正月でセンリョウ:千両とくれば次は当然マンリョウ:万両(ヤブコウジ科ヤブコウジ属となります。千両よりも万両の方が歴史も古く由緒もあるように思えますが、センリョウは仙蓼花(センリョウゲ)の名で1542年の生け花の書「池坊専応分口伝」に出てくるのに、万両の名はずっと下って江戸時代後期にやっと書物に顔を出し、それも、まん里りょう、万里りょう、万量、万竜などを経て万両に落ち着いたといわれています。属も科も十両といわれて格下のヤブコウジに属しているのも面白いところです。
ところで、マンリョウの実は何時までも残り、どうかすると新しい実と去年の実が同居していることがあります。不味いので鳥にとって魅力がないということでしょうが、マンリョウなりの深慮遠謀があるという仮説もあります。それは①赤い色を出すアントシアンはローコストだが、美味しい実にするにはコストがかかる。②不味いと一気には食べられないので、種子を時間的にも空間的にも広くばら撒くことができるというのです。真実かどうかは別にして何によらず不思議で一杯なのが自然です。(写真は去年雪の万博公園で撮ったものです)