『♯53 ジーパン刑事登場!』
主演:松田優作(柴田純)
助演:竜雷太(石塚誠)
出演:石原裕次郎(藤堂俊介)関根恵子(内田伸子)露口茂(山村精一)下川辰平(野崎太郎)小野寺昭(島公之)
南原宏治(署長)青木英美(永井久美)菅井きん(柴田たき)
ひし美ゆり子(大場清枝)谷岡行二(木村清)木村由貴子(山本の娘)中村竜三郎(?)浅香春彦(テニスクラブ支配人)石井宏明(テニスクラブ常連)鈴木治夫(警官※看守係)藤田漸(改造拳銃男)池田生二(警官※派出署)高橋ひとみ(志村早百合)秋吉久美子(中上貴子)菊池正孝(和田恍彦)松原麻里(※ノンクレジット・貴子の友人)
プロデューサー:岡田晋吉 清水欣也(日本テレビ)梅浦洋一(東宝)
企画:魔久平 脚本:鎌田敏夫
撮影:田端金重 美術:小汲明 照明:隠田紀一 録音:大庭弘
音楽:大野克夫 演奏・井上堯之バンド 編集:神島帰美 整音:坂田通俊
助監督:渡辺拓也 擬斗:宇仁貫三 制作担当者:原雄次郎 現像:東洋製作所 アシスタントプロデューサー:梶山仗祐
協力:国際放映 企画協力:ジャックプロダクション 協力:成城テニスクラブ
監督:高瀬昌弘
制作:東宝株式会社
覆面車:クラウン(70-26)セリカ(57-63)タウナス(32-09)
マカロニの死。
太陽の番組世界の中では収まらず、各方面にセンセーショナルに受け入れられました。
それまでは、「裕次郎&ショーケン」の二枚看板の先進的な刑事ドラマという部分で、学生層に受け入れられていた云わば「流行り」のドラマ、視聴率は全視聴層を反映している訳ではなく、その流行りに乗った視聴者が観ていたという感じだったと思いますが、「看板が消える」それでも番組は続くというあの当時であればあり得ない方向へ向かっていきます。多分、現代の目では『相棒』だって交代劇があったじゃない、大したことないよ・・・という感想をお持ちの方は多いと思いますが、マカロニ→ジーパンの交代劇は、今で例えると・・・渡辺謙氏とキムタク氏がダブル主演のドラマで、キムタク氏が消えて、その後釜に新人を投入する・・・という云わば「無謀」としか言いようのないもの。これを成功させたのは、太陽自体の前身が新人発掘を成功させた「学園モノ」だったという事につきると思います。
俳優的パイオニアは竜さんなのですが、その竜さんのサクセスストーリをプロデュースした岡田&梅浦P氏を筆頭とした太陽制作陣の底力だったと。
さらに発掘されたのが優作さんということも更にどっしりと太陽世界に厚みを与えていますが、でもこの人選も人を観る目があったからこそ。
それに重ねて裕次郎さんはじめとする俳優陣とのコラボで、今考えるとそれほど危なげは無いように見えますが、それは結果論であって、53話が放送された当時は観た人は別として、マスコミはそれほど注目していなかったように感じます。
制作的転換から見れば、ショーケン氏=渡辺企画の括りから外れたためか、本来太陽チームが得意としていた学園モノ的手法が色濃くなってきます。マカロニ編は若者話でも不条理でやるせない、一概には括れない話が多かったですが、ジーパン編からはストレートな青春モノも太陽的毒気を交えながらも描かれていきます。
そして「ジーパン刑事登場!」
新味を加えるという部分で、高瀬監督と鎌田敏夫さんをジーパン一歩目の人物形成に宛てています。
それまでの太陽の流れからすると結構異質に見えるのはその辺りが原因かもしれません。
でも、やはりジーパンというキャラクターと優作さんが強烈に新しさを醸し出している原因であることは間違いありません。
「奴だ!」から始まる「青春のテーマ」も強烈ですが、あの躍動感は正直度を越してます(^_^;)
正直「海を撃て!!ジーパン」の防波堤シーンも傑作なのですが、個人的にはこちらを推してしまいます。
ただ、そのジーパンも躍動感ともう一つ、ボーっとした部分とポリシーを貫く部分と、優作さんが演じたり素がでていたりしますが、ジーパンと優作さんが多分太陽新人刑事中一番シンクロしていると思います。それは初回だけあって少々ぎこちない面も含めて。
いや、今さらですけど、ジーパン=優作さんの眼はいいですね・・・。
キミはファンキモンキベベーィ!
