一年ほど前、蓼科山の中腹をドライブしているとき、この時季にしては珍しく花をつけた木があるのに気がつきバックしてよく見ると花と思ったのはとオガラバナ:麻幹花(カエデ科カエデ属)の果実でした。(11年8月31日記事)
そのオガラバナが、栂池自然園へのロープウエイの乗継点近くに、まだ蕾でしたが黄緑色の花穂を立てていました。
別名ホザキカエデのこの木は、本州奈良県以北、北海道の亜高山帯に生える落葉低木で、高さは1~3、m、長さ6~13cmの葉は掌状に5~7裂し、裂片に欠刻状の鋸歯があります。
花は夏、若枝の先に総状花序を斜上につけます。
カエデにしては変わった名前のもとになったオガラは麻幹で、アサ(麻)の皮を剥いだ茎で盂蘭盆の飾りや迎え火などに焚くもので、材が柔らかいところが共通しているところからきています。麻が栽培禁止となった今は、オガラも一般的ではなくなりましたが、その特異な花穂、果穂とともに、変わった名前で、覚えやすいカエデの一つといえます。