ども、砂川です。
三浦綾子さんの「氷点」を読み終えました。
辻口病院長夫人の夏枝が、青年医師村井と逢い引きしている間に3歳の娘ルリ子は殺害されます。
「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘、陽子を養子に迎えます。
何も知らない夏枝と長男徹に愛され、すくすくと育つ陽子。
やがて、辻口の行いに気づくことになった夏枝は、激しい憎しみと苦しさから、陽子の喉に手をかけ・・・。
三浦綾子さんは、以前「塩狩峠」を読みましたケド、今回もぶっちゃけ「退屈な・・・」と思いながら、でした。
細かな心理描写や文章の表現力が山崎豊子さんや宮尾登美子さんには全然及ばない・・・、が読んでる最中の印象。
でも下巻のラストシーンでイッキに持っていかれました。(笑)
いやぁ~、素晴らしい。
クリスチャン作家らしい、人間の愛と罪と赦しをテーマに繰り広げられた重厚なストーリーで、誰一人、罪を背負わない人間はいない、という核心のテーマが激しく突き付けられます。
人間の存在そのものが、お互いに思いがけないほど深く関わり合い、傷つけあっている・・・。
その「原罪とは何?」という問題をはっきりと現代人に表示し、その深さを投げかけた作品なのです。
「不朽の名作」と言われる理由がよくわかりました。
で、読み終わってから、人気TV番組の「笑点」がこの小説をモジって名付けられたってコトも知りました。
いやぁ~、素晴らしい。(笑)