桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

開聞岳①

2006-12-10 20:49:42 | 旅行記

深田久弥「日本百名山」の中で、標高が1,000m未満の山が二つだけある。低い方から三番目が1,500mほどあるのだから、その二つがいかに低いかがわかる。

二つの山とは筑波山と開聞岳である。筑波山は6年間を暮らしたつくばの北側に聳え、目に親しんできた山で、一度はロープウェーを使って登頂もした。

もう一つの開聞岳も、そのユニークかつ見事な山容はテレビなどでもよく知っていて、いつか登ってみたいと思っていたが、その位置する鹿児島はあまりに遠すぎた。

このたび、縁あって2泊3日で鹿児島を訪れることになった。と言うより、鹿児島に、開聞岳も含めた行ってみたいところがいくつもできたため、安い航空券を使って出かけてみたのであった。

開聞岳は日本百名山にも入っており、また標高も低く、観光地にも近いため、休日はたくさんの登山客でにぎわうと耳にしたので、私はホテルを7時前に出て、一路枕崎方面を目指して車を飛ばした。

有料道路を下り、しばらく丘陵地を走り続けていた時、あるカーブを曲がりきるといきなり目の前に開聞岳が姿を現したのだった。全く意表を突く開聞岳の現れ方であった。そして開聞岳は、標高1,000mに満たない山とは思えない秀麗な姿を、重なる山々の向こうに聳えさせていた。

私はすっかり嬉しくなってしまった。そして、西の空から雲が少しずつわいているのを見つけ、これは急いで登らなくてはいけないと思い、車を急がせた。

丘陵地が終わる手前で、目の前に大きな湖水が表れた。池田湖である。池田湖の向こうに低い山並みが続き、開聞岳はさらにその向こうにすっくと立っている。池田湖と開聞岳の絶妙な取り合わせ。湖畔に菜の花の咲く時期はさぞかし見事な眺めであろうと思われた。

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