みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

「文献をちゃんと一次資料まであたろうよ」

2022-10-14 12:00:00 | 賢治渉猟
《三輪の白い片栗》(種山高原、令和3年4月27日撮影)
 白い片栗はまるで、賢治、露、そして岩田純蔵先生の三人に見えた。
 そして、「曲学阿世の徒にだけはなるな」と檄を飛ばされた気がした。

 「一次情報に立ち返れ」と警鐘を鳴らしたいるのは石井洋二郎氏だけではない。あの弘中綾香アナも似たようなことを訴えていた。

 2020年の1月3日の『Yahoo! JAPANニュース』の記事〝テレ朝・弘中綾香アナ、NHK初出演でネット記事への思いを明かす「二次資料、三次資料でその人のことを判断しないで」〟が目に留まった。それは、「一次情報、あるいは一次資料ともいわれるものに立ち返れ」ということを私は以前から肝に銘じていたからだ。
 そこでその中身を見てみると、弘中アナは、
 「番組をよくみて、一次資料っていうんですか?みんな習ったじゃん。文献をちゃんと一次資料まであたろうよ。二次資料、三次資料でその人のことを判断しないでってすごい思います」と明かした。
というではないか。
    みんな習ったじゃん。文献をちゃんと一次資料まであたろうよ。
とである。
 このことに関しては前回も触れたし、以前も何度か触れたように、石井洋二郎氏が〝平成26年度 教養学部学位記伝達式 式辞〟において、
 あらゆることを疑い、あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること、この健全な批判精神こそが、文系・理系を問わず、「教養学部」という同じ一つの名前の学部を卒業する皆さんに共通して求められる「教養」というものの本質なのだと、私は思います。
と警鐘を鳴らしていたことをたまたま知った。そして、そういえば学生時代に、理系のせいでもあったのだろうか、教授等から「学問の始まりは疑うことである」と何度も口を酸っぱくして教わったなということを私はしみじみと思い出した。そこで、やはりこの姿勢は凄く大事なんだよなと認識を新たにし、その後、特に賢治に関する研究においては私が一番心懸けているいることである。それは、この分野においては少なからぬ論文においてまさに「二次資料、三次資料で判断」したり、風聞や噂話を基にして判断したりしているものを私は見てきているからである。はては、一次資料を改竄したり捏造しているものさえもないとは言い切れないということも私は知っているからである。
 そこで、弘中アナのこの度の「二次資料、三次資料でその人のことを判断しないで」という新たな警鐘を知り、そっか、『やはり弘中アナはただ者じゃない、なかなかやるな』と敬服した次第だ。それは、何よりも基本をしっかりと押さえているからだ。

 石井洋二郎氏や弘中アナが「一次情報や一次資料に立ち返れ」と警鐘を鳴らしているというのに、なぜあそこではそれが殆どなされないのだろうか。あまりにも寂しい。

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