新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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ヒロハゴマギ:広葉胡麻木(2種類の2色効果) 

2011-09-22 06:46:47 | お知らせ」

三瓶山麓北の原遊歩道沿いになぜか多いヒロハゴマギ:広葉胡麻木(スイカズラ科ガマズミ属)に赤と黒の果実が実っていました。
主として防衛物質として匂いを持つ植物の多い中で、名の通り食品の香りを持つのがこのゴマギで、枝や葉を傷つけると誰でもわかるゴマの香りがします。
各地の山野で湿潤地に好んで生える落葉低木で、高さは2~5m、対生する葉は長さ5~13cmで、表面にはしわが多いが光沢があり、ごわごわした感じがあります。
ここのゴマギは、葉の形から別名オオバゴマギまたはマルバゴマギとも呼ばれるヒロハゴマギとしましたが、図鑑では“ゴマギの分布域に接する福島、岐阜、京都、兵庫、鳥取などではしばしばゴマギとの交雑によって生じたと考えられる中間型が観察される”とありますので、こちらに該当する可能性も考えられます。
晩春、若い短枝に散房花序に小さい白い花を多数つけ、果実は8月ごろから赤くなり、完全に熟すと黒くなります。
果実食鳥に種子散布を依存している植物がつける果実は、ほとんどが匂いを持ちませんが、赤・黒・青・橙・紫・白・緑など実に多様な色を持ち、中でも赤と黒の占める比率が高く、この色が特に果実食鳥に好まれていると思われています。
写真の果実は赤と黒が混在しています。これは赤から黒へと変化することで、“時間的”な2色表示効果を狙い、加えて熟したあとは黒い果実と赤い果序で“形態的” 2色表示効果をと、両方をねらう巧妙な戦略をとっているとする説があります。
この時間的と形態的の2種類の2色表示を併せ持つ例には、ヤブデマリ、ミズキ、ウワミズザクラなどがあります。