令和6年5月24日(金)
商店街の活性化に取り組む「タウンマネージメント(TMO)吉原」の総会があり、出席させていただきました。

(総会の様子)
TMOは、中心市街地における商業まちづくりをマネージメント(運営・管理)する機関のことです。
様々な主体が参加するまちの運営を横断的・総合的に調整し、プロデュースするのが役割で法律によって定められたまちづくり機関を指します。
1998年(平成10年)の「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律(略称:中心市街地活性化法)」における中心市街地活性化策の目玉として導入されました。TMO構想を作成し、この構想について適当である旨の市町村の認定を受けたものを認定構想推進事業者、いわゆるタウンマネージメント機関としています。
TMO吉原は平成18年5月に発足しました。私は当初から参加し、衰退を続けている吉原商店街の活性化に向け、様々な取組をしてきました。会員の多くは吉原商店街の店主等ですが、その周辺で事業を営む方なども参加し、私は商店街を利用する立場でメンバーに入れていただいています。
立ち上げ当初の目玉には、建築から半世紀以上経過し、老朽化した商店街のリニューアルのための再開発なども手がけてきました。しかし、多額の資金を必要とし、後継者の目途がつかない所有者などの意見もあり、大規模な再開発は進んでいません。
一方で、既存の空き店舗に耐震化を施し、リノベーション(既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えること)を進めるところも増えています。そこに域外からの進出を支援する「あなたも商店主事業」(市や商工会議所の支援)を活用して、まちの賑わいを進めています。吉原地区だけでもこれまでに16店舗が進出しました。
その他、イベント事業では「吉原宿まつり」や「吉原まるごとマルシェ」などにも協力し、集客や交流、情報発信等の役割を担っています。
私の隣に座った商店主には、立派な後継者がいて商店街の若手のリーダー的存在です。その後継者がどのような思いで家業をついたのかについて伺ったところ、小さな時から父親や祖父が仕事をする場面に接し、仕事以外でも地域のお祭りなどを通じて、地域の人々が楽しくやっている姿を見たときに、大人になったらこのような人間関係の深い地元で仕事をし、生活することを夢見ていたと話していました。
親としては、商店街の衰退が進み、今時の若い人たちは都会に出て行くのだろうと想像していたそうですが、学校を卒業して家業を継ぐために数年間、外で経験をし、迷いなく自ら地元に戻ってきたそうです。その間、親として家業を継ぐことや地元に戻ることについて触れたことがなく、家業を継ぐことを聞いたときには驚いたと話していました。
希なケースかも知れませんが、地域の人の繋がりが魅力と思い続けてきた後継者の現在の行動は、その思いが後押しとなってまちづくり、商店街の活性化に積極的に取り組んでいることがよく理解できました。
「まちづくりは人づくり」と言いますが、今はまだ、厳しい状況が続く商店街ですが、商店街を愛する若い店主がその思いを周囲に広げてくれることで、きっといつか、商店街の賑わいを取り戻してくれる気がします。
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