長く娘をしているので、キヨちゃんの大体のパターンは読める。しかし、それでもネタの宝庫になり得るのは、娘の私でも読み切れない所にある。
今日は、ちょっと私もイライラしていた。仕事は一人じゃなくなった分、気持ちにゆとりが出来たし、誰かと話す時も、誰かとちょっと軋轢があったとしても、彼女と言うクッションがありがたい。
しかし、この業界の人手不足は全く解消せず、ヨリ悪くなる一方だ。一億総活躍時代、介護離職ゼロなんて、どうしても素直な気持ちで聞けない。
少ない資源で、出来る範囲支援できる方向性を探るのが私の仕事だし、嫌な事も苦手な事もやっていかなくてはならないことも分かっているが、それにしたって人がいないからどこも開店休業だし、出来る所は目いっぱいだし、そんななかで折り合いをつけていかなくてはならない。
上司の意見はもっともだし、しかし、ついついイラッとしてやってしまった・・・。口は災いのもと、覆水盆に返らず。自分のまいた種だから仕方ない。
そんなこんなで残業もして、戻ってみたらキヨちゃんはお風呂上がり。ただいま・・・の「ま」が聞こえるかどうか位で、
「あ~!足が痛い!今日も一日しんどかった!何ちゃしとらんぞ!早う飯作れ。」
と言う。とは言え、途中まで準備はしてくれている。にしても、「クゼツ」が多い。
医師によれば変化は無いらしいが、痛みやしびれは本当だろうから、やはり症状が進んでいるとしか思えない。それでも好きな畑は止められない。止めようとも思わないが、好きが疲れるとこっちにとばっちりが来るからたまらない。
「母ちゃんはなるべくクゼツも言わずに毎日頑張んりょる。」
って十分言うてますがな。
台所を見るとそれぞれの皿には、ほうれん草、焼きなすびが乗っかっており、まな板には豆腐が、ボールにはささがきしたごぼうが、ざるにはレタスが入っていた。
「ごぼう、どうしようと思うたん?」
「天ぷらしようと思うたけど、しんどいけんやめた。何ぞおかず作れ。」
さて、どうしたものか。キヨちゃんはいいかもしれないが、さすがにこのラインナップではくりりんは不足だろう。そこで、ささがきごぼうと牛肉を少しすき焼き煮にした。
すると居間からキヨちゃんが、
「皿に豆腐入れたら終わりじゃ。」
と言う。えええ?ほうれん草、焼きなすび、冷ややっこのプレートって、まあ何てヘルシー。最近太っている私は本当はその方がいいのだろうが、やっぱりこれではちょっと寂しい。
で、冷ややっこは別にして、すき焼き煮を乗せた。
「母ちゃんは肉要らん!」
と本当は嫌いでは無い肉を敢えて拒否する。
「あ~、母ちゃんが作ったなすび、採れたてを焼いたけん、うまい。」
と連呼する。確かに美味しいのだが、
「ちっとは肉も食べたら。」
と言うとあからさまに嫌な顔をする。
それから、足が痛いの、畑が大変だったのと色々クゼツを並べていたキヨちゃんが、くりりんに、
「くりちゃん、あんたの準備してくれる風呂はな。」
と同じテンションで話し始めた。思わず身構えると、
「お湯の温度がちょうど良くて気持ちええ。感謝してます。」
へえええ??そのテンションでまさかのお褒めの言葉。
何だか肩すかしな感じだが、全く読めない今日のキヨちゃんだった。
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今日は、ちょっと私もイライラしていた。仕事は一人じゃなくなった分、気持ちにゆとりが出来たし、誰かと話す時も、誰かとちょっと軋轢があったとしても、彼女と言うクッションがありがたい。
しかし、この業界の人手不足は全く解消せず、ヨリ悪くなる一方だ。一億総活躍時代、介護離職ゼロなんて、どうしても素直な気持ちで聞けない。
少ない資源で、出来る範囲支援できる方向性を探るのが私の仕事だし、嫌な事も苦手な事もやっていかなくてはならないことも分かっているが、それにしたって人がいないからどこも開店休業だし、出来る所は目いっぱいだし、そんななかで折り合いをつけていかなくてはならない。
上司の意見はもっともだし、しかし、ついついイラッとしてやってしまった・・・。口は災いのもと、覆水盆に返らず。自分のまいた種だから仕方ない。
そんなこんなで残業もして、戻ってみたらキヨちゃんはお風呂上がり。ただいま・・・の「ま」が聞こえるかどうか位で、
「あ~!足が痛い!今日も一日しんどかった!何ちゃしとらんぞ!早う飯作れ。」
と言う。とは言え、途中まで準備はしてくれている。にしても、「クゼツ」が多い。
医師によれば変化は無いらしいが、痛みやしびれは本当だろうから、やはり症状が進んでいるとしか思えない。それでも好きな畑は止められない。止めようとも思わないが、好きが疲れるとこっちにとばっちりが来るからたまらない。
「母ちゃんはなるべくクゼツも言わずに毎日頑張んりょる。」
って十分言うてますがな。
台所を見るとそれぞれの皿には、ほうれん草、焼きなすびが乗っかっており、まな板には豆腐が、ボールにはささがきしたごぼうが、ざるにはレタスが入っていた。
「ごぼう、どうしようと思うたん?」
「天ぷらしようと思うたけど、しんどいけんやめた。何ぞおかず作れ。」
さて、どうしたものか。キヨちゃんはいいかもしれないが、さすがにこのラインナップではくりりんは不足だろう。そこで、ささがきごぼうと牛肉を少しすき焼き煮にした。
すると居間からキヨちゃんが、
「皿に豆腐入れたら終わりじゃ。」
と言う。えええ?ほうれん草、焼きなすび、冷ややっこのプレートって、まあ何てヘルシー。最近太っている私は本当はその方がいいのだろうが、やっぱりこれではちょっと寂しい。
で、冷ややっこは別にして、すき焼き煮を乗せた。
「母ちゃんは肉要らん!」
と本当は嫌いでは無い肉を敢えて拒否する。
「あ~、母ちゃんが作ったなすび、採れたてを焼いたけん、うまい。」
と連呼する。確かに美味しいのだが、
「ちっとは肉も食べたら。」
と言うとあからさまに嫌な顔をする。
それから、足が痛いの、畑が大変だったのと色々クゼツを並べていたキヨちゃんが、くりりんに、
「くりちゃん、あんたの準備してくれる風呂はな。」
と同じテンションで話し始めた。思わず身構えると、
「お湯の温度がちょうど良くて気持ちええ。感謝してます。」
へえええ??そのテンションでまさかのお褒めの言葉。
何だか肩すかしな感じだが、全く読めない今日のキヨちゃんだった。
