梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

まずは無事に

2006年10月04日 | 芝居
本日『元禄忠臣蔵 第一部』の初日。お客様の入りも大変良く、反応も上々。好スタートを切りました。
三ヶ月連続公演の第一弾ではございますが、今月上演の三編は、ある意味非常に<男くさい>内容で、決して派手さはございません。それでも、播磨屋(吉右衛門)さん演ずる大石内蔵助はじめ、大勢の赤穂の藩士たちの、忠義、信念、覚悟が、真山青果氏独特の熱い文体で語られる全六幕十二場が、舞台と客席双方の心地よい緊張感を保ちながら、最終幕『最後の大評定』へと向かって徐々にボルテージを上げてゆく様子は、三役に出演させて頂く中でひしと感じることができました。

お陰様で申し次ぎの台詞も失敗なく言うことができました。テンポもまずはセーブが効いたかなとは思いますが、先輩からは「コトバはちゃんとわかったけど、これ以上早くならない方がいいよ」とアドバイスを頂きました。一番緊張する初日でここまで抑えられましたので、明日以降はもっと落ち着いて、<焦っているように聞こえて、はっきりとした台詞>を言えるよう頑張ります。

休憩を含めて四時間四十分という長丁場の舞台ですが、ご覧頂いた皆様、お疲れにはなりませんでしたか? ご意見ご感想など、是非お寄せ下さいますようお願い申し上げます。
…明日からの日々でどれだけ良くなることができるか。自分を信じて楽しく元気に勤められたらと思います。