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すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

同窓会

2007-06-07 22:52:31 | ひとりごと
 うちの同級生は実に面倒くさがりが多いのか、全く同窓会をしない。成人式の時に、中でも大変世話好きな子が、計画してくれたが、それ以降全くない。
 他の学年は毎年していたり、頻繁でなくても数年ごとにはしているらしい。
 決して仲が悪かったわけではないのだが、先頭きって「やろう!」という人がいない。「やるなら、呼んで~」「したいよねえ~」止まりである。
 人のことは言えた義理ではない。私も決して先頭切ってやろうとは思っていなかった。ところが、今回ひょんなことから、同窓会を計画する側になってしまった。それはもう勢いである。友人数人ととにかく連絡先を調べまくった。半数もつかまらないかもしれないが、とにかく一回しておけば次に繋がるはずだ。
 やり始めてみると、これが大変なわりに結構楽しい。正確には楽しかったり、切なかったり、感慨深かったり・・・。
 中学時代の同級生。すでに5人が他界していた。心を病んでいる人もいた。今でも交流がある人はともかく、中学時代しか知らない友だちの、「大人な事情」は結構心に堪える。
 自閉症気味で誰も声を聞いたことのない同級生。どきどきしながら嫁ぎ先に電話したときの、思いがけずかわいらしい声には感動すら覚えた。たまらずに「声、かわいいよ。」と伝えた。
 今のご時世、「同級生です。同窓会を・・・」と言っても不審がられる。事実「去年もそんな電話があって、全く知らない人でした」との話も出た。親御さんを知っていれば、大丈夫なのだが、面識がないとますます怪しい。だから友だちから友だち、どんなに遠回りでも、親戚だご近所だとクッションを置く。それでも個人情報をゲットするのは難しい。まあ、そのくらいの方が田舎に親を持つ者は安心ではある。
 そんな事情もあり、幼なじみの実家に電話するのをためらっていたら、うちのキヨちゃんが口を挟んだ。
 「なんで実家に電話せんの?」
そこで、今のご時世は・・・と説明する。するとキヨちゃんは頼もしくこう言った。
 「Aちゃんだろ?お母さんと友だちじゃけん、母ちゃん聞いてあげるわ。」
そして、電話を掛けた。
 「もしもし、こんばんは。(キヨちゃんのフルネーム)です。まあ、元気なかえ?」
和やかな語り口調で安心していたら、このやりとりの後いきなりこう切り出した。
 「じゃあ、娘に代わります。」
ええ!!こんなタイミングかい!普通聞き出してくれると思うだろう。そうでなくても
「今回同窓会をするらしくって、娘が幹事をしてるので、代わります」くらいの説明はするだろう。
 おたおたしながら電話を代わると、案の定先方のお母さんもおたおたしていた。
 人に・・・いや、うちのキヨちゃんに頼るのはやめようと心に決めた・・・。

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