はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

宝永山

2013-08-28 09:42:23 | 低山歩き
余りの猛暑続きで遠出する気にもなれず近回り専門でしたが、そろそろ夏休みも終盤なので孫を連れて
富士山の御殿庭を歩いてこようと孫に声を掛けました。
ところが「夏休みの宿題がまだ終わっていない」とつれなく母親である娘に断られてしまいました。
一人で行くとなると御殿庭だけではもったない。それでは水ヶ塚まで車で行って、そこからシャトルバスで
富士宮新5合目まで行く、その後は
富士宮新5合目 - 宝永山 - 大砂走り - 御殿場2合8勺 - 御殿庭 - 幕岩 - 御胎内
-水ヶ塚 と、水ヶ塚から5合目までシャトルバスが出ているこの時季ならではの計画をたてました。

27日午前3時に家を出て十里木経由で水ヶ塚に着いたのが5時10分。5合目行の始発のシャトルバスは
6時なのに随分早い到着になってしまった。
駐車場は広くて把握しにくいが、駐車場の中は1/4か1/5しか車は停まっていなかった。
駐車代金は24時間で千円。我が藤枝駅前の駐車場は24時間で800円程度。こんな山の中で千円とは
安いのか高いのか? 
バスは6時の始発のあとは30分間隔で最終が22時。料金は片道1120円で往復だと1300円と随分割安と
なっている。これはきっと行きは急な登り坂で燃費が掛かるので高くなっている。と思ったが、いや違う。
3年前の海から剣ヶ峰で新5合目から水ヶ塚までバスに乗ったが、その時の片道料金も高かった。
バス料金は国交省の認可が必要だろうが、こんなに格差があってよく認可されたものだと腹が立つ。
もっともこの腹立ちは、往復券を買う時は儲かったとほくそ笑む程度の腹立ちだったが。

バスの中で富士山エコボランティアの人が富士登山の注意事項を説明してくれた。
・ゴミは捨てない。物は落とさない忘れない。
・登山は登り優先だが渋滞するヶ所ではお互い譲り合って。
・登山道外に出ない。・トイレは有料トイレを利用する。
など常識的なものが多かったが、初めて登山する人もいるので良い試みだと思った。
その中でこんな話もあった。
・最近は金剛杖でなくストックを使う人が多くなったが、ストックの先には必ずゴムを付けてください。
 年間30万人も登る富士山は、あの尖った金属で突っつかれ悲鳴をあげています。
私は富士山は四国遍路のとき使った金剛杖を使用しているが(今日はストック)低山歩きではストックを
使っている。以前ストックの先のゴムが無くなり、尖った金属剥き出しで使った事があるが、
その尖った先が土の中に刺さってしまい、抜くのが面倒だったり、舗装道路では「カツ・カツ」と音がして
うるさかったのを覚えている。
なのにゴムを付けないでストック使っている人は、何のメリットを感じているのだろう?
岩場で狭い窪みに差し込むことができるからなのか?

6時30分に5合目に到着。水ヶ塚から歩けば4時間以上かかるのに、たったの30分。
1120円は高くはなかった。かな。

 新5合目にある「富士山総合指導センター」の前に係員が立っていたので
「今年の富士宮口の登山者は多いのですか」と聞いてみると
「今年は非常に多いですよ」と意外な返事が返ってきた。
実は今年の富士登山者数について7月に朝日新聞ではこんな風に報道をしていた。
「世界遺産効果 静岡側登山口に」として、例年より登山者が増えた割合が一番多かったのが
須走口で、次いで御殿場口、富士宮口となり吉田口の増加率は一番少なかった。
記事ではその原因として「混雑をする吉田口が敬遠された模様」と書いてあった。

それが最近掲載された「富士山探訪」という登山家のコラムには「平日の朝はガラガラ」の大見出しで
「「水ヶ塚駐車場はガラガラで、朝一番のシャトルバスの乗客もまばらです。
「今年は、登山客は少ないですよ」と5合目の富士山総合指導センターの係員から聞きました。
増えているのはご来光を望む夜間登山で、東京から近い吉田口に集中しているのかもしれません」

と書いてあった。
記事とコラムでは違うのかもしれないが、同じ新聞紙上に載せるならもう少し検証すべきだと感じた。

それが同じ富士山総合指導センターの係員が今度は「多い」と言っている。
質問の仕方が悪かったと思い、新聞に掲載されていた事を説明すると今度は
「まだ集計は出ていないが、この5合目に観光バスなどで訪れる観光客は増加しました。
だけど山小屋の人の話では登山者数は減ったと言っている」
との事だった。
これは勘ぐれば、7月に出た「世界遺産効果 静岡側登山口に」の記事で、吉田口を避けた
登山者が、また吉田口に戻ったのではないのだろうか。
だが最近の記事で「今年の夏山シーズンに、山梨県側の富士山6合目以上に登った人が23日20万人を
突破した。これは昨年より2日遅く、過去最多の登山者数だった2010年より3日遅い」
と載っていた。
こうなると何が本当なのか分からなくなる。

係員との話題が入山料になり、私が「来年から宝永山も入山料を払うのですか」と聞くと
「まだ何も決まっていないが、宝永山や5合目に来た人からは貰わない案もある」 と言う。
この話は海から剣ヶ峰で泊まった時の山小屋の人も心配していて
「県は山頂に登る人からだけ入山料を取るらしい」と言っていた。それに対し私は
「じゃ8合目に登ると言って山頂に行った人や、山頂に行く予定で途中で断念した人はどうなるの、
だいたい8合目から上は県のものではなく浅間大社のものなのに、そこに入ったからといって入場料を
取る資格が県には有るのかな」
などと言ってしまった。
実はこの話を海から剣ヶ峰では紹介しなかったのは、幾らなんでもこれは山小屋の人の勘違いだと
思ったからだが、いまこのセンター人の話を聞くと満更山小屋の人の勘違いでもなさそうだ。

私の個人的考えでは入山料は富士山スカイライの登山区間以上に入る人からは全て取るべきと思う。
登山区間の道路の維持管理費、あるいは道路沿いで起きる風倒木の対策費も必要だし、私のように
御殿庭を歩く場合でも山道の維持費が必要だ。
ただ問題はどのようにして入山料を徴収するかの問題はあるが----
いずれにしろ入山料は取る事は決まっているが、まだその方法などは白紙の状態なのだから、一部の
人間で決めるのではなく、広く意見を求めるべきだと思う。
そうそう意見と言えば「静岡と山梨県民は県民税を払い、登山道などの保全をしてきたのだから
入山料は無料にすべきだ」
と言う意見を聞いた時は、思わずニヤリとしてしまった。
確かに一理はある意見だと思った。

 
      5合目の看板                    雨だったせいか植物が勢いよく見える

まだ歩き出す前からダラダラ長くなってしまった。
明方まで残っていた雨も今はすっかり晴れて気持ちの良い登山日和になりそうだ。