簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

新幹線の車窓(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-07-07 | Weblog
 糸魚川は、大糸線の終着駅であると同時に、嘗ては北陸本線の途中駅
であった。
しかし北陸新幹線の開業に伴い、北陸本線の市振と直江津間が新幹線と
の並行在来線として第三セクターの「えちごトキめき鉄道」に業務移管
され、同社と大糸線を管轄するJR西日本とが同居する駅となった。

 因みに「えちごトキめき鉄道」は、直江津と市振の間の「日本海ひす
いライン」と、妙高高原と直江津の間の「妙高はねうまライン」の二路
線を運行している。





 糸魚川から北陸新幹線「はくたか」に乗車、目的地金沢に向かう。
各駅停車タイプの「はくたか」は、嘗ては北陸本線や北越急行線を
走っていた特急である。
平成27年に高崎から長野を経由して金沢までの北陸新幹線が開業す
ると、同線では廃止され、そのまま新幹線に引き継がれ転用された。
因みに最速タイプの「かがやき」は、全ての列車が当駅を通過する。





 高架を走る北陸新幹線の車窓は素晴らしい。
右には鈍色に沈む広々とした日本海が、水平線をどこまでも見せている。
眼を左に転じれば、雪を頂いた幾つもの山々が後ろにあっという間に退い
て行く。

 糸魚川を出て直ぐに一際に目を引くのは、町並の途切れる辺りから屹立
する山塊、黒姫山(1221m)で有ろうか。
先程目にしたセメント工場の原石採掘場は、この山の近くにあるらしい。





 雪国とは言え、平野部の積雪は少ないものの、流石に近隣の山々の雪
は多い。黒部川を渡る辺りで見えてくるのは、黒部立山連峰か、すっか
り雪に覆われている。

 立山連峰は、能登半島の雨晴海岸から富山湾越しの眺めも素晴らしい
が、この車窓からの眺めも負けず劣らずで、見飽きることがない。(続)




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糸魚川駅(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-07-05 | Weblog


 列車は午前11時半に少し前、大糸線の終点・糸魚川駅の4番ホーム
に到着した。
車内は頸城大野で多少の入れ替わりがあった程度で、多くは南小谷か
らの乗客が、ほぼそのまま終点まで乗車してきたようだ。
ホームに降り立った人々は、出口や乗換口に向け跨線橋の階段を上っ
て行った。



 糸魚川はJR西日本と、えちごトキめき鉄道、JR貨物の共用駅である。
北陸新幹線が金沢まで延伸され、北陸本線が並行在来線として三セク化
されて以降、新潟県内では唯一のJRが管理する有人駅となった。



 新幹線開業と同時に橋上駅舎に改装され、南北の自由通路を挟んで、
北口が日本海口、南の新幹線側はアルプス口として一新されていた。
以前訪れた時とは、随分と趣が異なり、近代的で綺麗な明るい駅舎に
変貌を遂げている。



 糸魚川はヒスイと「世界ジオパークのまち」である。
日本海口を出るとその東の隣接地に、「ひすい王国館」という交流施設
があり、観光物産センターや飲食店、観光案内所などが入っている。

 又、アルプス口には、糸魚川ジオステーション ジオパルと言う施設
もあって、ジオパークの案内や、鉄道関連の保存展示が行われている。



 時間があればこれらの施設もじっくりと見てみたい処だが、この駅は
乗り換えだけしか予定していない。
姫川の駅前の温泉も気になったし、近くには、ヒスイ海岸やフォッサマ
グナミュージアム、フォッサマグナパーク等の見処も有るので、一度は
立ち寄ってみたいところだ。

 いつの日かもう一度訪れる機会はないものかと思いつつ、後ろ髪引かれ
る思いで新幹線ホームへと急ぎ、ここからは北陸新幹線で、最後の目的地
金沢に向かう。(続)





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姫川駅(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-07-02 | Weblog
 大糸線で最も新しい駅は姫川で、開業は昭和61(1986)年である。
駅前に出来る大病院の利用を見据えての開業であったらしい。
しかし肝心の病院は、僅か20年で経営破綻、閉院となってしまい、以後
この駅も一日平均乗車人員は極めて少なくなった。

 職員や患者の利用が見込めていたのであろうが、無くなってしまうと
車中心の社会では、ここから鉄道で糸魚川まで出る、或は、ここへ来る
理由はないらしい。





 単式1面1線のホームに雪はなく、手押しの雪搔機は出番もないのか、
赤いシートカバーが掛けられ、小さな待合室の横に置かれていた。
無人駅の前で、病院に代わって目立つのが大規模な糸魚川温泉の建物だ。
温度97℃、毎分1500リットル湧出の源泉が自慢の温泉宿らしい。





 大糸線の旅もいよいよ終着駅が近づいてきた。
姫川駅前の温泉は、フォッサマグナから湧き出す1500万年前の化石海水
で、日帰り利用も出来ると言うが、鉄道を利用する客はいないらしい。
駅の真ん前で地の利も良いいが、途中下車をする程の時間がない。





 姫川駅を出て短いトンネルを抜けると、これまで連れ添ってきた姫川
の流れは、西に遠退き、視界からは消えていった。 
右に少し進路を変えながら、前方の北陸自動車道の高架を潜ると、左手
に大きな工場が見えてくる。
近隣で豊富に産出する、高品質な石灰石を原料として、セメントを製造
する「明星セメント」の糸魚川工場である。

 やがて「えちごトキめき鉄道(日本海ひすいライン)」の線路が近づ
き、北陸新幹線の高架が見え、それを潜り、暫くその線路に併走すると
やがて終点の糸魚川に到着だ。(続)




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