梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

時雨月稽古場便り 巻の七(終)

2006年10月03日 | 芝居
本日は正午より、扮装なしの<素>にての<舞台稽古>。昨日で段取りがついたので、全体的に非常にスムースに進行いたしました。
私の申し次ぎも、今日は詰まることなく言うことができまして、ホッと一安心です。一度失敗したところが、その後も気になってしまい、かえっておかしくなってしまうこともままあるもの。今日無事に勤められたということが、明日以降の本番での大きな自信につながります。とはいえ、台詞のテンポはどうしても早くなりがちです。役者同士はさんざん台本を読んでいて、各人の台詞も知っているから、多少聞きづらいところがあっても、自分たちの頭の中で補修してしまいますが、お客様はその場で初めて我々の話す言葉を聴くわけです。そうした方々がきちんと理解できるテンポ、リズムを作らねばりませんが、ひと月の公演で、どれだけ改善できるか、前向きに取り組んでまいりますが、くれぐれもロレッたりつかえたりしないように! これは最低限のことですが…。

五時半ごろに全幕終了。その後、私が申し次ぎで出る「赤穂城広間の場」での、演出の変更があったために、再度装置を組んで照明合わせ。私の動きも変更されましたので立ち会いました。

さあ、明日はいよいよ初日! 納得ゆく演技ができるよう、焦らずじっくり腰を据え、誠心誠意、心を込めて勉強させて頂きます。まずは、とにかく落ち着こう!