こんな絵が出来上がっています。
この絵をみて思ったのは、上品な絵だなぁと思いました。
いつもヒロク二さんが口にする「ダーティーさ」と真逆の作品のように感じたのです。
この絵を見ている内に、ゴシックホラー小説「ヴァテック」
ベックホード・ウィリアム・トーマス著の小説を思い出しました。
ヒロク二さんと明石で暮らしていた頃、進められて読んだ本です。
塔が出てきて、幻想的な小説でした。文章が美しかったのを覚えています。
本も美しい装丁で、内容は王様が堕落し、地獄へいくという内容だったと思いますが、
幻想的で美しい雰囲気だけが私の中で残り、古本屋でその本を見つけると、
ヒロク二さんに「この本が売っているよ」と今でも興奮します。
長編でもなく、すぐ読めた。
単純な私には、この絵をみて塔のイメージが沸き、絵の色が響き合うような感じがした。
そこで、思い出したが「ヴァテックの本」だったのでした。
ガルシア・マルケス等の幻想文学が好きなのです。
マルケスの「百年の孤独」もヒロク二さんの蔵書にあり、一気に読んだ。
明石の家にあった蔵書は、けっこう貴重な本があり、しばらくは私の図書館でした。
阪神大震災の前の明石での自宅に蔵書があった、いい思い出とともに、この絵を見ています。
きのうの朝、ヒロク二さんは芸術家の熊谷守一さんの話をするのです。
「人生無根帯」ていいよな・・・。
「人間は根無し草なようなもんだって、いいこと言うなぁ」と。
横で「ふぅ~ん」と聞いていた。
「世俗を捨てたあの精神は、まねできない」
「絵では、喧嘩をしている武士のような感じ」
「年を取ってもドスを構えている」と言う。
ヤクザまがいの言葉が出てくるので、「えっ!」と思うが、実はすべて絵にたとえているのです。
これ↓ヒロク二さんが言う「人生無根帯」の熊谷氏の書があります。
うまいのかへたなのか分かりませんが、この書がヒロク二さんに語りかけているようです。
熊谷守一さんは究極の貧乏生活をしていて、書は周りのコレクターさんの進めではじめたそう。
だから、いわゆる書道とはかけ離れた書なのです。
しかし、これがけっこう人気が出て、収入にしていったようです。
この方の貧乏耐久力は半端ではないのです。
こういう方が「人生無根帯」(人間ねもなくへたもない)と書く文字だからいいのでしょうね。
我が家には「独楽」という写真集もあって、↓この写真はその見開きです。
写真の下には、
「ガマやカエルを描いているときって、わたしまで彼らの格好をして描いているんですね。面白いもんです」と
あり、ヒロク二さんと「面白いね」と笑います。
この絵は、熊谷氏の描くねこ。
ヒロク二さんといつも感心しているのは、「黄土色」。黄土色をこんなに美しく使う人はいないということ。
塗りでも同じ方向に筋をつけることで、溝は影になり独特の感じを出している。
子供の描いたような絵ではなく、物凄く考えられていることを発見することが楽しみになっています。
↑もう風貌が凄い。
美術史に置いての紹介は以下
熊谷守一(くまがい もりかず、1880年(明治13年)4月2日 - 1977年(昭和52年)8月1日)は、日本の画家。日本の美術史においてフォービズムの画家と位置づけられている。しかし作風は徐々にシンプルになり、晩年は抽象絵画に接近した。富裕層の出身であるが極度の芸術家気質で貧乏生活を送り、「二科展」に出品を続け「画壇の仙人」と呼ばれた。
私は気骨の人と思っています。
我が家では、熊谷守一さんからとても学ぶことが多いのです。
そんな日の我が家の食卓。
ヒロク二さんが、豚肉の薄い奴をどうにかしてくれ!!というので作った「豚肉のてんぷら」
正直こんな料理はじめて作りました。
しょうが焼き用の豚肉をみりんとしょうゆでつけてから、てんぷらします。
わかめとねぎたっぷりの味噌汁。
ブロッコリーとツナをすりゴマと少量のマヨネーズで和えたもの。
トマトといかなご、大根のゆず付けを添えてあります。
黄色の水仙が咲いたので、ヒヤシンスと組み合わせて食卓に花を飾っています。
黒いパンジーを入れ、大人っぽく飾ってみています。