立久恵峡(出雲市乙立町)の温泉宿御所覧場の朝、出発するバスを見送りに出てきた宿の主人が教えてくれたのが、水しぶきのかかる高い岩場に生えているイワギリソウ:岩桐草(ゴマノハグサ科イワギリソウ属)でした。
近畿地方以西の深山の渓谷の岸壁に生えるというこの草は、自生のものが少なく今では珍しい草になっているそうです。
毛の多い葉や花の形がキリに似ていて、岩上に生えるのでこの名がある多年草で、葉は根元に群がってつき、広卵形で先はやや尖ります。5~6月、長さ10~20㎝の花茎の先に、紅紫色の長さ2㎝ほどの漏斗型の花をつけます。
帰って図鑑を見ると、撮影場所はずばり出雲市立久恵峡とありました。今後自生のこの草を見る機会もないと思い、望遠でぼけた最低の写真ですが備忘的に取り上げました。