「進ちゃぁぁん!」
かなりインパクトのある冒頭。
実は昔からこのシーンがトラウマっぽく残っています。
「ファンキー・モンキー・ベイビー」を聴くと、未だに「進ちゃぁぁん!」が頭をよぎります。
でもこの声の主がひし美ゆり子さんだと気がついたのは、ちょっと後のことでして・・・(^_^;)
ひし美さんの大場夫人(それもかなりヒドい女性だったようですが・・・)が殺されて始まる第53話。
準備稿などから起されるノベライズでは、子供(進ちゃん)が母親を発見して、それを隣人が気付くという少々ショッキングな内容でしたが、変更されています。
そこから始まる女性連続殺人。
当時の一係はマカロニの抜けた穴は大きかったと見えて、マカロニの死より今の生活が大事みたいな感じが少々見受けられますが・・・
ただ、それは忙しさの中の見せかけだったというのは、物語が進むにつれ判明します。
神谷署原町派出署勤務・柴田純。
いままでの刑事像を覆す云わばカジュアルぶりなのですが、拳銃より自分の身体能力を武器にするという変わり者。
父親は拳銃を持たないポリシーを持った警官で、その為に犯人に殺される・・・。
実は1話も今回も「拳銃を手にしてしまった若者の末路」を描いています。
マカロニの場合は拳銃に対しての憧れが根っこにありましたが、ジーパンの場合はそれを否定するという正反対の刑事像が描かれます。
マカロニは云わば普通の若者が刑事になってしまった的部分がありましたが、ジーパンは死んだ父が警官で反発しながらそれでも警官になっているという、逆説的実現。
やはり、無名俳優ということだけあって、ジーパン自体を設定で固めた感じがします。
木村という男も、1話の守とは違って相当偏った考えの持主なので、ジーパンのような屈折した前身がなければ、恐らく事件解決は難しかったでしょうね・・・。
誰もノーマークでしたから。
=残された者=
同僚が初めて死んだ、それも犬死・・・ということで相当一係は沈んでいると思いきや、多忙でそれどころではなかったようですが、
後々発覚しますが、そのマカロニの死はかなり一係に傷跡を残していました。
ゴリさんの弾込め。
拳銃さえもっていればマカロニは死ななかったというところから、空砲でならしたゴリさんが拳銃に全弾装着しています。
拳銃を持ちたくないというジーパンにも食ってかかります。
その自分の行動にもゴリさんは迷いがあったようですが、どうもマカロニが死んだこと自体への悔しさを反映させるため「しか」無かったんじゃないかと思います。
ただ、この段階でジーパンが出てきたのはある意味ゴリさんにとっては救いだったと思います。
でも、一係シーンでのゴリさん=竜さんの顔色の悪さと窶れは・・・呑みすぎ(^_^;)
=新しき者=
庶務のクミちゃんも太陽に新味を与えています。
それまでの太陽に無かった明るさと、視聴者の等身大的立場の登場人物の投入は太陽の幅を広げました。
それにしても、あのむさくるしい一係にクミちゃんはやっぱり刺激的・・・。
ジーパンの母・柴田たき。
たきもクミちゃんと同じ役割も持って登場したのではないでしょうか。
ジーパンとの息もバッチリですが、ただ特に肝っ玉が座っている訳ではなく、普通の母親像で描かれています。
そこがミソだったような・・・。
=去りしき者=
南原宏治氏演じる署長が今回で降板。
#37(欠番)で登場し、それ以後ヒール的役割を担っていましたが、今回も凄い恫喝です(^_^;)
でも、確かに一理ある・・・・。
ただ、シンコにはなんであんなにやさしかったんだろう。。。
=ロケ地=
祖師谷3丁目(ウルトラマン商店街)
新宿駅西口周辺~地下街
新宿ゴールデン街(都電跡)
新都心歩道橋
高島屋(新宿?)
