令和6年5月23日(木)
静岡県知事選挙応援のため各地を回っていると、候補者の訴えには含まれていない、地域課題を聞く機会があります。その方にとっては切実な課題であり、じっくりと話しに耳を傾けさせていただくことが大切と考えています。
今回は住宅地に近いところで起きている鳥獣害対策についてでした。この地域の鳥獣害は数年前から頻発しており、私も現地に入り被害者の意見を聞くとともに、市や県の担当部署とその解決について話し合い、対策を講じています。
しかし、その効果が遅々として表れず、そこに住む立場になると、日々の暮らしが脅かされていることになり、言葉だけの対策では済まされません。
この地域には様々な鳥獣害が発生していますが、長期戦になっているのはサルの被害です。人間に近く、知恵もあり活動範囲も広いので他の動物のようにはいきません。駆除というよりは、被害に遭わないように防御することが主な対策となります。
防御方法には、サルの餌となりそうなものを置かないことが第一に上げられますが、農地と住居が混在していると、農作物=餌になります。住んでいる人は、自宅の周りやゴミ置き場などを荒らされないように工夫しています。
農家は、防護ネットや電気柵などで対応することができ、一定の効果は期待できます。
重要なのは、被害地域にある農地所有者や住人が一致団結して、サルの習性などを知り、防御方法を導入することです。
以前、県農林事務所にお願いして、被害地域の関係者に向けたサル対策を含めた鳥獣害対策の研修会を開いていただきました。研修会は被害地域の町内会長を通じて参加を呼びかけたようですが、思ったほど集まらなかったようです。
しかし、地域を回ってみると、以前に比べ防御態勢が進んでいるようにも感じています。研修会の効果があったと受け止めたいと考えています。
餌がなくなれば、他に地域へ移動することで被害がなくなるという発想ですが、依然としてサルの出没は変わっていません。
対策を訴えた人は、荒廃農地や山林が増え、そこを「ねぐら」にして住み着いていることや、荒廃農地に残った果樹などを餌にしているなどの現状を聞きました。この時期、色づき始めたビワを餌にしている姿を見ているとも話していました。
どのような課題が残されているか、被害者の切実な声からはその答えが見えてきます。鳥獣害対策が行き詰まっている背景には、このような貴重な意見にどう対処するかです。
県全体での鳥獣被害額は相当なものです。決して一部の課題ではなく、農林水産業が抱える課題として、新たな知事にはその対策を積極的に講じていただくことを期待します。
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