ども、砂川です。
「大地の子」があまりにインパクトが大きかったので、こんな本まで読んでしまいました。
戦争を憎み、平和を愛した作家、山崎豊子さんが「大地の子」を執筆するにあたって、その取材で中国を訪れ、いかにその難しさを克服していったのかを記した後日談です。
多くは講和や対談形式で書かれており、山崎豊子さんの「生の声」を知るコトができます。
胡耀邦総書記との中南海での異例の会見。労働改造所、未開放地区への初めての取材、「三度も捨てないで!」と叫ぶ戦争孤児たちとの面談…。
興味深かったのは、「中国を美しく書かなくて結構。中国の立ち遅れた面、欠点、暗い影の部分も書いてよろしい。ただし、それが真実ならば・・・」と、胡耀邦総書記が言った言葉。
今の時代の中国の政治家には言えないでしょうね。
情報閉鎖国である中国で、ここまで信頼されるのは、山崎豊子さんの人間性だけではなく、それまでの功績も認められて、の話だと思います。
「大地の子」の続編を望む声も多かったそうで、あの天安門事件を陸一心がどう見たか、を描いて欲しい、など、むしろ現代中国はこの時代よりも後退しているのではないか、とさえ思います。
さまざまな圧力がかかる中で、NHKがドラマ化したのも大変な作業だったようで、私もぜひ映像化された「大地の子」を見てみたいと思いました。