隊長が、これまでに鑑賞した「映画 」を紹介するシリーズの第201作品目は、『遥かなる大地へ』をお送りします。
『遥かなる大地へ』(原題:Far and Away) は、1992年5月(日本公開:同年7月)に公開されたアメリカ映画です。製作会社:イマジン・エンターテインメント(Imagine Entertainment)。上映時間:140分。
監督は、ロン・ハワード(Ron Howard)。
ロン・ハワード監督作品は、2006年公開 『ダ・ヴィンチ・コード』 、
2009年 『天使と悪魔』 、
2016年 『インフェルノ』 の、三作品を取り上げています。
脚本:ボブ・ドルマン(Bob Dolman)。
主題歌:エンヤ (Enya)「BOOK OF DAYS」。
主演は、トム・クルーズ (Tom Cruise)と、ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)。
トム・クルーズは、これまでに40作品以上の映画に出演していますが、その内、「隊長のブログ」では、これで25本を紹介したことになります。詳細はこちらの記事一覧を、ご参照下さい 。
ニコール・キッドマンの出演作品は、2001年 『ムーラン・ルージュ』 を、取り上げています。
共演者:スティーブン・チェイス、ロバート・プロスキー、バーバラ・バブコック、コルム・ミーニイ、ほか。
あらすじ:物語の始まりは、1892年の西アイルランド。土地の所有権をめぐり、横暴な地主に父を殺された小作人のジョセフ(トム・クルーズ)。
復讐を誓い、屋敷に忍び込んだ彼は、そこで地主の娘シャノン(ニコール・キッドマン)と出逢います。両親(ロバート・プロスキー、バーバラ・バブコック)と婚約者(スティーブン・チェイス)のもとから逃げ出そうと考えていたシャノンに、アメリカのオクラホマでは土地がただで手に入ることを教えられたジョセフは、彼女と一緒にアメリカへ旅立つことになります。
二人は新天地への夢をふくらませ、ボストン行きの船 に乗り込みますが、船中でシャノンが詐欺に遭い、無一文になってしまいます。しかしこれは、彼らが現実の厳しさを味わう、単なる序章に過ぎませんでした。。。
感想:アメリカ合衆国開拓時代の1880年代後半から1890年代前半にかけて、オクラホマ(Oklahoma)で実際にあったランドラッシュ (Land Rush), ランドラン(Land Run)と呼ばれた白人の入植騒動をベースに、ボブ・ドルマン脚本による壮大なスケールの大河ロマンです。
描き方によれば、駄作となりかねない物語を、名匠 ロン・ハワードが見事な映画作品に造り上げています。
主人公に、撮影当時29歳のトム・クルーズと、24歳のニコール・キッドマンを起用したキャスティングも見事にはまっています。二人は、自由を求めてアイルランドから渡ってきた、血気盛んな若い男女を好演しています。
恋愛ドラマとしても、結婚してから初の共演となったトム・クルーズと、ニコール・キッドマンが、息の合った演技で魅せてくれます。
アイルランドの厳しい自然や、オハイオの大自然を捉えたカメラワ-クが見事です。また、ラストの・シーンでのクライマックスを飾るランドラン(土地獲得レース)のスペクタクル・シーンも迫力がありました。
ランドランでの乗馬姿など、トムクルーズのアクション・シーンは、さすがと思わせるものがありました。
一番印象に残るのは、オープニング直後の、亡くなったジョセフの父親が入った粗末な棺桶を、兄弟らが担いでの葬列の行進シーンです。バックに映る如何にも寒々としたアイルランドの荒れた海、そして貧しい身なりの行進者たちと粗末な家。自由で豊かなアメリカ大陸に行こうと思うのも当然だと思ってしまいました。
そして、夢と希望の国と思って渡った、アメリカでの惨めな現実。この現実を描くことは、物語展開上、必然だったでしょうね。
アイルランド出身の歌姫・エンヤの主題歌「BOOK OF DAYS」は、この映画にテーマにぴったしで、大ヒットを記録したのもわかります。
二人の周りの人間は、みな悪人か心の貧しい人々なのですが、地主のダニエルが意外とお人好しだったのには、救われました。
ラストシーンで、ジョセフが死んでしまい、このまま終わってしまうかと思わせておいて、ジョセフが意識を回復し、シャノンと一緒になることが出来、ハッピーエンドで終わり、安心しました。父親が亡くなるシーンでも一度は息を吹き返していて、まさか、その時点でラストの蘇りを仕込んでいたとは、知りませんでした。
唯一、不満だったのは、2時間20分と長編だったため、冗漫と思えるシーンも見かけられたことです。2時間とは言いませんが、2時間10分くらいに縮め、ストーリーにスピード感を持たせてほしかったと思いました。
最後になりますが、これまでに、「映画」の記事の中で、外国映画の邦題(日本語タイトル)の付け方の良い作品と、悪い作品を挙げていて、それを一覧にしています が、本作は良い例だと思います。
原題の「Far and Away」を直訳すると、“はるかに” ですが、『遥かなる大地へ』とすることで、遥か遠くにある豊かなアメリカの大地をイメージすることが出来ます。この邦題自体が、本作品を観る前から想像力を膨らませることが出来る力を持っているのでしょうね。
==「映画」バックナンバー =
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/226e9f0193a60e6a012384176360666f
Film1~190 省略
Film191 2020/8/25 『海街diary』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7b8dc81044ecbe3662e1bbfe2e6c44bb
Film192 2020/8/29 『TAXI NY』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/616b0ac53c47ef54b3f736b3bf58636d
Film193 2020/9/2 『コンフィデンスマンJP ロマンス編』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a8cc3cb1c692eb2e3b9e3723e5ceff09
Film194 2020/9/6 『丹下左膳 百万両の壺』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/818aa36c7c3ddd1a5a14ee202444b041
Film195 2020/9/9 『ハドソン川の奇跡』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/db3e0cf65676ba73bd806f07850a5ea5
Film196 2020/9/13 『グリーンマイル』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/876a4508199a8cf4d0832c063b02d670
Film197 2020/9/15 『チィファの手紙』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a2928d17c0dab4ca2d5b48fdd62f7bf8
Film198 2020/9/19 『夕陽のガンマン』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f1448b241b34eb39c42b9f97bdd98095
Film199 2020/9/23 『助太刀屋助六』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/aedb38fd6db9e282b364c163bd5dcfc5
番外編 2020/9/27 『訃報:竹内結子さん』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/05c749f8671fc7fb48c90ad928072528
Film200 2020/10/1 『マッドマックス』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e6870d95eef84dd873c6a5e7b354e3c1