みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

「質屋神話」等の再検証が必要なようだ

2020-02-14 10:00:00 | 賢治渉猟
《『批評空間 Ⅱ 14』(太田出版)の表紙》

 そして吉田氏は、友達から教わったという次のようなエピソード、
 「吉田、お前は知らないかも知れないけど町の質屋っていうのは単なる収奪機関じゃないからね。『今度、親父さんが倒れてんだってね、お宅も金いるだろう』といつもより多めに貸してくれたりもする。相手の家の事情をよく知っていて、金を出す。一方的に暴利を貪るだけのあこぎな商売だったら誰もそんなとこ通わないよ。…投稿者略…」
             〈『批評空間 Ⅱ 14』(太田出版)8p〉
を紹介し、
    「ああ、やっぱり」と思いました。
と締め括っていた。そこで私も、そういうこともありかと気付かされ、今までのものの見方がステレオタイプだったなと反省するとともに、やはり物事というものは一度は疑ってみなければならないのだと、改めて自分に言い聞かせた。
 それは、同氏が続けて、
 そんな風にして賢治のいわゆる「質屋神話」が崩れると、その裂け目から色んなものが見えだした。…投稿者略…今まで伝えられている賢治像のいかがわしさが続々と現れて来るんですよ。自分でもビックリした。なんでこんな単純なことを学者先生連中は気付かないんだろう、何故無視しているんだろうって……。
と述べていたから、なおさらにであった。私も、ここ十数年ほど「羅須地人協会時代」のことを中心にして検証作業を続けてきた結果、疑ってみた結果見えだしたことや、なんでこんな単純なことに気付かないんだろうと思ったことが私にもあったからである。
             〈同〉
と述べていたからなおさらにだ。
 私もここ十数年ほど「羅須地人協会時代」のことを中心として検証作業を続けてきたことにより、新たに見えだしたことや、どうしてこんな簡単なことを気付かないんだろうと思ったことが少なからずあった。

 どうやら、「質屋神話」を始め、賢治にまつわる神話の再検証が少なくとも必要なようだ。

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 賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』
 本書は、「仮説検証型研究」という手法によって、「羅須地人協会時代」を中心にして、この約10年間をかけて研究し続けてきたことをまとめたものである。そして本書出版の主な狙いは次の二つである。
 1 創られた賢治ではなくて本統(本当)の賢治を、もうそろそろ私たちの手に取り戻すこと。
 例えば、賢治は「ヒデリノトキニ涙ヲ流サナカッタ」し「寒サノ夏ニオロオロ歩ケナカッタ」ことを実証できた。だからこそ、賢治はそのようなことを悔い、「サウイフモノニワタシハナリタイ」と手帳に書いたのだと言える。
2 高瀬露に着せられた濡れ衣を少しでも晴らすこと。
 賢治がいろいろと助けてもらった女性・高瀬露が、客観的な根拠もなしに〈悪女〉の濡れ衣を着せられているということを実証できた。そこで、その理不尽な実態を読者に知ってもらうこと(賢治もまたそれをひたすら願っているはずだ)によって露の濡れ衣を晴らし、尊厳を回復したい。
〈目次〉

〈はじめに〉




 ………………………(省略)………………………………

〈おわりに〉





〈資料一〉 「羅須地人協会時代」の花巻の天候(稲作期間)   143
〈資料二〉 賢治に関連して新たにわかったこと   146
〈資料三〉 あまり世に知られていない証言等   152
《註》   159
《参考図書等》   168
《さくいん》   175

 現在、岩手県内の書店での店頭販売やアマゾン等でネット販売がなされおりますのでどうぞお買い求め下さい。
 あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,650円(本体価格1,500円+税150円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813
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