はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

疲れ果てた高山・竜爪山 2

2011-10-10 17:59:16 | 低山歩き
一日経った今日は腰の痛みはなくなり、少し脹脛が痛いだけになりました。 本来なら今日は伊豆方面に出かける予定でしたが、妻の目が恐ろしく「チョット出かけてくる」とは言えません。 それで昨日の続きを書き始めました  ----------------------------------------------------------------   苦労して上り詰めた高山の山頂は---------             高山山頂(836m)  林の中に三角点と山頂名が表示されているだけの寂しい山頂だった。 景色は------ ゼロ 見えるのは植林された木の肌だけ。いや微かに紅白の鉄塔の土台も木の間に見えていた。 柏尾峠から2時間半かけて登ったご褒美がこれでは情けない。登る人が少ないはずだと納得できた。 今日は秋の3連休で絶好の行楽日和なのに、一本松を出てからは誰にも会っていない。 登る人が少ないから道の整備をしないのか、道が整備されていないから登る人が少ないのか分らないが、私はもう二度と高山には来たくない。  時間は12時。予定ではここから山原中継所への分岐まで引き返し、山原に向う予定だった。だがさっきの道を下る自信もやる気も無くなってしまったので違うルートにしたいのだが------ 山頂の標識には南に吉原、北に穂積神社の標識がある。吉原の地名は知らないが多分清水の北の名だろう。とすると今来た道と同じような森林の中の急な下り坂だと思われる。 一方穂積神社は竜爪山の神社で、神社までは麓から林道やハイキングコースもあると聞いている。それなら迷うことなく行き先は穂積神社だ。 だが問題はそこまでどの位掛かるか分らない事だ。来る途中梶原山から見た感じでは高山と竜爪山の間は平らな尾根で繫がり、それほどの急坂は無さそうに見えた。それなら神社まで2時間、神社から麓まで2時間として、急いでここを出発すれば4時半ごろには麓に着けそうだ。 一度そう思い出すとユックリ食事をする気もなくなり慌しい出発になった。  高山からの正規な道はハッキリしていて迷う心配はない。少し下るとロープやテープを張り巡らした所に出た。そこが先ほど途中で引き返した道の続きとの合流場所だった。 山頂から10分ほど下ると林道と出合った。そこには高山登山口とあり、高山山頂まで20分と書いてある。なるほど高山から道がハッキリしていたのは、ここから歩く人がいるからかと納得できた。しかし私は例え20分でも登る気は起きないだろう。              登山口にあった案内図を見て、この林道は静岡の平山と興津を結んだ「林道炭焼平山線」という事も分った。更に穂積神社に行くには、この林道のほかに帆掛山経由で行く山道もあった。そこは途中には富士山のビューポイントや樅や杉の大木もあるらしい。 林道と案内板を見て元気を取り戻した私は当然富士山のビューポイントある山道を進んだ。  登山口から数分の所に人だかりがしていた。カメラや双眼鏡の三脚が林立している。何だろう?何を見ているのだろうか、今日は遠くは曇っていて富士山は見えていない。 「何を見ているのですか?」と聞いてみると 「鷹です。鷹の渡りを見ています」との事だった。 渡り?鷹って留鳥じゃあなかったけ、と思ったのはその場所を離れてからだった。 後で鷹の渡りを調べると 「野鳥は餌の多いところに行って繁殖し、その繁殖地と越冬地の間を定期的に行き来することを「渡り」と言い、移動する経路を「渡りのルート」と言っています」 更にここの林道平山炭焼線の富士見台は渡りの観察地として載っていた。 鷹は留鳥だが繁殖地と越冬地が違うらしい。だがこれから越冬地に向うのか? それともここは越冬地で繁殖地から飛んできているのか分らなかった。アー聞けば良かったな。  帆掛山も景観の利かない林の中の山頂だった。ただ高山からの道はハッキリして歩きやすい道だ。高山から帆掛山まで50分で来れたので、これならこの先は10分も歩けば神社に着くだろう。 気持ちに余裕が出来たからか、余計に道が歩きやすく感じてきた。案内図にあったように杉や樅の大木も出て来た。もう穂積神社は近いだろう。               穂積神社  穂積神社に13時20分到着。予想より30分以上早い。ここからは東海自然歩道になるので案内板が幾つも立っている。それによると神社から竜爪山の東にある薬師岳まで60分。その横の文殊岳まで20分となっていて、帰りは神社までが65分となっていた。 合計2時間30分とすると今から行けば3時半までには神社まで帰ってこれる。神社から麓の平山まで1時間30分として5時までには平山に帰り着くことが出来る。 迷った末ともかく最初の薬師岳までは行ってみる事にした。  やはり東海自然歩道の竜爪山だけのことはあり、一本松からずっと会わなかったハイカーにもすれ違うようになった。その中の一人に神社から平山までの帰りの道の事を聞くと「道はしっかりしていて1時間ぐらいで着く」と分った。