キヨちゃんはいわゆる勝手几帳面である。台所をピカピカに磨いたりするくせに、鍋の蓋は汚れないと信じている節がある私が洗い物をする時はいいが、留守中鍋を使う彼女が片づけていると、私はそれを知る由もなく、ある日使おうと開けてびっくりということになる。
もちろん年中掃除を欠かさないキヨちゃんのお陰で、家は結構綺麗である。ずぼらな私などは大助かりだ。そして戸締まりも几帳面にする・・・と言いたいところだが、これは話が別なのである。
我が家では猫を飼っている。これが家中をテリトリーにしようと目論んでいるが、彼に許したテリトリー以外の部屋へは出入り禁止であり、出入り後すぐ戸を閉める決まりになっている。逆に彼が餌を食べたり水を飲んだりするために、テリトリー内の戸は開放する決まりになっているのだ。
ところがキヨちゃんはしばしばこれを逆にする。当然猫は我が物顔で他の部屋を闊歩し、逆に水も飲めずに鳴いていたりするのだ。また深夜に仕事から帰宅してみると、玄関が施錠されているにも関わらず、思いっきり窓が開いていたりするのである。
ある日我が家に来客があった。冬の寒い夜、玄関までキヨ ちゃんと私はお見送りし、私はそのまま庭先までお見送りに出た。そしてわずか数十秒で戻ってみると、玄関に鍵がかかっているのである。何かの間違いかと、押してみたり引いてみたりしたのだが、びくともしないのである。そうである。何の気なしにキヨちゃんは、私とお客を一緒に送り出して施錠したのである。
ここからが大変なのだ。キヨちゃんはとても耳が遠く、日中は補聴器のお世話になっている。だから呼べど叫べどドアを叩けど聞こえるはずもない。まるで叱られた子供が「もうしません。お母さん開けて。」と叫んでいる状態である。
結局寝ている離れの父をたたき起こし事なきを得たのだが、冬の寒空の下、野宿させられそうになった一人娘は私くらいだろう。
もちろん年中掃除を欠かさないキヨちゃんのお陰で、家は結構綺麗である。ずぼらな私などは大助かりだ。そして戸締まりも几帳面にする・・・と言いたいところだが、これは話が別なのである。
我が家では猫を飼っている。これが家中をテリトリーにしようと目論んでいるが、彼に許したテリトリー以外の部屋へは出入り禁止であり、出入り後すぐ戸を閉める決まりになっている。逆に彼が餌を食べたり水を飲んだりするために、テリトリー内の戸は開放する決まりになっているのだ。
ところがキヨちゃんはしばしばこれを逆にする。当然猫は我が物顔で他の部屋を闊歩し、逆に水も飲めずに鳴いていたりするのだ。また深夜に仕事から帰宅してみると、玄関が施錠されているにも関わらず、思いっきり窓が開いていたりするのである。
ある日我が家に来客があった。冬の寒い夜、玄関までキヨ ちゃんと私はお見送りし、私はそのまま庭先までお見送りに出た。そしてわずか数十秒で戻ってみると、玄関に鍵がかかっているのである。何かの間違いかと、押してみたり引いてみたりしたのだが、びくともしないのである。そうである。何の気なしにキヨちゃんは、私とお客を一緒に送り出して施錠したのである。
ここからが大変なのだ。キヨちゃんはとても耳が遠く、日中は補聴器のお世話になっている。だから呼べど叫べどドアを叩けど聞こえるはずもない。まるで叱られた子供が「もうしません。お母さん開けて。」と叫んでいる状態である。
結局寝ている離れの父をたたき起こし事なきを得たのだが、冬の寒空の下、野宿させられそうになった一人娘は私くらいだろう。