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桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

霧島山・韓国岳

2006-12-06 19:32:56 | 旅行記

鹿児島には、訪れたところがいくつもあった。今回機会を得て訪れることになり、霧島山(韓国岳は宮崎)、開聞岳に登ってきた。

鹿児島空港に降り立つと、東側に霧島連山が並んでいるのが見えた。韓国岳のおおらかな山容、昭和に入って大噴火した新燃岳、そして神が降臨した山・高千穂峰が北から順に並んでいる。私は連山で最高峰の韓国岳に登ることにしていた。

車で一時間ほど走ると、韓国岳の東側にある硫黄山の登山口に着いた。空は青く澄み渡っており、天気に恵まれての登山が期待できた。それにしても寒い。南国とはいえ、やはり冬の山である。寒さ対策にカッパを羽織って登りはじめた。

登山道のあちこちに霜柱が残っており、ざくざくと踏みしめながら登っていく。高度が上がるにつれ、えびの高原の名前のもとになったススキの原が広々と見渡される。

しばらくすると、大浪池が見え、さらにその遙か向こうに桜島と大箆柄岳(おおのがらだけ・私は初め屋久島ではないかと勘違いした)が聳えているのが見える。鹿児島湾の海が輝いている。

眺め下ろせる霧島の山々はどれも皆同じような山容である。火山でありながら、富士山のような成層火山の形ではなく、どの山も皆山頂に大きな火口か、その後である平地がある。今登っている最高峰・韓国岳からしてそうである。連山で唯一、鋭い山容を持つ高千穂峰ですら、山頂の両脇に二つの大きな火口を持っている。同じ九州の火山でありながら、桜島や阿蘇山、九重山とは全く違った山容なのは面白い。

それにしてもやはり寒い。樹林帯を抜けると、カッパを脱げなくなった。眺めは見事だが、体を冷やして風邪でも引くと、この後の日程に支障を来すので、足を速めた。

1時間ちょっとで山頂に着いた。山頂からは、空港から見えた高千穂峰、新燃岳が眺め下ろせた。新燃岳は噴火の後も生々しく、山腹から蒸気も立ち上っていた。桜島や大箆柄岳、大浪池も同じく眺められた。私がこれまで登ってきた山からは、必ず見たことがあったり、登ったことがあったりする山が見えたが、この韓国岳から見えるのは、いずれもこれまでに見たことも登ったこともない山で、実に新鮮であった。振り返るとそこには巨大な火口がぽっかりと口を開けていた。これだけの火口を作った噴火の大きさと、噴火しなかった場合の韓国岳の標高を思った。

寒さのあまり、写真を写して早々に下山した。コースタイムは都合2時間であった。霧島温泉で汗を流し、鹿児島市内に向かった。