桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

岩手山・八幡平

2008-08-19 19:45:41 | 旅行記

東北地方にある日本百名山に数えられる山々に登りに来ました。特に岩手山は、石川啄木や宮澤賢治と関わりのある山として、岩手山の麓の盛岡市同様、日本百名山の麓にある県庁所在地の前橋に生まれ育った者として、岩手山にはいつか登ってみたいと思っていました。またかつて列車で北海道へ旅した時、盛岡周辺で、左側の車窓に聳える岩手山を目にしていたのも、そうした思いにつながっていたのでしょう。

盛岡で宿泊したホテルで目が覚めると曇りでした。岩手山は諦めようかな、と思ったのですが、天気予報では、東北北部は晴れとのことで、なかなかこっちまでは来られないので、思い切って登ることにしました。馬返しの登山口からは全く山の姿は見えないのですが、空は高曇りで、山肌に雲が湧き上がっている感じです。ひょっとすると山の上は天気が良いかも知れないと思われたので、改めて登頂を決意しました。

コースタイムは4時間半となっています。7合目までは樹林帯をひたすら登ります。これが辛かった!ひたすら登りである上に、樹林帯なので風が吹きません。汗が滝のようで、いつも頭にかぶっている手ぬぐいはすぐに汗でぬれて雫が滴るほどでした。山の麓は自衛隊の演習場で、今日はちょうど砲撃演習をやっているようで、時折銃砲の音がこだまし、その都度びくっとしてしまうのは困りものでした。

途中雲の切れ間から青空がのぞき、これは結構良い天気になるんじゃないかと期待が高まります。7合目で雲の上に出、山頂のある薬師岳の姿がくっきりと見えた時は嬉しくなり、登って良かったと思いました。

山頂までは心地よい風が吹く快適な稜線歩きでした。山頂は噴火口のへりにあります。土曜日で、しかも岩手山は日本百名山に入っているというのに、人はあまり多くなく、いつも百名山の山々の山頂で感じる、百名山ハンターの中高年の登山客に対する不快感を、今日は珍しく感じませんでした。天気もまずまずだったので、写真を写したりしてのんびり30分ほど休憩を取りました。登りのコースタイムは3時間15分。我ながら上々です。

私が登ってきた登山道は、途中で新道と旧道に分かれており、登りは新道を通ったので、下りは旧道を通りました。これが正解。火山特有の(岩手山は活火山です。山のあちこちから水蒸気が上がっています。登山道もそういう場所の横を通っていました。)ざらざらじた砂の道で、ひどく歩きにくかったのですが、新道と違って木がほとんど生えていないために風通しがよく、汗をかいた肌に風がとても心地よかったです。下りのコースタイムは2時間40分。下りの苦手な私にしてはやはり上々です。

岩手山はの前述の通り、ぜひ一度登ってみたい山でしたが、個人的な感想としては北海道の羊蹄山などと同じく、登りも下りも山頂からの眺めも単調で、一度登ったらもういいかな、という感じでした。

麓に着いたらまだ14時前だったので、思い立って同じく日本百名山に入っている八幡平へ行くことにしました。ここは山頂近くまで車で行け、わずか10分ほどで登頂できるのです。せっかく近くまで来ているので、行くに越したことはありません。とりあえず麓の町にある日帰り温泉で汗を流し、八幡平へ向かいました。

晴れならば素晴らしい眺めが楽しめるであろう高原の道をすいすいと車で飛ばし、山頂下の駐車場に車を停め、予定通り歩いて10分で登頂。こんな簡単な山はありません。 山頂を示す木柱の前で写真を写し、あっけなく登山は終わりました。

コメント
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