桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

登山の記20・トムラウシ①

2006-04-01 21:43:27 | 旅行記

トムラウシの名前を聞いたのは、確か学生生活最後の年、礼文島は星観荘でのことであった。一緒にコースを歩いたS間さんが、花のきれいなところとしてその名を挙げていたのである。しかし、私はその名は初耳で、北海道のどこかにあることはわかったのだが、具体的にどこなのかは知らなかった。と言うより、地理には詳しいつもりでいた私が知らない地名が出てきたのが、ちょっと悔しかった。

旅の後調べてみると、トムラウシ山という山が、大雪連峰と十勝連峰の中間の、北海道の最奥部にあるということを知った。そしてその年の秋、紅葉の大切に登った時、白雲岳の山頂から南に、三つのピークを連ねたトムラウシの姿を初めて認めたのであった。

後に読んだ「日本百名山」において、深田久弥は十勝岳からトムラウシを眺め、「あれに登らねばならぬ、私はそう決心した。」と、登山意欲をかき立てられたことを述べている。しかし、私がトムラウシを眺めた時は、それはそれは遠く遙かな山で、とても自分の力では登れまいという思いであった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 登山の記19・羊蹄山② | トップ | 登山の記21・トムラウシ② »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

旅行記」カテゴリの最新記事