新宿副都心
強盗に入られた信金は現新宿ハルク隣あたり。
成城テニスクラブ、建物は現存。
砧2丁目、8丁目
主演:松田優作(柴田純)
助演:竜雷太(石塚誠)
出演:石原裕次郎(藤堂俊介)関根恵子(内田伸子)露口茂(山村精一)下川辰平(野崎太郎)小野寺昭(島公之)
南原宏治(署長)青木英美(永井久美)菅井きん(柴田たき)
ひし美ゆり子(大場清枝)谷岡行二(木村清)木村由貴子(山本の娘)中村竜三郎(?)浅香春彦(テニスクラブ支配人)石井宏明(テニスクラブ常連)鈴木治夫(警官※看守係)藤田漸(改造拳銃男)池田生二(警官※派出署)高橋ひとみ(志村早百合)秋吉久美子(中上貴子)菊池正孝(和田恍彦)松原麻里(※ノンクレジット・貴子の友人)
プロデューサー:岡田晋吉 清水欣也(日本テレビ)梅浦洋一(東宝)
企画:魔久平 脚本:鎌田敏夫
撮影:田端金重 美術:小汲明 照明:隠田紀一 録音:大庭弘
音楽:大野克夫 演奏・井上堯之バンド 編集:神島帰美 整音:坂田通俊
助監督:渡辺拓也 擬斗:宇仁貫三 制作担当者:原雄次郎 現像:東洋製作所 アシスタントプロデューサー:梶山仗祐
協力:国際放映 企画協力:ジャックプロダクション 協力:成城テニスクラブ
監督:高瀬昌弘
制作:東宝株式会社
覆面車:クラウン(70-26)セリカ(57-63)タウナス(32-09)
マカロニの死。
太陽の番組世界の中では収まらず、各方面にセンセーショナルに受け入れられました。
それまでは、「裕次郎&ショーケン」の二枚看板の先進的な刑事ドラマという部分で、学生層に受け入れられていた云わば「流行り」のドラマ、視聴率は全視聴層を反映している訳ではなく、その流行りに乗った視聴者が観ていたという感じだったと思いますが、「看板が消える」それでも番組は続くというあの当時であればあり得ない方向へ向かっていきます。多分、現代の目では『相棒』だって交代劇があったじゃない、大したことないよ・・・という感想をお持ちの方は多いと思いますが、マカロニ→ジーパンの交代劇は、今で例えると・・・渡辺謙氏とキムタク氏がダブル主演のドラマで、キムタク氏が消えて、その後釜に新人を投入する・・・という云わば「無謀」としか言いようのないもの。これを成功させたのは、太陽自体の前身が新人発掘を成功させた「学園モノ」だったという事につきると思います。
俳優的パイオニアは竜さんなのですが、その竜さんのサクセスストーリをプロデュースした岡田&梅浦P氏を筆頭とした太陽制作陣の底力だったと。
さらに発掘されたのが優作さんということも更にどっしりと太陽世界に厚みを与えていますが、でもこの人選も人を観る目があったからこそ。
それに重ねて裕次郎さんはじめとする俳優陣とのコラボで、今考えるとそれほど危なげは無いように見えますが、それは結果論であって、53話が放送された当時は観た人は別として、マスコミはそれほど注目していなかったように感じます。
制作的転換から見れば、ショーケン氏=渡辺企画の括りから外れたためか、本来太陽チームが得意としていた学園モノ的手法が色濃くなってきます。マカロニ編は若者話でも不条理でやるせない、一概には括れない話が多かったですが、ジーパン編からはストレートな青春モノも太陽的毒気を交えながらも描かれていきます。
そして「ジーパン刑事登場!」
新味を加えるという部分で、高瀬監督と鎌田敏夫さんをジーパン一歩目の人物形成に宛てています。
それまでの太陽の流れからすると結構異質に見えるのはその辺りが原因かもしれません。
でも、やはりジーパンというキャラクターと優作さんが強烈に新しさを醸し出している原因であることは間違いありません。
「奴だ!」から始まる「青春のテーマ」も強烈ですが、あの躍動感は正直度を越してます(^_^;)
正直「海を撃て!!ジーパン」の防波堤シーンも傑作なのですが、個人的にはこちらを推してしまいます。
ただ、そのジーパンも躍動感ともう一つ、ボーっとした部分とポリシーを貫く部分と、優作さんが演じたり素がでていたりしますが、ジーパンと優作さんが多分太陽新人刑事中一番シンクロしていると思います。それは初回だけあって少々ぎこちない面も含めて。
いや、今さらですけど、ジーパン=優作さんの眼はいいですね・・・。
キミはファンキモンキベベーィ!
