ネットで朝日岳(大朝日岳)に日帰りで往復できるかどうか調べてみたところ、どっやら健脚であれば8~9時間で可能であるとわかったので、出かけることに決めました。
朝6時に目覚めてみるといい天気!早々に準備と朝食を済ませ、7時過ぎに出発しました。 登山口の古寺鉱泉までの道は長く狭く大変でした。駐車場もほぼいっぱいでしたが、かろうじて1台停められたので、すぐに準備をして早々に出発しました。車の横には水場があります。
最初は尾根筋に取り付くまでのきつい登りです。しかも今日は朝から気温が高い!汗を防止するために頭に巻いている手ぬぐいがぬれていくのがわかります。 尾根筋に出ると、後はアップダウンを繰り返しながら高度をかせいでいきます。尾根筋なので、時折木々の間から風が吹いてくるのが心地いい!
歩きながら気づいたのですが、このあたりは大豪雪地帯で、山々には雪崩の跡が生々しく残っています。そのため植林が行えず、山々は自然のままに木々が立ち並んでいるのです。このような経験は北海道でしか経験していなかったので、本州の山では新鮮でした。
また、この山は火山でないために水が豊富で、ちょうどよい頃合いのところに水場があるのです。アルプスの山や火山の山では水の心配をしなくてはいけないのですが、この山は事前にそのことを調べてあったので、心配せず登れました。
2時間ほどきつい登りを我慢しつつ登ります。そして古寺山の山頂に到着しました。目の前にこれから登る大朝日岳が聳えています。少し雲は出始めましたが、問題はありません。
小朝日岳は登頂せず、エスケープルートをとりました。ここもきつく、途中こらえきれずにリュックからクッキーを一枚取り出し食べました。このクッキーは夕べホテルの近くのコンビニでなんとなく買っておいたものですが(普段は甘すぎるので買わない)、これがまさかこんな形で役立つとは思いもかけませんでした。これを食べなかったら、登頂できなかったかもしれません。
これを過ぎると登山道は大朝日岳への尾根筋に出ます。ここから山頂までの道がすばらしかった!目の前に大朝日岳が聳え、それを眺めながら少しずつ山頂に近づいていくのです。尾根筋ですから風も心地よく吹き過ぎていきます。
豪雪地帯らしく雪渓も残っており、その跡の雪田にはまだチングルマなどの高山植物も咲いています。これらを見ながら登り、山頂直下の避難小屋に到着しました。
ここからが最後の登りですが、最後のひと踏ん張りということで力を振り絞って登っていき、何とか到着しました。山頂には無数のトンボが乱舞しており、ちょっと不思議な光景でした。
それにしても周囲は山ばかり。人工物は遠くに道路とひとつの建物が小さく見えるだけです。大朝日岳がいかに山深いところにあるかが実感できます。また、四方の山々に登山道が続いており、縦走する人もあると思われました。
昼食と写真撮影を済ませ、20分ほど滞在してすぐ下山しました。雷の予報が出ていたからです。
ここから不思議な感覚を味わいました。俺は実は登りよりも下りが苦手なのです。鹿島槍に登った時は、最後の下りでコースタイムオーバーという失態を演じてしまったくらいです。今日の下りも、途中にかなりのアップダウンがあり、これはひょっとするとかなりバテて足にも疲れや痛みがくるんじゃないかと危惧されたのです。
ところが、それが今日はほとんど感じられなかったのです。もちろん水場がいくつもあって、その都度休んで水分を補給したこともあると思うのですが、途中一番登りが続くところで、何と登りの時と同じくらいのペースで、しかもほとんど休まずに登りきれたのです!これはほとんど脅威でした。かつて知人に勧められ、試しに今日登る前に飲んでおいたバームの力がまさにここで発揮されたものと見えます。
あとは来た道をひたすら戻るばかりでしたが、登山口に戻ってからも、いつも感じる足の裏、ひざ、足の付け根の軽い痛み、全身のバテバテ感をほとんど感じませんでした。 まったく不思議です。
そうしたことは別にして、朝日岳登山そのものは、天気も眺めもよくいい登山だったと思います。そして何より、登山ツアーの人達がまったくいなかった(お盆でチケット等が高いためでしょう)ことが、その良さをより強調してくれたように思います。そう言えば、鹿島槍もそうだったように思います。
8:28登山開始
11:58山頂到着(登り3時間半・コースタイムは5時間)
12:18山頂出発
15:23登山口到着(下り3時間ちょっと〈ただし途中稜線で携帯で10分ほど話した時間を含む〉・コースタイムは4時間半。)
本来のコースタイムは9時間半なのですが、俺は昼食と電話の時間を別にすると、6時間半で往復してきたわけです。そんなに急いだつもりはないのですがね。。。