の方は、「おばちゃんなんて失礼ね!」と、笑いながら・・・しかし、ハッキリと言った。
ヒロクニさんは、それから、いろんな人に話しかけられたり、話たりしていたが、
少し話をする人の輪が出来た時に、また、その女性画家に
「ねぇ、おばちゃん、そう思わへん?」と、自然に皆の前で言う。
「おばちゃんって、失礼ね!」と憤慨されていた。
私は、やってる・・・と思って気が付いたが、その輪には入っていない。
「失礼ね!」と言われているのに、
話すたびに「ねぇ、おばちゃん。」「そうだよね。おばちゃん。」の連発。
フットワークが軽く、楽しそうなヒロクニさんである。
その女性画家の方は、笑顔なのですが、かなりムッと来ていた感じがする。
私は、そっとヒロクニさんに忍び寄り、背中の部分を抓りながら、
「嫌がっているからやめなさい。」と耳打ちをした。
ウン、ウン、とうなづいているので離れた。
しかし、その後すぐ「ねぇ、おばちゃん。」と言う声が・・・・。
ウン、ウンとうなずいていたが、全く聞いていない。
たぶん、その方も「あなたには、おばちゃんと言われたくない。」だと、思う。
ヒロクニさんより、ずっと若い方だから。
その会場で、その方のみに言うので、いっそう許せなかっただろうと。
こういう会場では、ヒロクニさんと私は大抵、バラバラになって別行動になります。
話す人が違うみたいなのです。
時折、「ご主人は、どんな人?」とか、「来られているの?」と聞かれたら、
「あそこにいるのが主人です。」とか言って、会ってもらったりします。
私は、ただの画家の奥さんなのに、けっこうベラベラと話していて、
こういう時、「でしゃばりのおばさんになった。」と自分のことを思います。
また、世話焼きになったのか、終わりかけになると残し物をしてはいけないと思い、
余ったお料理をその場で配る役割を積極的にしたりと忙しくするのです。
若いスタッフの方が、レバーペーストを見て、「これは、貧血ぎみの人にいいかもしれませんね。」と
言われたりすると、「あの方がぴったりじゃない?」と見た。
ひ弱そうな感じがする人を見て、驚いたスタッフは、「人を見かけで判断してはいけません。」と言われた。
ここからは、私は、ちょっとしたジョーダンとして、人柄と料理の内容を組み合わせて、
その上押し売りみたいに、「家へ帰ってからこれをしっかり食べて下さいね。」と言い、
わけの分からない講釈(教訓)を言いながら、ミスマッチな、あっていない講釈を押し付けて楽しんだりした。
スタッフの方も「そんなことしては、いけません。」と言いながら、笑っていたりします。
何だか、ヒロクニさんと内容は違うが、似たようなことをしているのでしょうか?
そんな会場を後にして、帰りがけに、「おばちゃんの作品は、けっこうイイんよ。ちゃんと見た?」と、聞かれる。
そう、ヒロクニさんと違って、海外でも個展をされていて、高く評価がされている方なのです。
抽象なのですが、明るく、色よしで、迫力もあり、思い切りもよく、愛らしい作品。
好感を持っていた証しとして、親しげに「おばちゃん。」とニコニコして呼んでいたのでしょうね。
とにかく嬉しそうなヒロクニさんでした。
おばちゃんの作品・・・この言い方。
この方の名前を忘れているのかもしれないと思いました。
私は、ヒロクニさんのことを「お爺ちゃん。」と呼んだことはない。
ヒロクニさんは、孫と電話で話している時、「お爺ちゃん。」と連発されていたらしく、
婿さんが電話に出たら、「お爺ちゃんと呼ばせるな!ヒロと呼ばせろ!」と抵抗していた。
それを聞いていたので、「お爺ちゃん。」と呼ばれるのは嫌なんだと思ったのです。
私は、人が嫌がることはしない主義。
「おっさん。」とも言ったことがない。
それは、よく世の奥様が、「おっさん。」と、夫のことを呼んでいるのを聞いた時、
う~む、この感じは、嫌だな・・・とよく思ったのです。
たぶん、仲の良い夫婦なんだろうけど、これは嫌かな?と。
そういうこともあって、「ヒロクニさん」とか、「ヒロクニセンセイ(尊敬しているわけではない)」と呼んでいます。
そのかわり、私は、ヒロクニさんに頭にきたら、「あなたは・・・・。」と説教し、
もっと短絡的になったら、「あーた!!!」と叫ぶ時に目がキッとなる。こんな感じ。
そういう時、私の口ぶりの真似をしたりするから、いっそう逆上しそうになります。
怒りの感情を高めてくれるのは、うまい。
火に油を注ぐのは、ほんとにうまい。
おばさん呼ばわりの話からそれそうなので、このへんで。
個展期間中もお菓子を作っていました。
↑こちらは、文旦のピールとオランジェット。
文旦を2つ頂いたので、皮を捨てるのはもったいないと思い作りました。
↑一晩水につけた文旦の皮を文旦の皮の重さと同量の砂糖で煮込んでいます。
隣は、おからを煮ています。
↑煮た文旦を乾かして、乾かしてから細切りにして、それにチョコレートを。
砂糖をかけたものより、チョコレートの方が好きでした。
↑デコレーションケーキ。
デコレーションに関しては、多くを望んではいけないが、私の場合鉄則だと。
缶詰の白桃と黄桃を並べました。
スポンジケーキは、糸を使って切ってみました。
客人が美味しいと言ってくれて満足というか、達成感を味わいました。
↑写真を撮る前に食べられてしまったアップルパイ。
りんごを頂いたので、ケーキに。
パイ皮は、今回は冷凍のものを使って簡単に。
ヒロクニさんは、今回のパイ皮が美味しいと。
(そうか・・・。と思い複雑な気分。いつもは、パイ皮も自作なので)
残し物をしてはいけない!といつも強く思っているので、つい作ってしまいます。
食べものを粗末にしてはいけないという思いが、私を料理に走らせます。
庭では、やはりひな祭りの時に合わせるかのように梅の花が咲いています。
↑まだ、花の少ない庭で、ぼんぼりのように明るく咲いています。
ヒロクニさんもアトリエ(仕事場)から見えるようで、
「桜と違った趣があるものなんやねぇ~。」と。
↑先祖帰りしたビオラ達。
少しづつ花数が増えている途中です。
いろんなタイプがあり、また同じものが咲かないという面白さがあり楽しんでいます。
チューリップも芽を出してきていて、春の息吹を感じています。