梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

神楽月稽古場便り 火

2006年10月29日 | 芝居
本日も、昨日と同じ稽古順での<立ち稽古>。
我々<めんない千鳥>組も、だんだんと手順がついてきました。メンバーの中に誰ひとりとしてこの『伏見撞木町』に出演した人がいないので、みんなで相談しながら作ってゆく部分も多うございます。小川の流れがあったり、離れの一間が建っている装置ですので、集団演技の動線も、稽古場ではなかなか決めかねており、これは<舞台稽古>まで保留というところです。
むしろ、血気にはやって内蔵助を難詰しにきた大石主税や不破数右衛門、堀部安兵衛らの堅物ぶり、一徹さを際立たせる意味での、廓の賑やかさ、太平楽の浮かれぶりを、みんなでしっかり表現することを考えなくてはなりません。今日までの稽古では、下座囃子や効果音も含め、音が一切入りませんでしたから、余計感じが掴みにくかったのかもしれませんが(普通下座囃子は<附立>の日から稽古に加わります)、明日からはまた違った雰囲気で、芝居作りができると思います。

今日も稽古は四時半ごろに終わりました。銀座に出て古書の<奥村書店>で数冊購入。調べものがまだ終わりません。