これで安心だ。ついでに案内板にあった文殊岳から測沢への下り道の事を聞くと、「以前は側沢からの道がメインだったが最近は歩いた事はない」と言う事だった。  薬師岳へは急な登りになると鉄製の階段が付いていた。最初は一時的に付けた物と思ったら延々と鉄の階段が続く。山の傾斜に合わせて階段の巾が高くなったり低くなったりしている。階段の横にはしっかりした手摺が着いているので登りやすくて助かった。階段も中々辛いものがあるが急な道を直登するよりは全然良い。(写真をアップしようと思ったら写してなかった。大変で写真まで気が回らなかったのか)             薬師岳山頂(1051m)  薬師岳に神社から案内板より20分早く到着。ここもまた視界の利かない山頂だったので写真を1枚写して次の文殊岳に向かう。薬師岳の登りではすれ違ったハイカーにも会わなくなった。           文殊岳山頂(1041m)  薬師から10分で文殊岳に到着。林の中で暗かった道も西側が開けて急に明るくなった。景色は静岡の町並みや駿河湾が見えるが、西日が強くボンヤリしか見えない。だがここまで来ると建物も小さく景色としては標高の低い梶原山の方が素敵だと思う。富士山は残念ながら見えない。いえ曇っているから見えないでなく地理的に見えそうもなかった。 少し休んでいると寒くなってきた。さすが標高1000mの事はあり、陽は射しているが動いていないと寒くなる。早々に次ぎの決断をした。 山頂の標識を見ると東海自然歩道は次の経由地牛妻まで125分としてある。牛妻は安倍川沿いのでバスの便もある。そこへと2時間なら4時半には着く。今来た道を引き返して平山に出るより早そうだと早速歩き出す。  山頂から10分ほど下った所に測沢への分岐点があった。ライオンズクラブの立てた案内図もあり、それには測沢までの時間は書いてないが、道ははるかに測沢のほうが短く感じる。もっともこの案内図は略図なので参考程度にしかならないが、昨夜見た地図でも測沢の方が近かった気がする。 またここで迷う。このまま牛妻に行くより測沢に出たほうが速そうだし、道は踏み跡も深くしっかりした道だ。そこで今日何度目かの変心をして測沢への道を下り始める。  下りが始まると下りばかりの道が続くが、途中には鳥兜の花が咲いていたり、小さな沢を越えたりする山道で時間の余裕さえあれば楽しい道だろう。と思う間もなく「山道崩壊のため迂回路← 自己責任で通行願います」と貼紙がしてあった。 山頂から既に30分以上は下ってきている。この急な道を昇るとなる多1時間以上掛かりそうだ。そうなると麓へ着くまでに日が暮れてしまいそうだ。さてどうしよう。 迂回路の先を見ると安全の為のロープが張ってあるのが見える。それに本当に危険なら、こんな現地に貼紙をするのではなく、先ほどの分岐点に貼ってあるはずだ。どだい山は自己責任の世界なのは言われなくても承知している。と勝手な理屈をつけて迂回路に入っていった。 迂回路はロープの色などで判断するとここ1・2年に崩壊したのでは無さそうだ。また崩壊現場と思われる所はすぐ過ぎたが、その後も滑りそうな場所にはロープが張ってあったので何の不安も無く通る事が出来た。ただそれは今が明るいからで、これが薄暗くなると足元が見えず危険です。若しこのルートを歩くなら明るい時に歩くようにして下さい。  左前方に林道が見えてきた。まだ山頂から45分しか歩いていないのに思ったより早く林道に着いた。と思ったら山道は林道には行かず、そのまま林の中を下っていく。道しるべもあったので、林道を下るより山道の方が直線で速かろうとそのまま山道を下る事にした。 だがそこからが長かった。蜘蛛の巣、雑草、分りづらい道と高山への道と同じような道になってしまい、一度林道を見て緩んでしまった気持ちは中々持ち上がらなかった。おかげでさっきの林道に出なかった事を何度も後悔してしまった。 山頂では寒くなったのに、また汗ビッショリになった頃、ようやく山道が終り林道に出た。時間は4時だから山頂から1時間30分掛かった事になる。厄介な山道はこうして終った。  測沢のバスの停留所で時間を見ると、次のバスは5時20分になっている。ここで1時間以上座っていえていても仕方ないと車道を歩き出した。実は測沢の停留所で見たGPSの距離がたったの17kmしかなく少々ショックを感じていた。時々歩く河川敷では2時間も歩けば12kmは歩く事が出来るのが、それが今日は9時間経っているの経ったの17kmとは----- もう少し距離を稼がないと。そんな気持ちも正直あった。  17時40分先週梶原山から下ってきた瀬名のJAに着く。この辺りは静岡駅行きのバスは頻繁に出ているが歩行距離が短いので、心の中は草薙駅まで歩く気になっている。 段々暗くなってきた道を更に草薙に向けて歩いて行く。 草薙駅に18時30分到着、歩行距離(GPS)28.5km、歩数42900歩、歩行時間11時間30分の長い低山歩きはこうして終った。  今回の低山歩きは反省が多すぎて反省しようも無いくらいです。 こんな馬鹿な歩きをブログで公表すれば、もう二度とこんな歩きはしないだろうと思いアップしました。