梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之途中下車の旅

2006年10月25日 | 芝居
帰宅のために乗り込んだ半蔵門線の電車が、目的駅手前の<清澄白河>どまりだったので、いつもなら数分待って次の電車に乗るのですが、せっかくだから駅近くをブラブラ散歩でもしてみようかと思い、下車しました。
地上に出てすぐの清澄公園。夕焼け空の下、公園を取り囲む樹々はくっきりとしたシルエットのみとなり、少しく寒さが混じった風に揺れる梢の葉音が静かに聞こえる中、しばし広場にたたずんでおりますと、清らかな空気、ゆっくりとした刻の流れが身体に沁み込んでくるようにも思え、あまりに綺麗で寂しい夕暮れの景色に、なんだか別の世界に来てしまったような感覚になってしまいました。

沈みゆく夕日の方へと歩き出し、仙台堀川沿いの倉庫群を通り抜け、なにやら由緒がありそうな、紀文稲荷神社(由来書きは暗すぎて読めなかった)に鳥居外からお参りしたり、幾つも架かる橋の眺めを楽しんだりしながら、永代通りに出ました。
もう少し歩けば、いつもお邪魔している<ココナッツパーティー>に出るかなというところで見つけたのが、鰻の<吉岡>。最近疲れ気味だからな…とふらりと立ち寄ったのが大当たり。こじんまりとした<町のうなぎ屋>といった感じのお店ですが、ふっくらしてちょうどいい脂ののり具合、飽きのこない濃さのタレ、感激しました。ご夫婦で経営されていらっしゃるようですが、お二人とも気さくなお話ぶり。またお邪魔したいと思いました。

お腹いっぱいになったところで散歩は終了、門前仲町から乗り継いで帰宅したのが六時半なんですから、もう有難いはなしです。部屋の掃除もできました…。