梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

こんな一日があっても

2006年10月08日 | 芝居
今日から五日間、日本舞踊のお稽古です。春以来、出番の都合で時間がとれなかったり、私事が重なったこともあり、ずいぶんご無沙汰をしてしまいました。今月は久々に松濤のお稽古場通いができるので嬉しいです。
『景清』は無事あげることができましたので、今日からは清元『浮かれ坊主』を教えて頂くことになりました。度々拝見しているものですし、大好きな曲でしたので、勉強できるのが本当に有難いのですが、のっけからトントン運んでゆく振りが続くので、ついてゆくのが大変でした。早く勘を取り戻さなくては!

稽古後は、思い立って浅草へ出ました。侮りがたいネタの新鮮さと、活気あるお店の雰囲気が楽しい「日向丸」で食事をし、浅草演芸ホールの上席夜の部、最後の一時間を飛び込みで拝見。寄席も久しぶりです。…CDの売れ行きも好調な、俗曲界の新星、桧山うめ吉さんの唄を初めて聴きましたが、なんとも綺麗な歌声で品も良く、容姿も日本髪がよく似合う、若手には珍しい独特の雰囲気の持ち主。味とかハリが加わってくれば恐いものなしでしょう。これから注目です。落語は三遊亭遊三師匠の『酔っぱらい』に三遊亭遊吉師匠の『井戸の茶碗』。遊吉師匠のすっとぼけた話し振り、軽みと洒落っ気に引き込まれました。
寄席がはねた後は、ぶらぶら西浅草を探索しながら歩いて帰宅。あちこちに縄のれん、赤提灯を見つけて、思わず「ごめんください」と扉を開けそうになることしばしばでした。

このところ、日本酒を呑むことが多くなりました。とくに福島の「奈良萬」冷やおろし。その風味にはすっかり惚れ込んでしまいました。「獺祭(だっさい)」も個性的な味ですよね。おすすめの銘柄、是非是非お教え下さいませ。