「が折れた腕や1」近藤弘文。
が折れた腕や
は石鹸のようにすり減って
いくだけだろ
と、なんとも奇妙な詩句で作品は始まる。完全な文体を書きとめた紙片の上の部分を、意識的に切り取ってしまったようだ。そこに存在していたはずの名詞が欠落している。なんとも落ち着きが悪い。そこで、読み手はなにかの名詞を当てはめて読もうとする、あるいは、それこそ折れたミロのヴィーナスの片腕のように欠落した状態を受け入れようとする。作者の術中にすっかりはまっている。
根っこが耳に入って
きゃっきゃっ
と黒い葉の群れをみていたわたくし
黒い葉の群れではなかった (最終部分)
おいおい、黒い葉の群れをどうしてくれるんだ、と言いたくなるのだが、作者によればこれから長めの詩になっていくとのこと。あちらこちらにあたりをつけた断片はすでに少しずつ絡まりはじめているが、これからどのようになっていくのだ? ぞくぞくするではないか。
が折れた腕や
は石鹸のようにすり減って
いくだけだろ
と、なんとも奇妙な詩句で作品は始まる。完全な文体を書きとめた紙片の上の部分を、意識的に切り取ってしまったようだ。そこに存在していたはずの名詞が欠落している。なんとも落ち着きが悪い。そこで、読み手はなにかの名詞を当てはめて読もうとする、あるいは、それこそ折れたミロのヴィーナスの片腕のように欠落した状態を受け入れようとする。作者の術中にすっかりはまっている。
根っこが耳に入って
きゃっきゃっ
と黒い葉の群れをみていたわたくし
黒い葉の群れではなかった (最終部分)
おいおい、黒い葉の群れをどうしてくれるんだ、と言いたくなるのだが、作者によればこれから長めの詩になっていくとのこと。あちらこちらにあたりをつけた断片はすでに少しずつ絡まりはじめているが、これからどのようになっていくのだ? ぞくぞくするではないか。