日本海要素といわれる矮性化した常緑樹の例として昨日ヒメアオキをとり上げましたが、逆に落葉植物の葉の大型化・広葉化も日本海要素とされています。戸隠森林植物園で見たヒロハツリバナ:広葉吊花(ニシキギ科ニシキギ属)もそのひとつです。
日本海側気候では、雪解け水で土壌水分が多く光合成に必要な水分が豊富なため葉が大型化したものとされています。
ヒロハツリバナは、やや標高の高い山地の樹林内に生える高さが3~6mになる小高木で、対生する葉は長さ3~12cm、幅2~7cmの倒卵状楕円形ふちに細かくて鈍い鋸歯があります。
6~7月、葉脇から集散花序を下垂、黄緑色の小花を3~20個つけます。果実は果で、9~10月に紅色に熟し橙赤色の仮種皮に包まれた種子を出します。
同じ例として見られるものに、オオバクロモジ(10年11月27日記事)、スミレサイシン(08年4月15日記事)、マルバマンサク、などがあります。