「進ちゃぁぁん!」
かなりインパクトのある冒頭。
実は昔からこのシーンがトラウマっぽく残っています。
「ファンキー・モンキー・ベイビー」を聴くと、未だに「進ちゃぁぁん!」が頭をよぎります。
でもこの声の主がひし美ゆり子さんだと気がついたのは、ちょっと後のことでして・・・(^_^;)
ひし美さんの大場夫人(それもかなりヒドい女性だったようですが・・・)が殺されて始まる第53話。
準備稿などから起されるノベライズでは、子供(進ちゃん)が母親を発見して、それを隣人が気付くという少々ショッキングな内容でしたが、変更されています。
そこから始まる女性連続殺人。
当時の一係はマカロニの抜けた穴は大きかったと見えて、マカロニの死より今の生活が大事みたいな感じが少々見受けられますが・・・
ただ、それは忙しさの中の見せかけだったというのは、物語が進むにつれ判明します。
神谷署原町派出署勤務・柴田純。
いままでの刑事像を覆す云わばカジュアルぶりなのですが、拳銃より自分の身体能力を武器にするという変わり者。
父親は拳銃を持たないポリシーを持った警官で、その為に犯人に殺される・・・。
実は1話も今回も「拳銃を手にしてしまった若者の末路」を描いています。
マカロニの場合は拳銃に対しての憧れが根っこにありましたが、ジーパンの場合はそれを否定するという正反対の刑事像が描かれます。
マカロニは云わば普通の若者が刑事になってしまった的部分がありましたが、ジーパンは死んだ父が警官で反発しながらそれでも警官になっているという、逆説的実現。
やはり、無名俳優ということだけあって、ジーパン自体を設定で固めた感じがします。
木村という男も、1話の守とは違って相当偏った考えの持主なので、ジーパンのような屈折した前身がなければ、恐らく事件解決は難しかったでしょうね・・・。
誰もノーマークでしたから。
=残された者=
同僚が初めて死んだ、それも犬死・・・ということで相当一係は沈んでいると思いきや、多忙でそれどころではなかったようですが、
後々発覚しますが、そのマカロニの死はかなり一係に傷跡を残していました。
ゴリさんの弾込め。
拳銃さえもっていればマカロニは死ななかったというところから、空砲でならしたゴリさんが拳銃に全弾装着しています。
拳銃を持ちたくないというジーパンにも食ってかかります。
その自分の行動にもゴリさんは迷いがあったようですが、どうもマカロニが死んだこと自体への悔しさを反映させるため「しか」無かったんじゃないかと思います。
ただ、この段階でジーパンが出てきたのはある意味ゴリさんにとっては救いだったと思います。
でも、一係シーンでのゴリさん=竜さんの顔色の悪さと窶れは・・・呑みすぎ(^_^;)
=新しき者=
庶務のクミちゃんも太陽に新味を与えています。
それまでの太陽に無かった明るさと、視聴者の等身大的立場の登場人物の投入は太陽の幅を広げました。
それにしても、あのむさくるしい一係にクミちゃんはやっぱり刺激的・・・。
ジーパンの母・柴田たき。
たきもクミちゃんと同じ役割も持って登場したのではないでしょうか。
ジーパンとの息もバッチリですが、ただ特に肝っ玉が座っている訳ではなく、普通の母親像で描かれています。
そこがミソだったような・・・。
=去りしき者=
南原宏治氏演じる署長が今回で降板。
#37(欠番)で登場し、それ以後ヒール的役割を担っていましたが、今回も凄い恫喝です(^_^;)
でも、確かに一理ある・・・・。
ただ、シンコにはなんであんなにやさしかったんだろう。。。
=ロケ地=
祖師谷3丁目(ウルトラマン商店街)
新宿駅西口周辺~地下街
新宿ゴールデン街(都電跡)
新都心歩道橋
高島屋(新宿?)
新宿副都心
強盗に入られた信金は現新宿ハルク隣あたり。
成城テニスクラブ、建物は現存。
砧2丁目、8丁目